第二十五話 この空気、エターナルフォースブリザード
結末と断絶を司る神『ベルトニア』との邂逅は一瞬で終わった。
謎めいた言葉だけを残し、骨だけになるなんてとんでもない奴だ。
いや、したのは俺なんだけれども……
実際簡単に終わりすぎだろう、スパーダもベルトニアとかいう奴も。
それだけ俺のゴッド・スキルが強いのだろう。その中でもこの『嫉妬』はチートだと思う。
あいつら、このアルカディアの神を名乗ったのに俺の世界の事を知っていた。
それに自分達の事を選ばれし者とか言っていたな。
あああ!何だよ訳分かんない事ばっかり言いやがって!
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「そうか……148人もの同胞が逝ってしまったか……」
場所は移り王城。
ことの顛末を報告するため、兵士の人達とアンジュさんと一緒にレオンさんに謁見に来ている。
レオンさんはスパーダに殺された人達の報告を聞くと沈痛な表情で呟いた。
「迅速に現場の対応を。亡くなった者達の遺族には特にな。…ユート君、君がいなかったら被害はもっと拡がっただろう。有り難う」
レオンさんが頭を下げてきた。
この間あった時の様な軽い感じが全く無い。
こう言っては悪いかも知れないが、元々のイケメン分も合わさってドキドキする。
……俺はノンケだよ?
「……それにしても剣神スパーダに闇神ベルトニアとはね。古き話しの中では知っていたが、まさか神が地上に姿を表せるだけでも多分500年程ぶりなんじゃないかな。それも2柱同時、聞いたこともないよ」
どうやらレオンさんもあの神を名乗る奴らの事を知っていたみたいだ。
「あの、この世界では『神』って実際に姿を表すものなんですか?」
「うん、そうだよ。この世界にとっての神とは絶対的な天災、抗いようが無い運命みたいなものなんだ。ふらりと現れたら、あり得ないような力で国を丸々一つ消したとか。ユート君の話しを聞くとその力って言うのはユート君も持つゴッド・スキルの様だね」
「このゴッド・スキルが……」
いや、今回の戦いで何と無くそうなのではないかなとは思ってはいた。
スパーダもゴッド・スキルと言っていたし、ベルトニアも技を出す時の雰囲気がスパーダが攻撃してくる時と似ていたからな。
「剣神、闇神の襲来……それに最近の魔王の活発化。このアルカディアに何か起ころうとしているのか……?」
というか、このゴッド・スキルってなんなのだろうか?
神と名乗る連中も所持しているスキル。
何か手掛かりでもないかなぁ。
「古き神々に関する書物も、図書館にあったのですが、消えてしまいましたしね……」
アンジュさんが残念そうに猫耳をしおれさせる。
ん?図書館?
「あっー!!!そうだった!!!」
スパーダ達との戦いがあったためすっかり忘れていたが、俺のゴッド・スキル『七つの大罪』の名前が書かれていた本があったではないか!
「ど、どうしたんだい?ユート君?」
「そういえばゴッド・スキルの事が書いてあった本があったんですよ!たぶん図書館跡地に落ちているはずです」
確か図書館が消えた時、あの本は俺が持っていたからまだ図書館跡地にあるはずだ。
「そうか!ならばすぐに持って来させよう」
後からこの時の事を振り返ると、どうしてこの時の俺はもう少し考えなかったのかと悔やまれる。
自分で取りに行くとかさ。
その本はすぐに兵士の人が持って来てくれた。
仕事が早いね。
ありがとう。
『ご主人様とラブラブチュッチュ!』
そして題名と表紙を見たこの場の空気を何とかしてくれたら、もっとありがたいかな。




