友人として
ネフェリアーナ目線です
「は?」
「はい?」
「なんで?」
おバカ3人親子だ。
最初に冷静さを取り戻したのは母だった。
「殿下、それは…この子が魔力を持つ子を生むからでしょうか?それで娘と?」
「違います」
「たしかにその事実は私の背中を押してくれました。それは否定できません。
でも先日ネフェリアーナ嬢に初めて会い心を奪われたのも本当です。」
「で、殿下…あの…何のお話をされているのでしょうか?」
「あなたのお話ですよ、ネフェリアーナ嬢。」
殿下はとても優しい目を私に向けた。
「私はあなたにすっかり心を奪われてしまったのです。
しかし私の立場や責務を思うと…あなたに求婚するなど決してしてはならないと思っていました。
しかし、あなたがレオデオール家の血を引くとわかり…私なりに考えた結果…あなたに結婚を申し出ようと決心したのです。」
「でも…あの…そんな…どういうことなのか…」
「なにがどうなっているんだ…」
全く使えない父娘だ。
「殿下、お待ち下さい」
さすが母。
「我々はたしかに一世代に1人魔力を持つ子を生みます。それは事実です。ただ1つ、そこには条件があるのです。」
「条件?」
殿下とラミエル様が同時に聞き返した。
「はい、我々が魔力を持つ子を生む条件、それは真実の愛です」
「真実の愛?」
ーーお母様!この期に及んで真実の愛って!!なにそのはっずい条件!熱い熱い、顔が熱い!やめて〜!
私はとりあえず俯き顔を隠した。
「そうです。
殿下のお言葉を疑うわけではありませんが、もしそのお言葉に偽りがあれば、たとえこの娘と結婚しても魔力を持つ子は生まれません。
同じように、この娘が殿下を心から愛することが出来なければ…やはり生まれることはありません。」
「なるほど。私は先程、自分が不出来だと言いました。正直に言うと、ネフェリアーナ嬢と一生を共に過ごせるなら、魔力を持つ子が生まれなくても構わないと思っています。
ただ現実はそうはいきません。
そうなると将来、私といることで彼女を悲しませ苦しめることになります。」
全く今の状況についていけてない私だが、殿下がとても真摯に考えてくださっていることは伝わってきた。なんだか心が締め付けられるようだ。
「もしネフェリアーナ嬢が私を愛することが出来ないということでしたら私は諦めます。立場を利用して無理に押し通すつもりはありません。
なので私に機会をいただけませんか?」
「機会?」
父もゆるゆると状況を飲み込み始めているようだ。
「はい。1年。1年という時間を頂けませんか?もちろんそれまでに嫌になれば断って頂いて結構です。
私と友人として始めて頂けませんか?」
恐る恐る顔を上げると、予想通り全員が私を向いていた。
「……………友人…私で、私でよろしいのでしたら。」
「あなたがいいのです。あなたでないとダメなのです。」
「あの……それ以上は……顔が発火します。」
「?!」
「ぶっ!」
またもやラミエル様が吹き出した。そしてそれを合図にその場の緊張がほぐれた。
「まぁなにはともあれ…よろしくお願いいたします、でいいのですかな…何と申し上げればいいのか」
父が眉を下げて困ったように笑った。
「はい。こちらこそ勝手を聞き入れて頂き申し訳ない。友人から、とはいえ大切にさせて頂きます。」
一体これからどうなるのだろう。




