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No.095 ゴーレム闘技大会、決勝戦・準々決勝

残業が多すぎて帰宅して寝る時間が無い。

体調を崩して休んだりしているのに、今月の残業時間は60時間を超えそう。

ゴーレム競技大会の決勝戦が始まった。


決勝戦は、準々決勝、準決勝、決勝の3試合が組まれており、対戦相手には前々回大会優勝者と前回大会優勝者が出場するため、優勝経験者を倒して優勝するのはかなり厳しいというのが大方の見立てである。


前々回大会の優勝者と前回大会優勝者のゴーレムは、マルドーナ王国軍に採用されるという名誉と仕事を手に入れることができたため、それを目標にこのゴーレム闘技大会に出場した選手は多い。


そして決勝戦へと勝ち上がってきた1体は、別の大陸からやって来た超絶美人でメイド服を着ていて自立行動ができ、さらに感情を持ち合わせ自然な会話ができるゴーレムだった。


ゴーレムギルドに所属するゴーレムにおいて、自立行動ができるゴーレムは存在せず、ましてや感情を落ち合わせたり自然な会話ができるゴーレムも存在しない。


しかも、ただの色物だと思われたゴーレムは、相手のゴーレムを消滅して見せるという芸当を見せつける。


そんなゴーレムが突然現れゴーレム闘技大会に参加し、決勝戦へと進出したのだ。


ゴーレムギルドにとってそれは衝撃であり、今後のギルドの活動を揺るがす脅威だと認識したため、カルルのゴーレムであるヴァイオレットが出場する試合のみ特別ルールが追加された。


それは、ヴァイオレットは観客を煽るような言動を一切行わないこと。


対ヴァイオレット戦では、実況と解説は行わないものとする。


観客は、ヴァイオレットに対する応援を暗に慎むこと。


観客がヴァイオレットを応援した場合、その者は闘技会場から退場させるというものだった。


また、指標もヴァイオレットに対してかなり低く設定された。


ゴーレム闘技大会・準々決勝の相手は、ジルベルト選手でゴーレムはマジックキャノン。


カルルのゴーレム(ヴァイオレット)の値(準々決勝前)

・素材:液体金属

・種別:造形型、魔法型

・攻撃力:6

・防御力:6

・武器:-

・速さ:7

・魔法種別:防壁型攻撃魔法、飛行魔法

・特殊能力:完全自立型ゴーレム、防壁型攻撃魔法、魔法糸による特殊攻撃


対するジルベルト選手のゴーレム(マジックキャノン)の値(準々決勝前)


・素材:金属ゴーレム

・種別:魔法型

・攻撃力:10

・防御力:9

・武器:-

・速さ:8

・魔法種別:魔石魔法、防壁魔法

・特殊能力:魔石砲


カルルのゴーレムは、ゴーレムギルドによって指標は低く設定された。


対して対戦相手のジルベルト選手のゴーレムであるマジックキャノンは、ヴィスターク王国の飛空艇に搭載されていた魔石砲をゴーレムに転用したという珍しい装備を有していた。


魔石砲とは、攻撃魔法を込めた魔石を魔石砲により打ち出し、対象や防壁に魔石が当たると魔石に込めた攻撃魔法が発動するというものである。


ジルベルト選手は、その魔石砲をゴーレムに装備したことが高く評価され攻撃力は10となった。


ベッティング(賭け)の人気は、カルルのヴァイオレットが1に対して対戦相手のマジックキャノンは9と、こちらもゴーレムギルドの介入が明らかであった。


だが、ここでゴーレムギルドが想定していなかった事態が起きようとしていた。


それは、カルルの対戦相手であるジルベルト選手の様子が明らかにおかしく、選手席で何か独語を話しながら自身のゴーレムであるマジックキャノンに指示を出す様子が、ゴーレムギルドの複数の職員に目撃されている。


「言葉を話すゴーレムだと。そんなゴーレムが存在するはずがない。あれは魔族が送り込んだ魔獣に違いない。俺はヤツを殺してこの王国を救う英雄になるんだ!」


ジルベルト選手は、何かに取り付かれたように同じ言葉を繰り返しながら闘技場の反対側にある選手席に座るカルルを睨みつける。


そして戦いが始まるとマジックキャノンは、魔法防壁と物理防壁を自身の周囲に展開すると即座に床に向かって炎の魔法が込められた魔石砲を放ち、床を炎の海にかえた。


これは分解魔法を纏わせた液体金属の糸を警戒しての行動だとヴァイオレットは判断し、重力の魔石を使って炎よりも少し高い空中へと舞い上がる。


だがマジックキャノンは、雷の魔法が込められた魔石砲をヴァイオレットが浮かぶ空中に向かって放つと空中を雷撃で覆いつくした。


だがヴァイオレットは、空中で分解魔法の防壁を展開して雷撃を無効化したため、ダメージを全く受けていない。


戦いが始まる前にカルルは、ヴァイオレットに対してこんなアドバイスをしていた。


「魔石砲は、攻撃魔法を魔石に込めたものだから、放てる魔石の数に限りがある。飛空艇に搭載された魔石砲は、魔石30個を放つと魔石の補充が必要だったはず。だから適当に撃たせて魔石の残数が少なくなってから攻めた方が観客も盛り上がると思うよ」


