北の書38 ~新入生・新社会人へ 2~
「そうよね、同じ学校へ進学する友達だって都合よく同じクラスになれるとは限らないし。1年目はそういう意味で一番緊張するわよね。」
(とはいえ愛理ちゃんなら、かわいいから黙ってても男子が放っておかないだろうけど…。)
しかしその場合、今度は同性の嫉妬を買いまくることになり最悪イジメに繋がってしまう。女の世界というのはかなり気を使うものなのだ。
「のり子さんは学生時代、どうやって友達作ってましたか?中学のときは入学式の前にクラス分け情報をもらっていたので、小学校からの友達と同じクラスになることを事前に知れたからこんなに緊張しなかったんです。」
「そうよねぇ、ジッとおとなしくしてるといつまでも一人ぼっちだし。かと言って誰彼構わず話しかけると鬱陶しがられるわよね、まぁもし愛理ちゃんが後者のタイプだったならそもそも悩んでないんだけど。」
ここで先にドリンクが来た。アタシはアイスのレモンティー、愛理ちゃんはホットのストレートティー。中学生なのに大人っぽいチョイスねと思っていると、どうやらダイエットでお菓子類を制限している内にその生活に体が慣れたのか、甘いものを前ほど欲さなくなったという。
「そうそう友達作りの話だったわね。大人の世界でも転職したり転勤したりすると一から人間関係を構築しなくちゃならないから、今のうちに慣れておくといいかもね。とにかく基本にして重要なのが、挨拶よ。あいさつ。」
大事なことなので2回言う。
「のり子さんの言うあいさつって、おはようとか?」
「そうよ。愛理ちゃんはこれから高校生だから、朝の"おはよう"と帰る前の"またね"はマストね。どうしてかは考えたら簡単なんだけど、挨拶もできない人って最低だと思わない?」
「あー分かります!私も挨拶して無視されたら悲しくなるし、その人に嫌われてるのかなぁとか無駄に心配しちゃいます。」
「そうでしょ?それに挨拶は人間関係の基礎・基本よ。例えば算数だってそうでしょ?基礎の足し算が習得できなければ、応用の掛け算は絶対できない。引き算が理解できなければ、その応用の割り算も絶対にできない。何事も基本ができていないと、その応用はできないようになってるの。順番ってやつよね。」
「前から思ってたんですけど、のり子さんって挨拶できない人嫌いな感じします。私もですけど。」
「おはよう・おつかれさま・ありがとう・ごめんなさい・お邪魔します…。そういう基本的なことが言えない人ってアタシ無理なのよね。いくらイケメンでもパス、あー挨拶すらできないんだこの人って一瞬で幻滅しちゃうのよ。」
アタシは一旦レモンティーを飲んでみる。このお店のレモンティーはしっかりレモンの酸味を効かせていておいしい。市販のレモンティーだと酸味が少なくて甘さ優先だから、アタシ的には物足りないのよね。
「それに挨拶は会話の取っ掛かりにもなるわ。だから入学したらとりあえずでもいいから、近くの席の人におはようとか、はじめましてって言っておくのが無難ね。言うだけタダだし、挨拶もしない奴だとマイナス印象を買うよりよほど良いわ。」
「そうですよね、気をつけます!」
ここで頼んでいた料理が来た。アタシはカルボナーラとシーザーサラダ、愛理ちゃんはハム入りサラダサンドにコンソメスープ。それから二人で摘むためのポテトとチキンナゲットも来た。
「さ、アタシのおごりだから遠慮しないで食べてね!改めて入学おめでとう。」
彼女には聞きたいことがあるんだけど、とりあえず食べてからにしましょうか。
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