15:諸々の準備と今日の寝る場所
※活動報告の方ではあげていましたが、今後の偶数土曜日はスキップとなり、日曜日の20時更新となりますのでご了承ください。
※紛らわしい表現になっていたので訂正しました(5/11)。スタンピードで皇帝夫妻がと書いてしまいましたが、この時点で両親とも死んでいたという事で、皇后陛下はヴォルフスタン皇帝が生まれる時に死んでいます。なのでスタンピードで亡くなったのは先代のヴァルシャイト皇帝だけであり、このタイミングで両親とも死んでしまったので皇室の意味がなくなりましたという意味でした。
マリアンさんと聖女についての話を長々としてしまったのですが、流石に今日はそろそろ休もうという事になり、私は1台の幌馬車に案内されました。
その馬車は細々とした雑貨や予備の装備を積んでいた荷馬車の一台で、一時的に空間を空ける為に幾つかの木箱が外に出されており、その馬車の周りを女騎士の人達が固めていました。
流石に皆さん第一騎士団務めだからか体格が良い人ばかりなのですが、その中でも特に背が高く筋肉ムキムキなのブリギッドさんが最初に私達に気づいて静かに目礼をします。
「……」
このナイフか何かで短く切ったようなボサボサした赤髪をしたどこか男勝りの口数の少ない人が私の護衛をしてくれていたブリギッドさんで、任務に忠実な如何にもアインザルフの騎士と言う感じの人なのですが、そんな人がコンコンと馬車の中に合図を送ってから、私達が馬車に乗り込むための足台を用意してくれました。
「お待ちしておりました、準備は出来ていますので、どうぞこちらへ」
そして馬車の中で待っていたのが薄い色の金髪を横に流した美貌の女騎士という、ブリギッドさんとは別の意味でまさしく女騎士といったクリスティーナさんで、何故かその足元にはお湯の入った桶と着替えが用意されていました。
一瞬身構えてしまった私なのですが、クリスティーナさんは「全てわかっています」というように優しい緑の瞳を細めてニコリと微笑みかけてくるのですが、私はよくわからず首を傾げます。
「あの…これから寝るだけ、ですよね?」
「はい、その通りです!」
クリスティーナさんは力強く頷くのですが、どう考えてもそれだけではない雰囲気なのですが、どういう事でしょう?
「クリスティーナはこういう任務に憧れがあるだけだ」
「ブリギッド…」
クリスティーナさんの答えになっていない返事に対して横から注釈を入れてくれたのはブリギッドさんで、そのあまりにもな物言いにクリスティーナさんは何か言いかけたのですが、流石に人前で気安すぎたというように口を閉じて肩をすくめてみせました。
「とりあえず中へ、準備は出来ておりますので」
「え、あ…はい」
足台があるので体が不自由な私でも問題なく馬車に乗り込めるのですが、クリスティーナさんはまるで手伝って当然という様に手を取り引き上げてくれました。
(どういう事でしょう?)
