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最弱学校の異端児「ルデア」  作者: 烏猫秋
第1章〜異端児、夏の2校トーナメント戦に向けて〜
13/35

校内トーナメント戦④

『席巻の猛者、生徒会長に・・・』


 本当に、2年生の強さはあの程度なのか?

 すべては、俺を決勝に誘導するため?

 上級生への、弱いイメージを埋めつけて、俺の油断を誘っている?

 ダメだ。

 頭が混乱してきた。

 次はラスト試合、決勝戦だ。

 本気を出さないという理由がない。

 初めから打つかりに行くのが、得策と見る。

 気を抜くな、楓守。


 2回戦目から、15分のインターバルを置いて、俺は試合会場に向かった。

 さすがに、連続試合は分が悪いな。

 けど、さっきより長くインターバルは置いてもらったんだ。

 文句は言えないよな。


「久しぶり~!古谷君!」


 生徒会長が、会場に入った俺を見るなり、こっちにダッシュしてきた。

 受け止めるか、これ?


「よっ!」


 背中を後ろに倒し、地面と平行の状態にして、勢いを受け止める。

 当然その受け止め方をしたら、受け止められた側は、上半身をゆだねる形になるのだ。 

 なので、


「会長!胸当たってます!!」


 会長の形のいい美乳が、俺の上半身に押し付けられて、変形していた。

 こんなの、俺には刺激が強すぎます。


「おぉ~、ごめん」


 ゆっくりと俺から体を起こす。

 早くして!!

 ていうか、いきなり突進してくるなんて、シズみたいだな。

 子供?みたいな?


「ちょっと、今失礼なこと考えたでしょ」


 心が読まれた!?

 能力か?

 それとも、潜在能力。

 いずれにしても危険に違いない。


「まあいいか。さあ、試合を始めよう」


 ハァーー。

 会長の相手するのは、体力がいるようだな。

 俺は、やっと会場の中心に足を運ぶ。

 !

 オーディエンス男群の、嫉妬が滲んだ鋭い目が俺の胸を貫く。

 グッ。

 胸が苦しい。

 さっきまで応援してくれてたのに、表情変わるの早いな。

 俺は、嫉妬心の恐ろしさをここで知った。


「ではこれより、校内トーナメント戦決勝戦。1-B古谷楓守対2-A猫石歌恋の試合を始めます!向かい合ってください」


 ここでやっておこう。

 全身活性化と、未来視を発動する。

 俺の眼は、猩々緋(しょうじょうひ)から熨斗目花(のしめはな)色に形質を変える。


「3・2・1始め!!」


 まずは、未来さきが見えるまで、相手の出方を見る。

 しっかりと眼のアングルを絞る。


「描化!」

 

 会長の頭から猫耳が生え、お尻からは可愛らしい尻尾が生える。


「オォォーーーーー!!」 


 会場が、一気に活気を(まと)う。

 これが会長の能力?

 どんなことをしてくるか、まったく予測がつかない。

 !、見えた!

 視界に、シャッターが下りてきて、真っ暗になる?

 まさか、これが会長のもう1つの能力!?

 だとしたら、ヤバいかもしれない。

 視覚が、人間の70%の判断材料になると言われている。

 もし、それが奪われたら危険すぎる!

 急いで眼を中心に活性化。

 虹彩の調節を無理やりして、入ってくる光の量を最大にする。


「そろそろ行くよ!」


 会長が、しなやかな動きで距離を徐々に詰めてくる。

 もうすぐで来る!


「シャットダウン!」


 !

 視界にシャッターがかかる。

 まだ光が入ってきてる。

 ギリギリ見える!!

 足が振り上げられて、空気を切る音がする。

 さっきの影の動きからして、後ろに回られてる。

 間に合う!

 俺は方向を90度回転して、ガード体制に入った。

 バーーン!!

 勢いを抑えきれずに、会場の壁に叩きつけられる。


「楓守(君)!!」

「古谷!!」


 約1名、営利目的の担任の声がしたような。

 痛いっ・・・! 

 マジで初見殺しは、止めてくれ・・・。

 キック強すぎ。


「!?、シャットダウン状態で私の場所を把握された!?」


 会長は、自分の能力が看破(かんぱ)とまではいかないが、防がれたことに驚きの表情を隠せずにはいられなかった。


「逸材すぎる・・・!」


 会長の全身に鳥肌が立つ。


「まだ俺は、動けますよ」


 ここで終われる訳ないだろ。


「早く続きをしよう!!」


 喋っている途中で、飛びかかってくる。

 こちらも同感だ!

 スピードで負けないように、眼と同じように足にも大きく活性化をかける。


「一緒に修行したいよ!」

「俺は別にいいですけどっ!」


 会長と並走し、その中で攻防を繰り広げる。


「走りながら話すの、疲れるんですけど!」

「それは、お互い様だよっ!」


 会場のオーディエンスたちは、そこで起きている目まぐるしい動きに、唖然としている。


「目が、追いつかない」

「凄すぎる・・・!」


 シャットダウンが何時来るか分からない。

 このままだと、俺が圧倒的不利だ。

 何か、状況を変えることができる方法はないのか?


「シャットダウン!」


 来た!

 ここで攻めるしかない!

 俺は、わずかな会長の影を眼で追い、動きが止まった所に突進した。


「ハァァ!」


 ドスンッ。

 どうなった?

 俺の視界が元に戻る。


「そこはダメ・・・!アッ!」


 !?

 この感触・・・・。

 会長の胸!?

 すぐさま手を放す。


「ごめんなさい!真っ暗で見えなくて」


 ちょっと見えてたけど。


「悪いのはこっちよ。能力でこうなったんだし」


 優しい。

 今の俺には、会長が天使に見える。


「試合は、続行できないわね。この試合は、引き分けってことにしておくわ」

「いいんですか?」

「いいのよ。正直このままやったら、負けてかもしれないし」

「分かりました。また機会があったら、戦いましょう」


 次は絶対に勝つ!


「容赦しないわよ」


 そんな会話をしながら、俺は楽しく笑っていた。

 

「あれはわざとやったの?」

「どうなの?」

「どうなんですか?」

「ふうま~~~」


 寮に戻ると、こっ酷く4人に叱られました。


「ごめんなさい」


 俺の眼が正しかったら、4人の後ろに泣いている俺の担任が居たような、居なかったような。

 4人はその日、俺を許すことはなかった。


 生徒会長に手を出しっちゃったよ~。誰か助けて~。


                           VP、休日に街へ出る①につづく


  

 

 

 

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