北の書32 ~思春期最大の悩み 合コンへの憧れ・4~
話を聞けば、今回彼の行った街コンは一部のエリア貸し切り型。そのエリアには飲食店や休憩スペースが設けられ、時間内なら好きに利用して良いというもの。気に入った相手と食事しながら話に熱中できるよう各スペースはペア用や4人席に区切られていたらしい。
「3人っていう奇数で参加したオレも悪いですけど、テーブルがどういう風に区切られているかなんて参加するまで分からないし。」
「そうねぇ。それで雅樹くんはその街コンでどういう風に立ち回っていたの?」
こういうときにアタシはなるべく情報を引き出そうと多く話を振るようにしている。その方が後学のためになるからね。
「もちろんオレは彼女がほしいし結婚願望もあるわけだから、積極的に行動しましたよ!でもオレの方から話しかけるとなぜか引かれちゃうんですよね。一緒に行った友達2人には『飢えた野獣みたいだ』なんて言われる始末で…。」
挙句の果てに結局友人たちだけ楽しんでいたとさっき言ってたもんね、そりゃ落ち込むわよね。でもアタシ、今までの雅樹くんの恋愛遍歴からなんとなく察するものがあるわ。
「ねぇ雅樹くん、もしかして年下の女子にばっかり話しかけていたんじゃないの?それも例えば、教室の隅でジッとしてそうなおとなしい子。」
「え!よく分かりましたね。そうですよ、そういう子って話しかけやすいし、しかも会場でも隅の方にいるから退屈そうだなぁと思って。」
やっぱりアタシの直感は当たる、嫌というほどに。
「あのねぇ雅樹くん、そういう女子ってそもそも男子から話しかけられるのに慣れていないのよ。そりゃもちろん街コンだから話しかけなきゃ何も始まらないけど、物事には順序ってものがあるわ。しかも大人しい女子って意外とプライドが高い場合もあって、気安く話しかけると"自分は安い女と見られてる"って警戒されちゃうのよ。」
「じゃあどうしたらいいんですか?」
ふてくされたように声がちょっと荒くなる雅樹くん、こういうところが子供っぽいのだ。
「そういう子を狙う場合、根気が必要ね。具体的には相手が話しかけてくるのを待つだけでいいわ、雅樹くんに興味があれば絶対向こうから話しかけてくるから。さりげなく料理や席を選ぶフリでもして近すぎず遠すぎずの距離にいるだけでいいの。そこまでしても話しかけて来なかったら、自分には脈なしという判断材料にもなるでしょう?」
「なるほど…。でもオレ、そういう"待ちの姿勢"ってどうも苦手なんですよねぇ。」
ポリポリと右手で後頭部をかきながら、照れ笑いする雅樹くん。
「そもそもね、雅樹くんって恋愛市場での戦い方が間違ってると思うわ。」
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※この話は一部フィクションです。




