校内トーナメント戦④
『席巻の猛者、生徒会長に・・・』
本当に、2年生の強さはあの程度なのか?
すべては、俺を決勝に誘導するため?
上級生への、弱いイメージを埋めつけて、俺の油断を誘っている?
ダメだ。
頭が混乱してきた。
次はラスト試合、決勝戦だ。
本気を出さないという理由がない。
初めから打つかりに行くのが、得策と見る。
気を抜くな、楓守。
2回戦目から、15分のインターバルを置いて、俺は試合会場に向かった。
さすがに、連続試合は分が悪いな。
けど、さっきより長くインターバルは置いてもらったんだ。
文句は言えないよな。
「久しぶり~!古谷君!」
生徒会長が、会場に入った俺を見るなり、こっちにダッシュしてきた。
受け止めるか、これ?
「よっ!」
背中を後ろに倒し、地面と平行の状態にして、勢いを受け止める。
当然その受け止め方をしたら、受け止められた側は、上半身をゆだねる形になるのだ。
なので、
「会長!胸当たってます!!」
会長の形のいい美乳が、俺の上半身に押し付けられて、変形していた。
こんなの、俺には刺激が強すぎます。
「おぉ~、ごめん」
ゆっくりと俺から体を起こす。
早くして!!
ていうか、いきなり突進してくるなんて、シズみたいだな。
子供?みたいな?
「ちょっと、今失礼なこと考えたでしょ」
心が読まれた!?
能力か?
それとも、潜在能力。
いずれにしても危険に違いない。
「まあいいか。さあ、試合を始めよう」
ハァーー。
会長の相手するのは、体力がいるようだな。
俺は、やっと会場の中心に足を運ぶ。
!
オーディエンス男群の、嫉妬が滲んだ鋭い目が俺の胸を貫く。
グッ。
胸が苦しい。
さっきまで応援してくれてたのに、表情変わるの早いな。
俺は、嫉妬心の恐ろしさをここで知った。
「ではこれより、校内トーナメント戦決勝戦。1-B古谷楓守対2-A猫石歌恋の試合を始めます!向かい合ってください」
ここでやっておこう。
全身活性化と、未来視を発動する。
俺の眼は、猩々緋から熨斗目花色に形質を変える。
「3・2・1始め!!」
まずは、未来が見えるまで、相手の出方を見る。
しっかりと眼のアングルを絞る。
「描化!」
会長の頭から猫耳が生え、お尻からは可愛らしい尻尾が生える。
「オォォーーーーー!!」
会場が、一気に活気を纏う。
これが会長の能力?
どんなことをしてくるか、まったく予測がつかない。
!、見えた!
視界に、シャッターが下りてきて、真っ暗になる?
まさか、これが会長のもう1つの能力!?
だとしたら、ヤバいかもしれない。
視覚が、人間の70%の判断材料になると言われている。
もし、それが奪われたら危険すぎる!
急いで眼を中心に活性化。
虹彩の調節を無理やりして、入ってくる光の量を最大にする。
「そろそろ行くよ!」
会長が、しなやかな動きで距離を徐々に詰めてくる。
もうすぐで来る!
「シャットダウン!」
!
視界にシャッターがかかる。
まだ光が入ってきてる。
ギリギリ見える!!
足が振り上げられて、空気を切る音がする。
さっきの影の動きからして、後ろに回られてる。
間に合う!
俺は方向を90度回転して、ガード体制に入った。
バーーン!!
勢いを抑えきれずに、会場の壁に叩きつけられる。
「楓守(君)!!」
「古谷!!」
約1名、営利目的の担任の声がしたような。
痛いっ・・・!
マジで初見殺しは、止めてくれ・・・。
キック強すぎ。
「!?、シャットダウン状態で私の場所を把握された!?」
会長は、自分の能力が看破とまではいかないが、防がれたことに驚きの表情を隠せずにはいられなかった。
「逸材すぎる・・・!」
会長の全身に鳥肌が立つ。
「まだ俺は、動けますよ」
ここで終われる訳ないだろ。
「早く続きをしよう!!」
喋っている途中で、飛びかかってくる。
こちらも同感だ!
スピードで負けないように、眼と同じように足にも大きく活性化をかける。
「一緒に修行したいよ!」
「俺は別にいいですけどっ!」
会長と並走し、その中で攻防を繰り広げる。
「走りながら話すの、疲れるんですけど!」
「それは、お互い様だよっ!」
会場のオーディエンスたちは、そこで起きている目まぐるしい動きに、唖然としている。
「目が、追いつかない」
「凄すぎる・・・!」
シャットダウンが何時来るか分からない。
このままだと、俺が圧倒的不利だ。
何か、状況を変えることができる方法はないのか?
「シャットダウン!」
来た!
ここで攻めるしかない!
俺は、わずかな会長の影を眼で追い、動きが止まった所に突進した。
「ハァァ!」
ドスンッ。
どうなった?
俺の視界が元に戻る。
「そこはダメ・・・!アッ!」
!?
この感触・・・・。
会長の胸!?
すぐさま手を放す。
「ごめんなさい!真っ暗で見えなくて」
ちょっと見えてたけど。
「悪いのはこっちよ。能力でこうなったんだし」
優しい。
今の俺には、会長が天使に見える。
「試合は、続行できないわね。この試合は、引き分けってことにしておくわ」
「いいんですか?」
「いいのよ。正直このままやったら、負けてかもしれないし」
「分かりました。また機会があったら、戦いましょう」
次は絶対に勝つ!
「容赦しないわよ」
そんな会話をしながら、俺は楽しく笑っていた。
「あれはわざとやったの?」
「どうなの?」
「どうなんですか?」
「ふうま~~~」
寮に戻ると、こっ酷く4人に叱られました。
「ごめんなさい」
俺の眼が正しかったら、4人の後ろに泣いている俺の担任が居たような、居なかったような。
4人はその日、俺を許すことはなかった。
生徒会長に手を出しっちゃったよ~。誰か助けて~。
VP、休日に街へ出る①につづく




