平安時代、実は異世界ファンタジーとして読むとわかりやすい説
さて、本作の舞台は日本とは言っても平安時代、しかも奥羽が中心です。これはまあ、取っつきにくいと思われても仕方ないところだと思います。
ただ、平安時代は中世に入る直前の時代ということで、少しフィルターをかけると、意外と分かりやすいんじゃないかと思い、こんなタイトルのような仮説を、少し考えてみたいと思った次第でございます。
では、早速、まずは世界観から見ていきましょうか。
ここは、あれこれと述べるよりも、まずはリストを出したほうが直感的に分かりやすいかもしれませんので、そちらを先に。
平安京 皇都/王都
多賀城 辺境伯領の首都
皇族 左に同じ
貴族 左に同じ
侍・武士 親衛隊/騎士団/国軍/警察
地方豪族 地方領主・公務員/傭兵
蝦夷 辺境種族/まつろわぬ民
俘囚 帰順した辺境種族
渡来人 大陸及び半島からの帰化種族
陰陽師 宮廷魔術師
陰陽法師 在野の魔術師
僧・尼 仏教系聖職者・魔術師
修験者 山岳系修行者・魔術師/探索者/山師
巫・巫女 神道系聖職者・魔術師/聖女
伏見稲荷 都の南東を守護する社(東寺との関係が近い)
東寺 都の南を守護する寺(比叡山とはライバル関係?)
石清水八幡宮 都の南西を守護する社(軍神であり、皇祖神)
賀茂神社 都の北を守護し、皇祖神を祀る社(土地神であり、皇祖神)
比叡山 都の北東(鬼門)を守護する寺(仏教の総本山)
禍津日神 呪いの塊・異能/穢れの器
菅原道真 かつての名宰相/魔王
平将門 反逆王/次の時代(武士の時代)の幕を開けた男
だいたい、こんな感じでしょうか。
スタート地点の多賀城は、辺境伯領で、そこの主である平貞盛は、将門を討ち取ったことで、辺境伯になったということになります。ちなみに、将門の父、平良持や藤原秀郷もかつてはそうでした。まだ世襲じゃないのが、古代から中世への端境期という感じ。まさに作中の時代はその移行期間です。
平安時代は、言っても300年くらいありますので。かなり、グラデーションがあります。ただ、一貫しているのは皇室及び、貴族中心の政治が行われていることです。そして、その政治と宗教祭祀が、明確に分断されておらず、政治と宗教と魔術が、一緒の机の上に置かれながら「まつりごと」が行われている感じです。陰陽寮は官僚組織ですが、そこの先端魔術(科学)研究所みたいなニュアンスが一番近いかもしれません。
当時の人々、とくに皇族や貴族、宗教に関わる者たちには、穢れを強く嫌う感覚がありました。血が流れることを避けるため、中央では呪い合戦が盛んになる一方で、武力勢力はまだ政治の表に出にくいのが特徴です。けれど、辺境ではその限りではなく、武士団の苗床になっていきます。
国号はどうでしょう、この辺は詳しくないので適当ですが、まあ「神聖皇国」みたいな冠がつくのでしょうか。国の外側にいる辺境種族、大陸及び半島の種族は、文化は違えども、独自の技術、資源を持っており、中央政権は文化、経済、宗教、ときに武力を使って同化政策を進めながら、領土を拡大している感じです。
寺社に関しては、触れているとキリがないので、こんな感じで。陰陽寮以外は、寺も神社も修験も、かなりごちゃまぜになってます。ちなみに、作中の時代の直前に、祇園社(牛頭天王)がつくられたり、志多羅神上洛事件が起こったりと、どこかインドっぽい神さまも混じってきます。このあたりの話も、どこかで出したいとは思ってます。