ヴァイオレットは、マジックキャノンが放った魔石の数を数えながら反撃の時を待つ。


カルルの言葉は、自立行動ができ疑似感情機能を持つヴァイオレットであっても絶対である。


そして魔石砲が放った魔石の数が20を超えた時、ヴァイオレットはマジックキャノンに向かって空中から分解魔法を纏わせた液体金属の糸による攻撃を仕掛ける。


ヴァイオレットの指先から伸びた液体金属の糸は、マジックキャノンが展開する魔法防壁と物理防壁を破壊して体と両足を貫き行動不能にして見せた。


だがマジックキャノンのゴーレムコアは体の中を移動していたため、それを分解することはかなわず床に倒れ込んだ。


「くそ!あれじゃ負ける。王国軍に採用されなくとも地方領主の軍にマジックキャノンが採用されれば、生活は保障されるんだ。なんとしてでもヤツの好きになどさせない!」


そしてマジックキャノンを操作するジルベルト選手は、選手席から立ち上がると大声で命令を伝える。


「やつは魔族だ!ヤツを攻撃しろ!」


その言葉にマジックキャノンは、即座に体を起こすとカルルが座る選手席に向かって、残りの魔石砲の全てを放った。


マジックキャノンから放たれた魔石は、カルルが座る選手席の正面へと飛来しカルルの目の前で炎の攻撃魔法が炸裂する。


だがカルルは、全くの無表情で炸裂する炎の攻撃魔法の前に座ったまま微動だにしない。


それは、物理防壁と魔法防壁により炎の攻撃魔法を完全に遮断していたからだ。


防壁により行き場を失った炎の攻撃魔法は、その矛先を周囲の観客席へと向けると四方に広がり観客に向かって炎の雨が降り注ぐ。


しかもカルルに向かって放たれた魔石は全部で10発にも及び、それらはカルルの防壁により全て弾き飛ばされ、周囲の観客の頭や体を次々と焼き尽くしていく。


悲鳴を上げる観客達に対して選手席に座るカルルと、その後ろに座るアリス、ハンド、パトリシアはカルルの防壁によって傷ひとつ負っていない。


「今の攻撃は!」


「相手の選手がカルル殿を狙ったの!」


ハンドとパトリシアが思わずカルルの後ろの席から声をあげる。


「完全に僕を狙ったね。凄く正確な攻撃だった。だから防壁で完璧に守ることができた。ジルベルト選手の腕は確かだ」


以外にも正確に狙ったジルベルト選手を褒めたたえるカルル。


その光景を空中から見下ろしていたパトリシアは、マジックキャノンのゴーレムコアを分解魔法を纏わせた液体金属の糸で正確に貫き、マジックキャノンを消滅させた。


そしてマジックキャノンを操作していたジルベルト選手に向かって突進し、液体金属の糸でジルベルト選手の頭を貫こうとした瞬間。


「止まれ!」


カルルの声によりヴァイオレットの動きが空中で静止し、分解魔法を纏った液体金属の糸は、ジルベルト選手の眼球の1cm手前で静止した。


「ヴァイオレット。僕はジルベルト選手を殺せとは命じていない。分かってるよね」


カルルの言葉は、腕輪に取り付けられた中継の魔石を通じてヴァイオレットへと伝えられ、絶対的支配者の命令を確実に遂行する。


「ご主人様のご命令の通りです。失礼いたしました」


ヴァイオレットは、液体金属の糸を体内に戻すと空中でカルルの方へ向きなおし一礼した。


「さて、観客席が大惨事だね。炎の攻撃魔法を一般人に放ったら大勢の死人が出るのは分かってるはずなのに、それでも攻撃したんだからある意味凄いね。ジルベルト選手は」


カルルは、収納の腕輪の中から水魔法の腕輪を取り出し、それを腕にはめると水魔法を発動して炎の攻撃魔法で燃え盛る観客席に巨大な水の塊を振らせ、燃え盛る観客席を一瞬で鎮火させた。


だが、炎で焼かれた観客の数は100人を超えていて、頭や体を焼かれた観客が折り重なるように倒れている。


「ポーションだ。医務室からポーションを持ってこい。火傷の重い者から治療しろ!」


「街の治療院から先生を呼んで来い。大至急だ!」


観客席では、ゴーレムギルドの職員や闘技場の職員が、倒れている観客の治療に充っている。


「僕のハイポーションは、在庫が殆どないから使わない。見ず知らずの観客の命より僕の仲間の命が最優先だから」


ある意味、冷徹な決断を下したカルルは、選手席に座ったまま闘技場の反対側にある選手席に座るジルベルト選手に視線を向ける。


「ジルベルト選手、あなたが行った観客への無差別攻撃は、重犯罪にあたります。マルドーナ王国軍が身柄を拘束します」


マルドーナ王国軍の兵士がジルベルト選手にそう告げると、ジルベルト選手の周囲を多数のマルドーナ王国軍の兵士が取り囲んでいた。


「ヤツは魔族だ。あんなゴーレムが存在するはずがない。ヤツはこの王国に災いをもたらす。あのゴーレムはその先兵だ!みんな、あのゴーレムに騙されるな!」


暴れるジルベルト選手をマルドーナ王国軍の兵士が拘束し、闘技場から連れ出されていく。


そして審判が鐘を鳴らし試合の勝敗についての説明が始まった。


「只今の順々決勝は、ジルベルト選手がゴーレムを使ってカルル選手を攻撃しました。その時に攻撃魔法が観客席へと四散し観客に多数の負傷者が出ました。これは本大会の重大なルール違反であることから、ジルベルト選手は失格となり、カルル選手が準決勝進出となりました」


審判の説明によりカルルは準決勝へと駒を進めることになった。


あっけない幕切れであったが、観客に多数の負傷者が出たため準決勝は2日後に持ち越されることになる。


波乱の予感がするゴーレム闘技大会の決勝戦の始まりであった。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:264

 1000艇まで残り736


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイリシュア王国軍向け飛空艇 80艇(通常型30艇、戦闘型50艇)

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)

・マレーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)

・カヌーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物資補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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