十二章 彩音・八
ん、んん……?
トイレに行きたくなって目が覚めた。
あれ……、何で寝てたんだっけ。
服はパジャマじゃなくて部屋着。
時間は……ベッドの近くにある目覚まし時計を見ると二十時近く。
えーと、まずはトイレ行こ。
私はベッドから下りて、トイレに向かいながら思い出す。
お父さんと皓緋さんと帰って来て、お父さんはホムセン行って、皓緋さんとお茶してたらお父さん帰って来て、皓緋さん帰って、私は部屋に戻って疲れて寝ちゃったのか……。
トイレから出てキッチンに行くと、リビングでお父さんがテレビを見てた。
「お。起きたか、彩音」
「うん」
私はマグカップに水をいれながら答える。
「夕飯は適当にやってくれるか? お父さんはもう済ませたから」
「うん」
とは言っても寝てたからあんまりお腹すいてないんだよね。無理して食べる必要ないし。
私は水を飲んで、マグカップを片付けると部屋に戻ってベッドに入る。
なんだか身体が怠くてすぐ横になる。
(疲れたのかな)
考えてみれば疲れる要素しかない。
でも、なんかもやっとするんだよね。
どこで、何が、もやもやするのか……。
「皓緋、さん……?」
思い当たる原因が、思わず言葉になって出た。
だって皓緋さんと二人きりでお茶なんて、私、できたっけ? あんなイケメンを目の前に置いて?
でも和やかにお茶を飲んだ記憶しかないんだよね……。
駄目だ……。
なんかもう眠くて眠くて……。
私はもう考えることもできなくて、深い眠りの海に沈んで行った。