目を閉じ意図的に表情を消したマリアンさんの考えている事はよくわからず、何故寝るだけでここまで仰々しいのかはよくわかりませんが、マリアンさん曰く「そろそろと考えておりました」との事で「根回しが終わりました」との事です。
「それでは体を清めた後、こちらの御召し物に着替えてもらいます」
一緒に馬車に乗り込んで来たマリアンさんが荷馬車の幌を閉じると内部は暗くなり、オイルランプの仄かな明かりが辺りを照らします。
「…よろしくお願いします」
マリアンさんとの会話に入浴の話や衣類の話が出ていましたし、用意されている物を見る限り薄々そうじゃないかとは思っていたのですが、本当にこれから体を洗うようです。
「ですが、ご迷惑では?上から被れるような服なら1人でも脱ぎ着出来ると思いますし…お湯も用意していただければ勝手に洗いますので」
どうしても身の回りの事を人に手伝って貰うというのには慣れないのですが、今回も全部手伝ってくれるようで、明日は明日でまた着替えたりする時は手伝ってくれるそうです。
「いえ、大丈夫ですので、お任せください」
自信満々に拳で胸甲を叩くクリスティーナさんなのですが、実はこういう「人に仕える」という事に憧れていたようで、「やらせてください」との事でした。
「私は第二騎士団を目指していたのですが、配属先が決まる前に解隊されてしまいましたので、その機会が無くなってしまいまして…」
との事なのですが、この第二騎士団というのは別名皇室護衛隊と呼ばれているようで、これは皇后陛下を中心とした皇室の方々に仕える女騎士の到達点であったそうなのですが、先代の皇帝陛下……つまりヴォルフスタン皇帝のお父様が10年前のスタンピードで亡くなられ、後妻も娶られていなかった事から皇室と言う物が事実上なくなってしまい、第二騎士団は存在する理由が無くなってしまったそうです。
そして結局第二騎士団に残っていた騎士達はスタンピードで被害を受けた各部隊の穴を埋めるための補充要員として抽出される事となり、そのまま第二騎士団は解隊されてしまったそうです。
因みに皇室護衛隊と名前がついている通り貴人の警護や身の回りの細々とした事を行うのが主任務なのですが、帝都でヌクヌクしている護衛一辺倒の部隊という訳ではなく、皇帝陛下が直接陣頭指揮を執る事が多いアインザルフ帝国の場合は代理人として皇后陛下が他の部隊を指揮する場合もあり、その時に中核になるのが第二騎士団と言う事です。
そのため文字通り帝国では2番目に強い騎士団という扱いのようで、第一騎士団と第二騎士団の騎士達だけが近衛騎士と呼ばれ、別格の存在とされているそうです。
そんな部隊に入るために努力していたクリスティーナさんなのですが、見習い騎士となりこれからやっと配属先が決まるという矢先の解隊騒ぎで、その夢が叶う事がなかったそうです。
「私の剣はブリギッド達程重くありませんので、ギリギリ入れるかどうかという水準だったのですが…それでも子供の頃からの憧れでしたので」
対魔物戦が重視されるアインザルフ帝国の場合、騎士達に求められているのは魔物の一撃すら耐えられる強靭さか、そんな魔物を一撃で屠れる強靭な力です。
クリスティーナさんは165センチと女性としては十分長身の部類に入るのですが、筋骨隆々な他の男性の騎士達や、そんな騎士達と並んでも遜色のないブリギッドさん達と比べると一回り背が低く、華奢な印象は拭えません。
「陛下やヴィクトル様に認められたからこそ、クリスティーナさんは第一騎士団に配属されているのではないのですか?」
私の見立てではクリスティーナさんもブリギッドさんもただ剣の強さという意味ではどちらが上と言えないくらい拮抗していると思いますので、ご自分で言われるほど卑下するような事でもないような気がします。
「ありがとうございます、ですが私は第一騎士団の中では数合わせですし、剣も守勢の物だと自覚しておりますので」
一撃必殺が望めないからと磨かれた隙をつくような剣技や防御技術、冷静に相手を見極める観察眼とそれに付随する状況把握も確かではあるのですが、単純な戦闘力ではアインザルフ帝国でも選り抜きの第一騎士団の中ではどうしても見劣りし、これ以上の出世は難しいだろうとの事でした。
