サトミvsプローテ
サトミは1度来た道を戻ってから。再び第2ステージを始める事にした。
キャバ嬢の「私の道」という発言が引っかかったからだ。
もし、あのセリフに意味があるなら。『わたくしの道』が必ずあるハズだと思ったからだ。
念の為、スマホで地図の写真を撮り、方向だけは見失わないようにだけしている。
とにかく、自分の直感を信じて進んでみますわよ。
ーーー
1時間後。
んー、オウタ達とは違うルートを歩いているハズですけど。
別段、何かが変わってるような感じはしないですわ。変わり映えしない通路。
正直言って、気が滅入ってきますわ。今思えば、私達が歩いていたルートがキャバ嬢とボマーのルートって事がありえるのかしら?
撮った写真を見ても、この迷宮ものすごく広いですわ、こんな広い中、個人で動いて私達と出会うって、どれほどの確立ですの?
コレじゃまるで、わたくし達を『追って来てた』としか思えませんわよ?
あんまりにも何も起きない事で、思考ばかりが飛び続ける。
ーーー
さらに30分後。
ズチャ・・・ズチャ・・・。という、足音が遠くから聞こえた。
サトミ(ッ!?やっと・・・何かが起きますわ)
ズチャ・・・ズチャ・・・。音が少しづつ近づいてくる。
何が来ようと、覚悟は決まっていますわ。
わたくしからも、向かってやりますわ。
サトミも音が鳴る方へと向かう。通路を曲がると。プローテが歩いてくるのを目視する事ができた。
サトミ「わたくしの初戦はやっぱり貴方という事ね」
まるで運命ですわね。キャバ嬢に操られていた巨体に、わたくしの能力の無力さ知らされた。
操られていない状態だったら、越えられるのか。と試されている様ですわね。
冷静になり、わたくしの成長した姿を見せてやりますわ。
ズチャ・・・ズチャ・・・。プローテはサトミの方に歩いてくる。歩行スピードは常に一定だ。
ザッ、ザッ、っとサトミも動く。
サトミの能力の方がリーチは少し長い。だから先に攻撃を仕掛ける事ができるが、致命傷にならない攻撃に意味は無い事を知っている。
プローテは自身のリーチでは届かない場所で右ストレートの構えを取った。待ち伏せだ。
それを確認したサトミ・・・だが、歩みは止めない。
ザッ、ザッ・・・。サトミもペースを変えない。
サトミ「操られていない場合、間合いに入った瞬間に攻撃できる様に構えるのかしら?」
サトミ「ですけど今の構え方を見る限り、1つ1つの動作は遅いですわね」
サトミ「攻撃時はどうかしら?」
サトミが全てを言い終わる前にプローテの右ストレートが放たれた!
パンッ!と、音が鳴る程、その攻撃は目視できない程に速かった。だからサトミの顔面に拳が当たった。
サトミ「既にわたくしの能力は1段階レベルが上がっていますわ」
サトミは全身の皮膚から、ほんの少しだけトゲの様に出し
サトミ「敵からの攻撃に接触した瞬間、接触した部分だけが伸びる様にしましたの」
サトミ「これで不意打ちによる攻撃のほとんどを防ぐ事ができると考えたわ」
サトミ「さすがにボマーの爆弾は難しいでしょうけど」
接触した部分の他に足の裏の皮膚も能力が発動していたが、それは無意識で行っていた。
だから、プローテの攻撃の威力は凄まじいハズだが、サトミは石像のように動く事なく。さらに敵の腕を押し返していた。
武器が腕を貫通して食い込んでいるので、プローテは動くことができない。ずっと腕を引く動作を行っているのも関わらず、抜く事も出来ない。
サトミ「キャバ嬢の支配下だった時は、キャバ嬢の動きと連動する・・・でも」
サトミ「今はただ、パンチを繰り出すだけの機械のようですわね」
ただ。サトミはこの状態から動けないのではないだろうか?コレじゃあ先ほどの教訓を学んでいない様に思える。
だからキャバ嬢との戦いの時、オウタに手伝ってと言っていたハズだ。
サトミ「わたくしは昨日、自分の能力について考える事をせず」
サトミ「第1ステージの意味について考えていた」
サトミ「それが裏目に出たのは認めますわ」
サトミ「ですが、そのおかげで、わたくしに対してのヒントも思い出しましたわ!」
そう言って、少しずつ武器が伸びたり縮んだりして、
武器を刺したり、逆に抜いたりして・・・だが、敵の行動は完全に足止めして。
プローテの真横にピッタリと移動する事に成功していた。
サトミ「ハリセンボンの様に全身から武器を出すだけじゃない」
サトミ「ハリネズミの様に体の半分だけ武器を出して」
サトミ「ウニの様に移動する・・・」
サトミ「そして殺意たっぷりに、一気に全ての武器を突き刺す!」
グシャァァァ!
体半分から剣やヤリを出して、真っすぐに突き刺し。
もう半分から鎌を出して突き刺す!
防御、攻撃、移動・・・全てができるように成った。
サトミ「わたくしは、まだまだ強くなりますわよ」
ドバドバと、プローテの血が流れながら・・・倒れる。ドチャっと。
サトミvsプローテ サトミの勝利!