サトミvsカンガルー
『勝者に栄光を、敗者に成長を』
RQがそう言った直後、ナース達が歩いてきて皮膚が剥がれて出血したサトミの治療にとりかかる。
消毒液をつけた布を、ぽんぽんと傷口の叩くと
医者「このくらいの軽傷の場合はすぐに完治します」と言ってナース達と帰っていった。
うごけない程の傷じゃないが、妙な感覚を覚えた状態で行動は後々マイナスに働くの考えた。
サトミ「今の感じ・・・なんか・・・?あの人喋りますのね」
驚きましたわ。黙々と女医さん達と治療するイメージでしたのに。
サトミ「RQお腹が空きましたわ、食事をくださるかしら?」
すぐにこの違和感とおさらばできるのでしたら、食事でもして時間を潰しておきますわ。
サトミはRQから出されたサンドイッチをかじり始めるのだった。
・・・
食事を済ましたサトミは、地図を見ながら出口を目指す。
ルールでは鍵を手に入れないといけませんでしたわね。
『鍵』を手に入れないと『出口』に辿り着いた所で、ボートに乗れないから、第2キャンプ場へといけない。
うーん、でも地図のライン上は『わたくしの道』のハズですし、この道を外れて探しても見つからない気もしますわ。
そもそも、外れたとしても今の状況と全く変わらない可能性もありますわ。
さて、どうしたものかしら・・・。
そう考えながら、角を曲がると、なにかが通路の向こうに見えた。
なにか居ますわね。遠いけど通路の真ん中に何かが見えますわ。
待機型?最初の巨体の様に射程範囲に入った時に攻撃するタイプ?
もしかした遠距離型かも・・・?でも、もしそうなら『わたくしが視認している』のに『相手がこっちの姿を確認できていない』なんて事あるハズないですわね。
あぁ、思いつきましたわ。
サトミ「RQ」
何か名案を思い付いたのかRQを呼び出した。
RQ「はい、何か御用でしょうか?」
サトミ「双眼鏡をくれませんこと?」
RQ「どうぞ、こちらです」
サトミ「ありがとう」
受け取ると双眼鏡をさっそく覗く。通路の先、ど真ん中に居たのはカンガルーだった。
そのカンガルーはカッコつける様に首に鍵をぶら下げていた。
カンガルー?鍵を持っていますわ!
なるほど、カンガルーとの戦いが最後ですのね?
簡単ですわ、今のわたくしに敵なんていませんわ。迎撃もできて、カウンターもできる様になっていますわもの!
警戒すべきなのは『遠距離攻撃』ですけど、ずっと動いていないですもの。アレは『近距離攻撃』しかできない証明ですわ。
サトミは自身満々にカンガルーの方へ歩いていく。
カンガルーは微動だにせずサトミを見ている。
サトミとカンガルーの距離が15メートル程になった時、カンガルーが動きだした。
動きましたわ、何をするつもり?
何をしてこようと、わたくしは戦いますわよ。
カンガルーは、自分の袋を大きく広げると、サササササ・・・・っと
大量の・・・。
それを見た瞬間、カンガルーに背を向けダッシュで逃げるサトミがいた。
サトミ「いやいやいやいやいやいやいやいやぁぁぁぁぁっぁぁ!」
蟲、蟲、蟲、蟲・・・・気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!
サトミ「絶対嫌ですわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
サトミッ!戦意喪失!
カンガルーvsサトミ カンガルーの勝利!
オウタ「ここまで読んでくれてありがとう」
オウタ「明日は俺が無双していく番だから、楽しみにして欲しい」
オウタ「なんせ『穴』を空ける能力だからな、勝てない理由を見つける方が難しいと思わないか?」
オウタ「じゃ、また明日会おう」