第二章 第三話
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「では、これよりAクラスの《審判の日》を始める」
いよいよ《審判の日》が始まった。
これは、これから《ガイド見習い》を卒業するために与えられる《課題》を決めるためのイベントである。ちなみにどうやって決めるのかと言うと、実は、ただの《くじ引き》をやり、それで引き当てた《課題》を挑んでもらうというものだ。
ただし、この《くじ引き》の《くじ》には《霊力》が働いているので、人それぞれの適正をはかり、それに合った《課題》を与えてくれるようになっている。ちなみに、成績の良い者ほど《課題》のレベルは上がっていく仕組みだ。
ここで、まだ説明していなかった《ガイド》について話しておこうと思う。
《ガイド》……というのは、人間の世界で言うところの《守護霊》というものにあたる。
そして、この《審判の日》で、その《ガイド見習い》である天使たちは、その《くじ引き》の結果、訪れる「場所」と「相手」と協力して、その「場所」と「相手」との《課題》に挑むのだ。
ただし、この《課題》というのは、いろいろなので、一人一人内容は異なる。
《誰かを助ける》という《課題》もあれば、《何かを倒す》という《課題》もあり、それは、その《審判の日》にすべて委ねられている。
「では、成績の低い順から順番に《くじ》を引いてください」
担任の合図とともに、皆、どんどん《くじ》を引いていった。
「やったー、あたしは第77エリアだ!」
「えー、あたし第82エリアだよ~……」
皆、くじを引いて、いろいろ騒いでいた。
というのも、この《くじ》にはちょっとした《特徴》があった。
例えば、まずこの《くじ》……確かに《霊力》が働いているので、一人一人の適正にあった《課題》が与えられるようになっているのだが、その指定される《場所》によって《課題》クリアのスピードが大きく左右されるのだ。
そして、この《課題》のクリアには《期限》が決められており、その期限内に《課題》をクリアできなければ《課題クリア 失敗》とみなされ卒業ができない…………つまり《留年》ということになってしまうので、この《課題》を行う《場所》はとても重要であった。
そして、どんどん《審判の日》は進んでいき、いよいよルナとノアの番が近づいてきた。
「何かさ~……………………」
ルナがふと呟いた。
「前から思ってたんだけど、この《審判の日》ってさ~、大げさなネーミングと思わない? これって結局タダの《くじ引き》じゃない」
と、《クイーン・ルナ》こと、ルナ・インフィールドがサラッと言った。
「こ……こら、ルナ! なんてこと言うのよ。これは由緒正しき伝統のある《儀式》なのよ。それを、そんな言い方するなんて………………」
「ふん……ノアだってそう思っているでしょ?」
「うっ………………ま、まあね」
「なんかさ~、この《審判の日》もそうなんだけど、正式なガイドになるのに、なんか《まどろっこしい》っていうかさ~、そういうの《古い》と思うのよね~、アタシ的には」
「しょ……しょうがないじゃない。わたしたちが生まれるよりもはるか昔から存在している《儀式》なんだから」
「《長い物にはまかれろ》…………ってこと?」
「もう変な言い方しないでよ、テンション下がるでしょ?! まあ、あくまで噂だけど《審判の日》って、わたしたちが聞かされているものとは別の意図があるって言われているみたいだけど…………」
「どういうこと?」
「さあ……わたしもよくは知らないけど…………ただ、一般の天使たちには知らされていない《秘密》があるとかないとか…………」
「フフフ……………………ノア」
「な…………何よ」
「そ・ん・な・わ・け・な・い・で・しょ・! そんな《都市伝説》……あなた信じているの? あいかわらずガキね」
「な……何よ! あなたが聞いてきたからちょっとつきあってあげただけじゃない。そ……それくらいわかってるわよ」
「そうぉ~? 何だかマジっぽかったんですけど」
「そ……そんなわけないでしょ!? まったく、何よ! わたしは《あえて》あなたの話に合わせただけで………………」
「そこ! うるさいですよ。静かに」
「は……はい。すみません」
ノアだけ、担任に注意された。
「な……なんで、わたしだけ怒られなきゃならないのよ!」
「だって、しゃべってたからでしょ?」
「あんたが元々話かけてきたんじゃない?! そもそも…………」
「ほら、そんな大きな声出したら、また…………注意されるわよ」
ノアは担任をチラリと見た。
担任の目がキラリと輝いた。
「うっ………………」
ノアは意気消沈した。
そこへランドールが声をかけた。
「ノア様、そろそろご準備を……」
「わかったわ。ありがとう、ランドール」
「ルナ様~、そろそろ出番ですよ」
「え~……ローレン~、代わりにやってきて~」
「い……いや~……それはさすがに…………無理です」
「え~……そうなの~?」
「当たり前でしょ!? まったく、何考えてんのよ、このバカルナ!」
「それじゃあ、ちゃっちゃと終わらせて首席卒業しちゃおっか! ローレン」
「はい! ルナ様!」
「ちょっとルナ! 無視してんじゃないわよ! あんたっていつも…………」
と、二人が口げんかを始めようとしたまさにその時、
「次……………………ルナ・インフィールド、ノア・リンズバーク……前へ」
『は…………はい!』
そして、ルナ、ノア……二人の番がやってきた。




