北の書31 ~思春期最大の悩み 合コンへの憧れ・3~
「そういえば雅樹は先週末に街コンへ行ったんだろ?川島田の大好きそうな話題じゃないか、午後から来るから聞いてみたらどうだ?」
アタシがパソコンでの入力作業を終えると、いつものようにソファー席とパソコン席を交代。アタシは次の予定を確認しつつ、返事をする。
「八重島さんに言われるまでもなく、もちろん事務所に来たらすぐ尋問するわよ?ただねぇ…連絡がないことを考えると。」
アタシがそこまで言うと八重島さんも察したのか、あぁ…と言ってそのまま黙ってしまう。そう、雅樹くんの性格を考えれば、街コンの結果が良いものだったなら深夜でも電話してくるはずなのよね。夏頃の合コンではメールアドレスを交換しただけでアタシに電話をしてきたのだ、深夜だったから無視したけど。
(ま、期待しないで待つとしましょうかね。)
八重島さんの宣言通り、午後から雅樹くんは出勤してきた。おはようございまーす、というその声に生気がないところを考えても結果は聞くまでもないわね。ちなみに八重島さんは逃げ…じゃなくて、ジムのパーソナルトレーニングの依頼のために雅樹くんが来る少し前に外出した。
しかしアタシには避けられない議題なので話しかけてみる、とあることを確認したいからね。
「まぁその元気の無さから薄々結果は分かるんだけど…街コン、どうだったの?」
ソファー席にドカッと腰掛けて何もやる気がなさそうな雅樹くん。仕事疲れという感じでもなさそうね、今の彼には意気消沈って言葉がピッタリ。アタシは2人分のコーヒーを淹れて対面側のソファーに座った。
「のり子さぁ~ん、どうしてこう現実は不公平なんですかねぇ。オレってそんなにブサイクですか?そんなにモテませんか?」
いつにも増して病んでいる。重症ねコレは。ちょっとおもしろいけど、怒りそうなので決して口には出さない。
「前にも言ったけどね、雅樹くんってブサイクじゃないわよ?イケメン好きを公言しているアタシから見ても"中の中"って感じよね、笑顔もかわいいし。なんていうかこう、弟キャラって感じ?」
しかしアタシのフォローなど耳に入らないという様子でスネている雅樹くん。
「友達2人と3人で参加したんですよ。なのにアイツラだけ女の子たちとキャッキャしちゃって、オレだけ仲間外れですよ。なんでですかねぇ~。挙句の果てに4人席に男女2人ずつ座られて、オレだけ蚊帳の外…落ち込みますよそりゃ。」
こういう話ってちょっと同情しちゃうけど、正直興味深いのも事実。雅樹くんの気を晴らすためにもアタシは聞き役になりましょう。
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※この話は一部フィクションです。