それはどこか諦めにも似た告白だったのですが、そういう身の上話的な雑談を挟みつつ、2人は私の聖女服を脱がしにかかるのですが……マリアンさんは手際が良いのですが、クリスティーナさんの手つきがちょっと怪しいのが気になります。
というのも、それは単純に脱がされている私も慣れていなければ脱がそうとしているクリスティーナさんも慣れていないだけなのかもしれませんが、その手つきはまるで野戦治療時の流れに近く、ナイフを渡して「これで破ってください」と言った方が上手く脱がしてくれるかもしれないという覚束ない手つきでした。
「……?」
何だかんだ言ってもやっぱり騎士なのですねという事を考えてしまい、人に脱がされているという恥ずかしさもあって笑いかけてしまったのですが……そんな私を見てクリスティーナさんが首を傾げます。
「すみません、思い出し笑いみたいなものです」
手つきが面白かったというのも何だったのでそう誤魔化すと、クリスティーナさんは「そうですか」と相槌をうってから、ふと気になったというように言いました。
「申し訳ありません…もしかしてスフィール様は、水浴びをされていたのですか?」
たぶん私の体の汚れや臭いが薄い事を不思議に思ったのでしょう、そう訊ねて来たクリスティーナさんに魔法で綺麗にしていた事を説明します。
「いえ、浄化の奇跡で清潔を保っていましたので…」
見張っている対象がいつの間にか水浴びをしていたなんて事になると見張り失格ですからね、私は「クリスティーナさんに落ち度はありません」という様に簡単に説明する事にしました。
「ああなるほど、ラークジェアリーではそのような便利な奇跡があるのですね……ですが言ってくだされば我々もお手伝いいたしましたのに」
クリスティーナさんは感心したように呟いたあと眉をしかめたのですが、聖女であるマリアンさんは何か微妙そうな顔をして苦笑いを浮かべていました。
とにかく浄化の魔法のおかげで垢や汚れは溜まっていないのですが、それでも折角お湯を用意したのでと体を拭かれ、それから用意された服に着替える事になったのですが……私の裸を見た時の反応が2人とも違っていて、クリスティーナさんは目を瞠り恐れ多いモノを見たという様に、マリアンさんは何故か痛ましいモノを見たという様に目を伏せるという真逆の反応をしているのが興味深かったです。
「…今度の服は少し違うのですね」
そんな風に2人にはマジマジと裸を見られてしまい、私は恥ずかしさに負けて適当な話題を振ったのですが、マリアンさんの説明ではごく一般的な布地が使われている寝巻を用意したのだという事でした。
「急いで仕立てた物で申し訳ないのですが、馬車に積んでいた予備の服は普段使いには向きませんし、趣がありませんので」
マリアンさんの言う「趣」を重視する理由はよくわからないのですが、アインザルフ帝国の聖女の正装は鉄糸が縫い込まれているので布地は固く、ベルトの固定と可動域を広げる工夫で動きやすさを確保しているような物でした。
これはアインザルフ帝国で採れる少量の鉄でどうにか防御力を上げようとした結果のようなのですが、鉄糸の隙間が広いので防御力としては気休め程度ですし、大型の魔物に噛まれたらひとたまりもない強度しかないのですが、それでも原型がある程度残るので身元確認に便利だという話です。
とにかくそんな布が聖女の服や騎士の鎧下に使われているのですが、流石にそのまま寝ると寝づらいでしょうとの事で寝間着が用意されたようなのですが、他の人は魔物の襲撃を考えてわざわざ着替えていないと言いますか、私だけわざわざ着替える理由は何でしょう?
「夜中に襲撃があった場合はこのままで?」
用意されている着替えは体をすっぽりと覆うような生成りのローブとズボンという素朴な物で、ボタンと腰辺りの紐で留めるだけの簡単な構造です。
ラークジェアリー聖王国と比べてかなり寒いと言われているアインザルフ帝国を基準にしているので少し厚手の生地が使われているのですが、流石に魔物との戦闘に耐えられる強度や防御力はなさそうなところに不安を感じてしまいます。
