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No.103 惑星防衛システム内での戦い(3)

今月の残業時間は、80時間を超えそう。頭が痛くて・・・。

惑星防衛システムの中央制御室を占拠するヴィスターク王国軍を排除するため、惑星防衛システムを管理するゴーレムに中央制御室の空気を抜いてもらうという荒業を用いて、ヴィスターク王国軍の兵士を無力化したカルル達。


しばらくして兵士達を隔離するために閉じた隔壁を開け、中央制御室へ入ると床に倒れているヴィスターク王国軍の兵士達の姿があった。


「空気をほんの少し抜いただけだから酸欠で意識を失っているだけで死んではいないと思う」


カルルの言葉にハンドが剣を抜いた状態で警戒を解かずにゆっくりと進んで行く。


「気つけてください。意識を失っていると見せかけて攻撃をしてくる輩がいるとも限りません」


ハンドは意識がありそうな兵士を探しては剣先でそれらを軽く突いていく。


「カルル殿、彼らが意識を取り戻したら攻撃してきますがどうします。我々は拘束具になりそうなものを持ち合わせてはいませんが」


「それなら僕が土魔法で作るから」


カルルは、そう言うと倒れている兵士とホムンクルスの両腕に土魔法で腕輪を作り、それに強化魔法を施し繋げて手枷とした。


「手枷に鍵は無いから、僕が手枷に施した強化魔法を解除しない限り拘束を解くのは難しいと思う」


カルルは、倒れている兵士とホムンクルスの両腕に次々と手枷を作り嵌めていく。


そして全ての魔道具を没収して武装解除が終わると魔石の鑑定を始めた。


「へえ、僕が持っていない魔石がけっこうある。これなら面白い魔道具が作れそう」


そんなことをしていると床に倒れていた兵士達が意識を取り戻していく。


「さて、皆さんの武器は全て没収済みです。腕には暴れないように拘束具を取り付けてありますので、無駄な抵抗はしないでくださいね。抵抗さえしなければ何もせずにここから出ていってもらいます」


兵士達は、いきなり意識が遠のいたと思いきや意識が戻ると、手枷を付けられ自由を奪われ、さらに武器や魔道具の全てを外されていて、事情がいまいち呑み込めないという表情を浮かべている。


「皆さんの表情からは事情が呑み込めないというのが伝わってきます。しかもなぜ子供がこんな場所にいるのかって感じですよね。僕はこの施設を管理しているとある方からの依頼でこの施設の修理に来た錬金術師です。そして皆さんはこの施設に勝手に入った不法侵入者ということになります。そこは理解されていますか?」


すると士官とおぼしき軍服を着た男が声を上げる。


「少年、我らが誰だか知っているのか?」


「ええ、ヴィスターク王国の軍人さんです」


「分かっているなら話は早い。私は、この部隊を指揮するテオ少佐である。この拘束具をいますぐ外せ!でなければ、お前達を皆殺しにする」


「皆殺しにするならご勝手に。あなた達は、この施設の持ち主の許可もなく勝手に入り込んだ以上、不法侵入で殺されても文句は言えない立場だと分かってますか」


「この施設は、ヴィスターク王国が接収した。そもそもこの施設には持ち主など存在しない!」


カルルは、士官の話に耳を傾けた後に少し考えてからこう切り出した。


「ヴィスターク王国は、周辺国を占領して領土を広げた国ですから、他人の物は自分の物という略奪論がまかり通るんでしょうね」


「なんだと。我らを略奪者だと言うのか!」


「ええ、断言します。あなた達は略奪者でなければ、いったい何だというのですか」


「子供だと思って下手に出れば言いたい放題。では望み通りお前を殺してやる」


そう言うと士官は、両腕に嵌められた手枷を力で外そうとするが、それは外れる様子はない。


「何を見ている。攻撃魔法が使える者は、あのガキを攻撃しろ!」


士官の言葉に攻撃魔法が使える者達は立ち上がり魔法を使うそぶりを見せるも、その者達から魔法が放たれる事はなかった。


「まっ、魔法が使えない。どうなっている」


「俺も魔法が使えない・・・」


「体から魔力が抜けていく感じがする」


攻撃魔法が使える兵士達は、自身の魔法が使えなくなった事に衝撃を覚えていた。


実は、これも惑星防衛システムのゴーレムの仕業である。


特定の者の魔力を奪い行動を制限することができるのだが、今までは魔力が枯渇していたためにその機能を使うことが出来なかったのだ。


「さて、状況がお分かりいただけたかと思います。これから格納庫に行って乗ってきた飛空艇でお帰り願います。もしそれが嫌だというのであれば、この山に住む魔素蛭の餌になってもらいます」


