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ヘタレ女の料理帖  作者: 津崎鈴子
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虹のかなたに5

エミさんの過去に衝撃を受けた私とマサキさんは、辛いことを抱え込んで

笑顔で生きて来たエミさんの強さを感じた。


「おかえり。疲れただろう?今、お茶入れるよ」


エミさんの嬉しそうな顔に思わず涙がこみ上げてくる。


「マリッジブルーには早いんじゃないの?」


ヨーコさんが笑った。


「ごめんね、エミさん。本当にありがとう」


「幸せになってね。よく結婚することをゴールインっていう人いるけどね、結婚してからが大変なんだからね。マサキ君はいい男だけど、マサキ君が辛い時に支えてあげるんだよ?」


エミさんは、そういってお茶を出してくれた。



☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・



それから月日は流れて、私が29歳になった頃、マサキさんのもとに嫁ぐ日がやってきた。


いろんなことがあったけど、思い出深いエミさんの家から、お嫁に行くことになった。


晴れやかな日、本当は実家からお嫁に行ったら?ってエミさんが言ってくれたけど、私はこの家で新しい人生をもらったからと、ここから嫁ぐ事をお願いした。


 結婚式は近くのホテルであげる事になり、ウエディングドレスは服飾専門学校を卒業してプロになったばかりのユカリさんが作ってくれた。


 背中のレースがこれでもか、と豪華なドレス。


背中がにぎやかな方が映えるらしい。なんせ、列席者は花嫁の背中を見ている時間が長いから、と説得された。


「結婚したら、笑って暮らせることばかりじゃ無いからね。喧嘩したらいつでも帰ってらっしゃい」


エミさんはそういって笑い泣きしていた。


「エミさん、有難う。お世話になりました」



 ドレスに着替えて新婦控室に行くと、すでに到着していたお父さんやお母さん、おばあちゃんとエミさんにユウキが待っていた。


「ねーちゃん、ドレスに足引っ掛けて転んだらカッコ悪いからな」

「失礼ね!!そんなことするわけないでしょ?」


お父さん、もう目が真っ赤だ。


「ユキ……綺麗だよ……幸せになれ……」


「もう、お父さんったら。大丈夫よ、幸せになるから」


「ユキ、お父さんたらね、あれ、花嫁の結婚前夜のあれ、やってくれなかったってちょっと拗ねてるのよ」

お母さんが笑いながら暴露すると、母さん、それはないよ、とお父さん止めに入る。


結婚前夜? ああ!!あれかぁ。

今まで有難うございました。って三つ指ついて挨拶する図?


「お父さん、あんなの古臭いってTVとかでそんな場面出てきたら怒ってたじゃない」


お父さんああいうの、嫌いかと思っていた。


「お父さん、いつかユキがお嫁に行く現実を考えたくなくて、一生懸命拒否してたのよ。かわいいでしょ♪」


「お父さん、お母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。おふたりの娘に生まれて幸せでした。お父さんとお母さんみたいに、温かい家庭をマサキさんと築いていきます。応援してください」


そうお辞儀をすると、お父さんもお母さんも感極まって号泣していた。


「あーあ。母さんもねーちゃんも化粧グズグズじゃん。もっかいメイクしてもらわないと化け物みたいでマサキさんが逃げ出すよ!!」


ユウキも半泣きで憎まれ口をたたく。


慌てて式場のメイクさんにお色直ししてもらった。私のメイクはさすがに花嫁用にウォータープルーフで水に強くて助かったけど。


そして、式の開始時刻です、と係員の人が呼びに来た。



マサキさんは、私のドレス姿にもう半泣き状態。


「ユキちゃん、綺麗だ……」


それ以上は言葉にならないようだ。でも、タキシードのマサキさんもすごく素敵。


「幸せになろうね」

「うん。家族になるんだね」


ふたりで笑いあった。


そして、式場の扉が開いた。


沢山の人たちの祝福の拍手が雨の音のように鳴り響き、私たちは歩き始めた。


どん底だった私が、今こうして素敵な旦那様の隣に立てる。


色んな人に感謝の気持ちがあふれている。


本当にありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。










ユキの物語はこれで終わります。

これからもいろんな出来事があるでしょうが、乗り越えていけるでしょう。

愛読ありがとうございました。


ボチボチとしたペースで、外伝も書いていこうと思っておりますのでその時はまた読みに来てくださるとうれしいです。有難うございました。

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