まあその辺りは後で付与魔法をかけて防御力を上げておけばいいだけなのかもしれませんし、別に布地が戦闘用の鉄糸縫いだろうとただの布だろうと戦闘が起きれば頑張るだけなのですが、ラークジェアリー聖王国の聖女服は多種多様なマナの付与がかかっていて見た目以上に頑丈ですし、アインザルフ帝国の聖女服も色々な工夫で強度や運動性が高められており、それらと比べるとやはり心もとないというのはありました。
「よほどの事がなければレティシア様は起きなくて大丈夫ですので、そのままお休みください」
「そういう訳にもいかないような気がするのですが…」
私の抗議に2人は顔を見合わせ、無視する事にしたようでそのまま着々と着替えが進みます。
「腕を通しますね」
「あ、はい」
アインザルフ帝国ではこのローブの下に肌着を着るようなのですが、この辺りの気温だとこれで十分だろうという事でそのまま上からスポッと被せられ、腰ひもが軽く止められます。
こうして何故か1人だけ気楽な格好に着替える事になったのですが、他の人が戦地仕様の服装をしている中、1人だけこの恰好というのは少し浮いているように思えるのですが……マリアンさんとクリスティーナさんは満足したように頷き合っていました。
「健闘を祈ります」
「?…はい」
クリスティーナさんには胸の下辺りで右こぶしを左手で包み軽く揺するというアインザルフ帝国式の敬礼で応援されたのですが、よくわからずに私は曖昧な返事を返しました。
そして私は体を拭くために使ったお湯や脱いだ服を片付けてこの馬車で寝る事になると思っていたのですが、ここから更に移動するとの事で、クリスティーナさん達の手によって手早く馬車内の道具が片付けられていきます。
「あ、私も手伝いますので、どこに片付けたら良いですか?」
「いえ、大丈夫ですので、我々にお任せください!」
クリスティーナさんに笑顔できっぱりと断られてしまい、私は皆さんが片付けるのをただハラハラと見守った後、再度マリアンさんの先導で移動を開始しました。
「ではこちらです」
こうしてマリアンさんと女騎士4人に護衛されるという妙に仰々しい状態での移動を開始したのですが、何か向かっている先が薄々わかったような気がしますと言いますか、目の前に特徴的な黒い馬車が見えてくると、まあそこに向かっているのでしょうねという感じがします。
「おいおいどうした、それにレティシアのその格好…」
護送される私の様子に他の騎士達が何事かと窺ってきていたのですが、ヴォルフスタン皇帝の黒鉄製の馬車の前で護衛指揮を執っていたヴィクトル様が声をかけてきました。
何故かヴィクトル様は一瞬「またか」みたいな「悪い癖がでた」みたいな困り顔を浮かべたのですが、それと相対するマリアンさんはすまし顔でその視線を流します。
「寝所に案内しているところです」
「おま…はぁー……どうせお前の独断だろう?お前達もお前達だ、何故止めない?」
ヴィクトル様の矛先が護衛を務めていたブリギッドさんやクリスティーナさんに向くのですが、ブリギッドさんは諦めたように肩をすくめ、クリスティーナさんは期待するように爛々と目を輝かせていました。
残りの2人も困ったように顔を見合わせていたのですが、皆さん賢明にも何か発言するという事は避け、無言でヴィクトル様の視線を受け流していました。
何て言いますか、皆さんの反応からマリアンさんのこういう行いが常習的と言いますか、色々と諦められているような空気があるのですが、どういう事なのでしょう?
あの堅物のアインザルフ帝国の騎士達がお互いの顔を見合わせ肩をすくめたり、興味津々といった表情を浮かべたりしているのが印象的なのですが、誰もマリアンさんの独断を止めようという人はいません。
アインザルフ帝国でのマリアンさんの立ち位置というのがよくわからず、筆頭聖女だからという以外に何かありそうな振る舞いだと感じるのですが、これはもしかすると本当に私の予想が当たっているのかもしれません。
「お、おい待て!」
とにかくマリアンさんとヴィクトル様の間で短いながらも苛烈な視線の応酬があった後、立ち塞がるヴィクトル様を避けてマリアンさんが馬車に近づくと、皇帝陛下の馬車の扉を恐れずにノックしました。
※皇帝陛下の寝所にドナドナされていくレティシアですが、マリアンさんのこの行いはアインザルフ帝国では平常運転です。
というのもマリアンさんは皇帝陛下に一刻でも早く御子を作って欲しい派の急先鋒で、何だかんだ言って騎士達や周囲の人達も陛下には子供を作って欲しいと思っているのでそれほど強く止めないという感じです。
