4話 契約と修行
皆さん、こんにちは!内藤彰です。
本日は、フェンリルのナルに契約を申し込まれております。
「契約ってなんだ?」
わからないことは素直に聞く!
これこそアキラクオリティ・・・すいません調子に乗りました。
「契約って言うのはね、お互いの魔力を同調させて主従関係を結ぶ事よ!」
ナルは横に座りながら説明してくれた。
正解には、召喚魔法の一種でお互いの血、または魔力で契約を結び主従関係を創るとの説明が頭に流れた。
(神様に魔法の知識貰っておいて助かったぁ~!)
だが、即横やりが入る、
「ダメよナル!彼は魔法の知識は有っても魔力の制御が全くできていない、そんな状態で契約したらあなたにどんな事が起こるか想像もつかない・・・だから、契約は彼がここで魔力の制御を覚えるまで待ちなさい!」
先程の神獣様口調では無く、お母さんが子供を叱る口調になっていた。
それを見ていた俺に気づくと・・・
「ハッ!・・・良いか小僧、貴様は我が娘と契約を結ぶ為ここで魔力の制御を習得してもらう、良いな!」
直ぐに口調を神獣モードに戻したが、時すでに遅し、ナルとルカに突っ込まれる!
『今更取りつくろっても遅いよお母さん!』
ヤレヤレ!っといった感じで娘に突っ込まれる親フェンリルに同情の視線を送る。
「クッ・・・とにかく、契約は魔力の制御ができるまで許しません、解ったわね?」
っと、白銀の体毛を赤く染めて食事を始めた。
「じゃ、これからよろしくねアキラ!」
頬を一舐めする・・・あれぇ?・・あれぇ?
俺に拒否権とかは無いんですか?
「ハハ・・・うん!よろしくなぁ!」
ナルの顔を・・・目を見て諦めました
(拒んだら喰うぞ!)って目をしてました。
その日から3ヶ月後・・・
「いくよ!アキラ!」
森の中でナルが構える
「よっしゃぁ~来い!ナル!」
(氷の矢よ・我が敵を撃て)
《フリーズ・アロー》
数十本の氷の矢が木々の障害ものともせず、縫うようにして飛んでくる!
「カルリの実より甘いわぁ・・・《炎籠手》」
飛んでくる氷の弾丸は、俺の両腕に纏わせた炎の籠手に打ち落とす。
(ちなみに・・・カルリの実とは、この森に自生する見た目はリンゴで味はメロンの果物だ!)
「ムッキィ~~~~~~また打ち落とされたァ~~~~~!アキラァ~~~~!今日こそ、私の尻の下に敷いてやるわぁ~~~!」
ムキになり、周りの木々を凍らせて氷の森を作りながらナルが吠える!
「やってみろよ!・・・そうだナル、負けたら今日の夕飯の狩当番おまえな!」
それを聞いたナルは、更にヒートアップ
「上等よ!負けたら何でもやってやろうじゃない!」
「負けたら何でもやってくれるのか?・・・なら、狩当番は交代しなくて良いから撫でさせてくれ?」
そう・・・彼女らフェンリルの体毛は厚手のタオルのようにモフモフで気持ちいい、何時まで撫でても飽きない。
全国のモフモフ好きの皆様・・・今までバカにしててすいません(涙)
自分は・・・異世界でモフモフの良さをしり!
愛でる事を知りました。
「撫でるのはダメよ!」
ヒートアップしていたナルは、急にそわそわしだした。
「何でもするんじゃなかったのか?」
モフモフできないガッカリをしっかり顔に出しながら聞き返す。
「何でもするけど・・・撫でるのは絶対にダメ!・・・(キモチヨスギルカラムリデス)」
最後方が小さくなりよく聞こえなかった。
「なら、私を撫でる?」
ナルを問い詰める前に、俺たちの修行?を岩の上に寝そべりながら見ていたルカが撫でに名乗りを上げる。
「アキラの撫ではキモチイイ!ナルがダメなら私を撫でる?」
アキラは即反応
「良いの『絶対ダメ!』か??」
ナルが即拒否!
「何で?ナルは、撫でるのはダメと言った!」
ルカは、首を傾げながら質問する。
「何でも・・・ダメなの・・・絶対ダメ!」
二人の威圧感が高まり、今まさにケンカが始まりそうな時、救いの神獣様が現れた。
「二人とも、ケンカは止めなさい!・・・まったく・・・アキラに撫でられるのが気持ちいいのは解るけど、もう少し落ち着きなさい。」
二人を落ち着かせた母フェンリルはアキラを見た。
「アキラ、契約の準備がととのったわ・・・夕飯の後始めます!」
3ヶ月前・・・危険と判断されたナルとの契約
(その後の修行で俺の魔力の量はナルだけでは耐えられないとわかり、ナルとルカ二人とも契約する事となりました。)
俺とナルとルカの三人は、顔を見合い
「はい!」
っと大きな声で返事をした。
返事をした三人を見て母フェンリルは微笑む。
「良い返事です!じゃあ契約を前に夕食にしましょう。先程、水飲み場の池で偶然大きな猪と会ったのでしとめました・・・アキラ料理をお願いします。」
偶然と言うのは嘘だな!
ナルとルカの契約祝いだな、そんな素振りを見せない母フェンリルに、ナルとルカは苦笑しながら
「ありがとうお母さん!」
見透かされた母フェンリルは、
耳まで真っ赤だった。