北の書39 ~的中~
ある程度小腹を満たしたところで、いよいよ本題よ。といっても結果は予想がついてるから、確認の意味が大きいんだけどね。
「ねー愛理ちゃん、それで同じ学校を受験した意中の彼はどうだったのかしら?」
ゴホッゴホッと大きくむせる愛理ちゃん。そりゃそうよね、切り出しがいきなりだもの。驚くのも無理ないわ。
「あ…小野くんのことでしょうか。」
急に顔が赤くなるところが、若いって感じでかわいいわよね。アタシにもきっとこんな初々しい時代があったのかなぁ。
「そうよ。合格したんでしょ?彼も。」
「えっどうして分かるんですか?私まだそのことに関しては何も言ってないのに。」
「分かるわよ、もし彼が不合格だったら愛理ちゃん今日アタシと会ってないでしょ?きっと自分が落第するよりショックだと思うから。会ったときから既にニコニコ笑顔でテンション高かったからね。」
へぇーと大きく感嘆の息を吐く愛理ちゃん。
「中学生からしてみればお見通しにされてびっくりするわよね。でも大人のアタシからすれば、自分も通った道ですもの。」
「あ、それ担任の先生も言ってました。先生も中学時代を経験してるから、お前たちの考えてることなんてすぐ分かるんだぞーって。」
愛理ちゃんの好きな彼は恐らく、スポーツ特待生での受験枠。しかも大会優勝するくらいの実力者だから高校側にも十分認知されているはず。そして愛理ちゃんの話からして、彼はあまり勉強方面は得意でないのに、偏差値の高い聖修高校を受験している。しかも受験シーズンにも関わらずあまり勉強している様子がなかった…。これらのことから考えられる答えは1つ、彼はスポーツ特待で事前に合格が決まっていたようなものだったのよね?
多分だけど高校の方からのスカウトじゃないかしら、それなら本人が蹴らない限り合格はほぼ確定だからね。それなら彼が受験シーズンなのに勉強している様子がなかった説明もつく、アタシはそのように推理したことを愛理ちゃんへ説明した。
「すごーい!そうなんです、合格発表の日に小野くんも会場にいて。本人に聞いたわけじゃないですけど、制服を採寸する列へ並んでいたので間違いないと思います。だからのり子さん、前に小野くんは大丈夫だと言っていたんですね。」
小さく拍手しながら驚く愛理ちゃん。これが大人の実力ってやつよね、アタシはなんだか鼻高々である。
「それなら彼も合格したわね、不合格だったら制服作れないから。」
ここでお互いの料理がほとんど食べ終わっていることに気づいたアタシは、店員さんを呼びお願いしますと一言だけ告げた。店員さんは素早く空いた皿を片付けてくれた。この店員さんにはもう一つ仕事があるんだけど、今はナイショ。
「さぁこれからが本番よ愛理ちゃん!やっぱり高校生の時期って青春真っ只中ですもの、楽しまないとね。そうなるとやっぱり彼と同じクラスになれるのが理想よね~アタシもお祈りしておくわ!」
「はい!ありがとうございます。でも私、小野くんと一緒のクラスになったらそれこそ勉強に身が入らなくなりそう…。」
もう、今からいらぬ心配しちゃって。そういえば大人同士で恋バナしても、こんな風に盛り上がれないのよね。だいたいダメ男の特徴とか愚痴とかそんな話になりがちだから、愛理ちゃんと話しているとなんだかアタシまで精神年齢が若返った気がするわ。
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※この話は一部フィクションです。




