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聖痕の聖騎士〜溺愛?狂愛?私に結婚以外の選択肢はありますか?〜  作者: 白雲八鈴


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502 この不躾な視線はなに?

 

「別に構わないよ」


 すぐ近くから本物の王様の声が聞こえてきたと思って視線を向ける。

 どうやら中から扉を開けたのが王様だったらしい。それも何故か金髪になっていた。


「王様。金髪も似合うね」

「そうかな?この姿の時は部屋付きの従者だから、気にしなくていいよ」


 恐らくこの姿であちらこちらに顔を出しているのだろう。でも、バレそうな気がするけど。


「一応、この一角は人払いしてあるけど、このことは内緒にしておいてね。貴族共に一泡吹かせられないから」


 それは物理的に一服盛るとかいう意味じゃないよね。


「あと、聖女様が嫌だと言って逃げてしまっても困るからね」


 あ、私が嫌だとグチグチと言っていたから、王城なのに人が異様に少なかったのか。

 それにしても、扉の前ぐらいには護衛を置いたほうがいいと思うけど。

 いや、偽物の王様が王様をしているのが公然の秘密だから、王様を狙おうとしている人はいないということだね。


 ……もしかして、私がわからないだけかもしれない。朧が使っていた王族以外姿が見えなくなる術を黒狼の人たちに使われていたらわからない。


「まぁ、立ち話もなんだから、そこに座ってよ。叔父上もお疲れでしょう」


 王様はそう言って、応接スペースの一角を指していう。でもどう見ても二人掛けのソファーがローテーブルを挟んで二つあり、その斜め前に一人掛けのソファーが向かい合ってあるので、6人しか座れない。


 全然足りないよ。


 これはどう座れと言っているのかと首をかしげていると、動いたのはルディと神父様だけだった。


 第十二部隊長さんたちは、壁際にならんで立ち、ファルはルディの背後に陣取る形で立っている。

 そして何故か私はルディの膝の上に座らされた。


 私も壁際に立っていたい。


「流石、聖女様だよね。まさか聖騎士団長を動かして、精鋭部隊を動かすなんて拍手喝采だよ」


 王様はルディの向かい側に腰を下ろして、嬉しそうに両手を叩いている。


 聖騎士団の本隊を動かしたくてもできなかったと、その言葉の中に入っているのだろう。


 やはりこの国は歪だ。王家より貴族の発言力のほうが強い。

 いや、王が暗殺されかけ、玉座に座るのが偽物だとバレているのが、貴族たちの発言力が強くなっている要因だと思われる。


 そう、白銀の王様の姿をして金髪の王様の背後に立っている黒狼の長。


 だいたい無表情なので何を考えているのかわからないし、周りにまとわりついているモノのせいで余計に怖い。


 やはり彼らのことも、どうにかすべきなのだろう。


「でも、サイガーザイン団長がほとんど一人で対処したと言っていたから、ちょっと残念なところだね」


 王様!王城の中でもそうやって堂々と言っちゃっているの?

 ここは団長(コマンドール)凄いねでいいじゃない。


「それで二日後の最終打ち合わせなのだけど、フリーデンハイドも交えて行いたいから、夕刻でもいいかな?」

「はい」

「構いませんよ。私もマリアと連絡を取りたいことがありますから」


 私はその時は何処かの部屋に引きこもっていていいかなぁ。なんだか、ここもの凄く居心地が悪い。


 なんというか、複数の方向からピリピリという視線を感じる。王様の護衛なのだろうと思うけど、姿が見えないから余計に苛つく。


 しかしこれが四六時中続くかと思うと、神父様やルディが黒狼をつけていないのも頷ける。


 朧でもここまで存在感を出して潜んでいない。あれ?ワイバーンから降りて話しかけられたときは、声をかけられるまでわからなかった。

 ということは『黒狼』の者たちではない?


 だったら、これらはなに?


 私はちらりと斜め横を見る。

 神父様はいつもと変わらない胡散臭い笑みを浮かべている。


 王様もニコニコと笑みを浮かべていつも通りヤバいことを口にしている。影の王様も変わらない。

 ルディは私からは見えないから、斜め後ろを見る。


 酒吞と茨木が警戒しているように視線だけを人がいない壁や天井に向けていた。

 茨木が私の視線に気が付き、頷いてきたけどそれはどういう意味かな?


 うーん?鬼の二人以外が気にしていないということは、王家の護衛ということかな。

 しかし、あまりにも不躾な視線だ。


 これは聞いたほうがいいよね。


『ねぇ。護衛の名目でこの部屋を監視をしているのは何人?』


 私は念話(スィーラ)ではなく、鼓膜を触接響かせる方法で偽物の王様に尋ねる。

 この部屋の周りにいるのが全て『黒狼』の者たちなら問題ない。

 だけど、そうでなかった場合は最悪だ。


 こちらの情報が筒抜けということになっている。


 ただ何故私は気がついて、他の人たちが気がついていないのか。


 偽物の王様は私からの突然の質問にビクリと肩を揺らしたものの、動揺することもなく、その金色の瞳が私を捉えた。


『扉の前の二人のみです』


 あ、扉の前って黒狼の人がいたんだ。そっちのほうが気が付かないよ。

 ということは、それ以外の不躾な視線は黒狼ではないと。


「酒吞。茨木」

「おぅ!」

「潰して良いですかね?」


 ん?潰すってなにを?



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