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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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543 やはり子鬼は使えなかった

 今、私はとても困っている。

 いや、色々問題を抱えているというのもあるのだけど、失敗した感が半端ない。


「シュマリという人の魂を連れて来て欲しい」


 小鬼の真白(ましろ)烏衣(うい)は、紙が束になった物をパラパラとめくりながら答えた。


「「そのような者の名はない」」


 ……無いだろうね!でも、連れて来て欲しいのだよ。

 私は初代(ルーナ)の聖女の魂を連れて来て欲しいと小鬼たちに言ったのだ。


 難しいとは思っていた。あの地下のダンジョンでは黒狐の王妃と(ルーナ)の聖女が同化したような感じだったからだ。


 でも、聖王はシュマリの意思だと言った。

 だから、そのシュマリの魂を連れてくれば、世界が目指す未来がわかり、どう動くべきか判断できると思ったからだ。


 だが、そもそも閻魔の指示なしでは動かない子鬼では、目的の魂すら連れてくることができなかったのだ。


「使えない」


 私はボソリと言う。


「「わ……我らは、ほほほほかにも、御役に立ちまする!なので、元に戻すのだけは……!」」

「石に戻っていいよ」

「「ぎゃぁぁぁぁぁぁ……」」


 精霊石を食べさせた意味が無かった。

 白と黒の子鬼は石に戻し、ため息をつく。

 どうしたらいいのか。行き詰ってしまった。


「アンジュ様。名を言っても分からないと思いますので、別の言い方の方がよろしいのではないのでしょうか」


 別の言い方が良いと茨木が言ってきた。

 そもそも子鬼を使うことを提案してきたのは茨木だったよね。

 だったら任せてみようか。


「それじゃ、茨木に任せていい?」

「承知(つかまつ)りました」


 私は子鬼たちを再び呼び戻す。


真白(ましろ)烏衣(うい)

「「ぜはぁ!ぜはぁ!ぜはぁ!」」


 何故か息切れをしながら子鬼たちが出てきた。もしかして石の中で叫んでいたのだろうか。


「アンジュ様。太陽の顕現をお願いしてもよろしいでしょうか?」

「え?そんな恐ろしいこと私はできないよ」


 太陽をここに出すとか、辺り一帯が火の海になるよね?


「いや、聖痕のことだろう」


 ファルが呆れたように言ってきた。

 ああ、聖痕ね。

 何のためだろうと思いながら、左目から王冠のような聖痕を取り出す。

 すると定位置の頭上に浮かび上がった。


「冥府の者よ。良いですか。アンジュ様の後光のように輝く天光を持つ、霊体を連れてくるのです」


 ……茨木。その言い方だと仏か何かに私がなってしまうのだけど?


 でも、それだとシェーンを連れて来たほうがいいと思う。


「茨木、私じゃなくて……」

「アンジュ様。これでいいのですよ」


 茨木はこれで良いと答えたけど、私はシュマリという人と話がしたいのだよ。


「「心得た」」


 子鬼たちは本当にわかったのかどうかわからないけど、空間に溶けるように消えていった。


「それで、茨木。なにがこれでいいわけ?」


 私の頭上にある聖痕とシェーンの頭上にある聖痕の形が、違うぐらい知っているよね。

 なにがいいのかさっぱりわからない。


「聖王という者の力を奪ったとおっしゃっておりましたので、力を得るには他の者からも奪えばよろしいかと思っただけですよ」

「そうだな。勝った者が奪えばいい。所詮この世は弱肉強食だ」


 あの?趣旨が違う気がするのだけど?

 私は情報収集をしたいのであって、太陽(ソール)の聖痕の力の強化をしたいわけじゃない。


 いや、聖王から奪ったときに痛い目にあったから、ちょっと気が引けてしまうというのもある。

 隠せなければ意味がないのだ。


 そして、茨木の横では勝手に勝負事の話に解釈してしまっている酒吞がいた。

 それもなにか違う。


「それにですね。今の現状から解放されるとなると、話してくれるかもしれませんね。死んだ者にどれほど理性が残っているのかわかりませんが」


 ああ、世界からの魂の解放ってことね。

 それを取引に情報を得ると。


 相手に理性があれば、可能だろう。


 だが、あの黒狐の王妃のように恨み辛みに支配されてしまったら、聞きたいことも聞き出せない。


 さて、子鬼たちはどのような者を連れてきてくれるのだろうか。



「あーまぁそうなんだがな」

「これはある意味怖いわ」

「リザ副部隊長。ちょっと気分が悪いので休んできていいですか?」

「ぷっ!はははははは!これは凄いな!」

「収穫は思っていた以上でしたね」


 三者三様に今の状況に困惑していた。

 いや、酒吞と茨木はこの状況を楽しんでいた。


「はぁ、誰が手当たり次第に連れてくるようにと言ったわけ?」


 そして私は頭が痛いと、額に手を置いて子鬼たちを見る。


「これは、なんというか……歴代の太陽(ソール)の聖女様ということか」


 ルディが、ボソリと呟いたように、子鬼たちは私と同じ聖痕を持ち、世界に食べられたまま霊体になった聖女たちを連れてきたのだ。

 ざっとみたところ五十人はいるのではないのかなぁ。ちょっと連れてきすぎだね。

 一人でいいのだよ。一人で。


短編の宣伝をさせてください。

【その聖女に近づいてはなりません】


聖女と聖騎士のお話ですね。

また別の感じのお話です。


短編ですが、少し長いので連載形式です。

興味があればお願いいたします。


https://ncode.syosetu.com/n8777md/

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