勿論陛下の魔力によっての負傷があるのでどうかと思っている人はいますが、万が一とか、本人が妃の座を狙っているのならチャレンジさせてあげてもという消極的な賛成という人も含めると総意に近くなります。
ただ流石にマリアンさんが媚薬効果のある薬を寝所で焚こうとした時には止められましたし、未遂でなければ死を賜っていたかもしれないという事までしでかしているので、色々と気苦労の絶えない人もいます。
※クリスティーナさんの中ではレティシアが初めて護衛する事になった貴人となり、本人的には第二騎士団ごっこをしているという自覚があります。
とはいえ勿論第一騎士団なので皇帝陛下の護衛は任務内なのですが、それはアインザルフ帝国の騎士なら当然という感覚で、それ以外の貴人の護衛をしたのが“初めて”という事になります。
※第二騎士団は政治補佐をする第一騎士団に負けず劣らずの文武両道な騎士達の集まりで、皇帝陛下や騎士団総長の指示が無くても独自に動けるという権限があり、最高責任者は皇后陛下と定められています。
これは何代も前の第二騎士団が魔物の襲撃から皇帝陛下を守るために持ち場を離れ、皇后陛下やその子供達が襲撃されるという事件を経た結果で、大幅縮小されたのちに独立部隊として定義し直されたからです。
そんな法令上勝手に動ける部隊が放置されているというのも危ないので、後継者がヴォルフスタン皇帝のみになった際に解隊され、所属していた女騎士達は色々な部隊に組みこまれました。
第二騎士団は皇妃やその子供達を護衛するという職務上(お風呂やお手洗い等に付き従う)女騎士が当てられる場合が多く、何時しか第一騎士団が男の騎士の到達点、女の騎士の到達点は第二騎士団と言われるようになっていた名誉ある騎士団です。
この辺りの成り立ちや政治的な話はややこしいのでまだレティシアには伝えられていませんが、多分そのうちこっそりとアインザルフの常識として伝えられるのかもしれません。
※近衛という意味では帝都防衛を担う第三騎士団も入るかもしれませんが、こちらは見習い騎士の所属も多く、練習部隊としての側面が強いので近衛騎士には入りません。
クリスティーナさんが「配属先が決まる前に」という時に所属していたのがこの第三騎士団で、見習い騎士から正騎士になるというタイミングで第二騎士団が解隊となり、第三騎士団の正騎士、そこから努力が認められ第一騎士団へ配属となっています。
名ありの女騎士で言うと、ブリギッドさんは第二騎士団、解隊されて第五騎士団、それからドヌビス戦役時の再編成時の穴埋めで第一騎士団に配属されています。
その為騎士の年数としてはブリギッドさんが上ですが、部隊配属年数ではクリスティーナさんが先輩の為、部隊指揮を執る場合は(ブリギッドさんが頭を使うのはクリスティーナの方が得意だしとか思って)クリスティーナさんが執る場合が多いです。
そういう経歴もあり、クリスティーナさんからするとブリギッドさんは憧れの元第二騎士団員という事なのですが、それでも呼び捨てなのはお互い第一騎士団の補員として所属している事と、実家の爵位の関係です。
このまま騎士団の紹介をすると第四騎士団は少数精鋭の魔法部隊で、第五騎士団は対魔物戦特化の遊撃部隊、この辺りが帝国内でも最大火力だと目されている部隊で、苦戦している各方面に投入される火消し部隊です。全くどうでもいいですが、ヴィクトル様も騎士団総長になるまでは第五騎士団に所属していました。
第六が北方山岳地帯、第七が西のドヌビス側、第八が南方穀倉地帯、第九が東方を防衛する方面軍で、東には海があるので第九部隊は海軍も含みます。
二桁以上となると臨時徴兵の部隊となり、一応この一番から九番がアインザルフ帝国での常設部隊となります。
※アインザルフ帝国式の敬礼は剣を立てて礼をする事が略式化したもので、戦地であれば普通に剣を抜いて礼が取られますが、今回は移動中の野営地なので剣の無い略式で済ませました。
これが正式な敬礼として採用されている事からわかるように、アインザルフは略式で済ませられる町の中でなければ文官だろうと聖女だろうと刃物を携帯しているのが普通であるというお国柄です。




