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最弱学校の異端児「ルデア」  作者: 烏猫秋
第1章〜異端児、夏の2校トーナメント戦に向けて〜
12/35

校内トーナメント戦③

『席巻の猛者』


 メイは、初めて俺に会ったときに言った。


「神に生まれたからといって、自惚れぬな。神でも、自殺することはできないんだよ」


 それを聞いた俺は、?が頭を埋め尽くした。

 メイには俺がどのように見えたんだ?

 神に生まれる?

 どういうことだ?

 様々な疑問が浮かんだが、俺は気にしないことにした。


「ルデア、か・・・・」



 1回戦目から10分のインターバルを置いて、俺は2回戦目に向かった。

 相手は、かなりの強敵。

 どのように戦おうか。

 先生との約束もあるしな。


「まあ、楽しんでいくか」


 俺は、少し笑みを浮かべながら会場に歩いた。



「それではただ今より、校内トーナメント戦2回戦。1-B古谷楓守対2-A虎居佐樹の試合を始めます!双方、向かい合ってください」


 今にも飛びかかってきそうな、威圧を先輩から感じる。

 これは、フライングになるかもしれないけど、負けられないからやるしかないな。

 眼と足、そして両腕に活性化をかける。

 眼が追いつかなかったら、話にならないので眼を中心に活性化する。

 さて、どうなるか。


「始めます。3・2・1始め!!」


 虹彩を調節して、眼に入る光の量を調節する。

 これで見やすくなった。


「何、ボーっとしてるんだ!」


 先輩は、俺が虹彩を調節しているわずか0.2秒の間に、10メートルを詰めていた。

 !?

 腕を交差させて、ダメージを受ける。

 確かに早い。

 でも、見切れないほどの速さではない。

 早くて攻撃も重い。

 ということは、できる隙も大きい。

 俺は、そこを叩く!!


「攻撃が完全に見切られてる!?」


 先輩は、今まで見切られたことのない攻撃を、余裕の顔で防いでいる後輩を目の前にして、驚愕の表情を浮かべる。

 動揺?

 まあ、いい。


「ハァァ!!」


 心窩(しんか)に渾身の突きを放つ。


「ぁ、ぁ・・・・」


 呼吸ができなくて、苦しいのか、先輩は苦悶の顔で地面に伏して動かなくなってしまう。

 ドサッ。


「試合終了!!勝者1-B古谷楓守!」


 俺の方に手が挙がる。

 いまので気絶?

 それはさすがに弱くないか?

 速さで相手の攻撃をすべて躱すつもりで、体は鍛えていなかったようだ。


「楓守!!楓守!!楓守!!楓守!!」


 もう驚かないぞ。

 礼儀として、俺はオーディエンスに一礼して控室にダッシュする。


「どんな動体視力してるんですか、兄貴」


 いつも嬉しい評価ありがとう、酒木君。


「そんなに大したことないよ」

「謙遜したらだめですよ。2年生に勝ったんですよ」


 でも、本当はまだ本気だしてないんだ。

 言えるはずないけど。


「ありがとう」

「いよいよ次は、生徒会長ですね」


 一番の危険人物、生徒会長。

 本当に、実力が計り知れない。


「恥をかかないように頑張るよ」

「兄貴、頑張ってください!!」


 もし、俺が勝ったらどうなるんだ?

 DP対DPの白熱勝負になりそうだ。


 生徒会長、手加減してくださいよ。

 

 

 

 

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