北の書25 ~思春期最大の悩み クリスマスパーティの駆け引き・4~
今日の仕事は終わり、今アタシは歩いている。…愛理ちゃんと一緒に。
何やらまだクリスマスパーティのことで相談があるらしい、しかし今日の事務所には可愛い子大好きな雅樹くんがいるのである。彼に合わせたら絶対大騒ぎするに決まっている、というかこの子は雅樹くんに近づけてはいけない気がする。なんとなく。
ということでお散歩代行の事後処理は明日に回し、別の依頼人の相談に乗るからと言って早めに事務所を抜けてきたのだ。しかしアタシが愛理ちゃんの相談を受けているのは事実なので真っ赤な嘘ではない…正式な依頼書を書いてもらっていないだけ。
外で立ち話をするのも寒い時期だ、ましてや時刻は18時すぎ。アタシは愛理ちゃんを連れて某カフェチェーンに入った。そしてこの時間のカフェというのは意外と空いている、実際に店全体の半分くらいは空席だ。私はホットコーヒーで愛理ちゃんはホットのミルクティー、それにサンドイッチを頼んでシェアをすることに。
「実はプライベートでそういうパーティに参加するのが初めてなんです。今日はお父さんが早く帰ってきているから妹の面倒見てくれているけど、いつもは迎えに行くところから私の役目だから。なのでせっかく時間があるときに少しでも情報収集をしておきたくて…小野くんがパーティに来る以上、恥ずかしい真似できないし。」
「そうね。まず聞いておきたいのだけど、パーティの参加者名簿を手に入れたって言ってたわね?」
「はい、参加する人用に作られたグループチャットへ招待されて、そこに参加者の一覧が表示されていましたから。」
「愛理ちゃんが知る限りでいいんだけど、参加する女子の方に"小野くんのことを好きな女子"はいるかしら?」
「はい。噂ですが、ヤマモトユミちゃんとタカハシミキちゃんの二人は確定だと思います。」
「やっぱりね…愛理ちゃんみたいに恋心を胸に秘めている人がいるとなれば、更にあと1~2人いる可能性もあるわね。」
アタシはたまごサンドをかじりながら答える。お散歩代行で動いたあとなので、軽食と言えどおいしく感じるものだ。このお店は希望することでからしマヨネーズを塗ってくれるのだけど、それがアクセントになっていておいしい。
「愛理ちゃん、服装には気をつけなさい。極論体育の授業で使ってるジャージで行ってもいいわ。」
「えっ…せっかくのクリスマスパーティなのに、ジャージはちょっと。」
愛理ちゃんはカロリーの少ないサラダサンドを食べている。やはり恋をするとダイエットを意識しちゃうのが女心ってものよね。
「やーね、極論よ極論。他の子たちは好きな男子に急接近しようと目いっぱいおしゃれしてくるでしょうけど、愛理ちゃんはダメよ?たぶん無害な女子枠として呼ばれてるだろうから、控えめに。というかプライベートの服装そのままで良いと思うわ。」
「えーでも、せっかく小野くんに接近できるチャンスなのに…。」
ここぞという場面でおしゃれしたい気持ちはアタシにもよく分かる、それでもここは我慢どころなの。
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※この話は一部フィクションです。