「魔素蛭ってあの大型の蛭のことか?」


「ええ、そうです。あの蛭は人の魔力を根こそぎ奪い死に至らしめます。素直に帰るか魔素蛭の餌になるか選択してください。お帰りがお望みの方は、あの扉の前に集まってください」


兵士達は、カルルの言葉に直に従い扉の前へと集まり始める。


「おい、貴様らヴィスターク王国の兵士なら戦え!」


士官の言葉は絶対であるが、ここでは誰もそれに従う者はいない。


「俺達下級兵士は、ヴィスターク王国に占領された国の出身者ばかりだ。給料も安いし待遇も悪い。それで死んでこいと言われたら割に合わない」


だがそうは思っていない者達も少数だがいた。


「待ってくれ。せっかくこの古代遺跡をヴィスターク王国へ持ち帰るチャンスだというのに、これを放置して逃げ帰るというのか!」


そう言い放ったのは、軍属の魔術師達だ。


「我らは、国王様からこの古代遺跡を国に持ち帰れと勅命を受けている。手ぶらで帰れば最悪死罪だ。結果を残さずに帰る訳には行かない!」


軍属の魔術師達の言葉に下級兵士達が反論する。


「だったらお前達だけがこに残ればいい。俺達は国に帰る。こんなところで魔素蛭の餌になって死にたくはない」


扉の前に集まった下級兵士達は、カルルに視線を向けると話を続ける。


「少年。ここにガーランド大尉がいれば恐らく戦いになる。そうなれば俺達も戦わなければならない。ガーランド大尉が戻る前に飛空艇に行きたいがよろしいか」


扉の前に集まった下級兵士達の表情からは、今すぐにでも故郷に帰りたいという悲痛な思いが漂っており、それを感じ取ったカルルは、すぐさま行動に移る。


「案内するからついて来て」


そして中央制御室に残ろうとする軍属の魔術師達は、ハンドが振るう剣により無理やり部屋から退出させられ、最後にこの部隊を指揮するテオ少佐が続いた。


「くそ。これでは士官としての私の指揮能力を疑われてしまう。何としてでもこの状況を打開しなくては・・・」


小声でそうつぶやくテオ少佐は、ガーランド大尉の帰還と同時に反撃の機会を伺うことにした。


カルル達は、惑星防衛システムのメイン通路を歩き飛空艇が置いてある格納庫に向かう。


その後ろに兵士、ホムンクルス、軍属の魔術師、そして最後に士官のテオ少佐が続く。


カルルは、兵士達が装備していた剣や魔道具を全て没収して収納の魔石内に保管しているため、兵士達は丸腰である。


メイン通路の先に飛空艇が置いてある格納庫の扉近くへとやって来たカルル達は、そこで見覚えのあるあの剣士と鉢合わせすることになる。


「よう小僧。遊んでほしくて随分探したんだぜ。何処にいたんだよ」


腰にぶら下げた鞘から剣を抜きカルルに向かってゆっくりと歩み寄る剣士。


「大尉、そのガキはこの古代遺跡から支援を受けている。我らは魔力を制限されていて支援はできないが、殺して構わない。好きなように殺れ!」


大声を張り上げガーランド大尉に命を下すテオ少佐の表情は、ガーランド大尉が勝つと言わんばかりの自信に満ちた表情を浮かべる。


「少佐殿。了解です。このガキは、変な魔法を使うので両手両足を切り飛ばしてしまいましょう。面倒ごとはご免ですからね」


カルルの前には、剣を構えるハンドと魔法杖を構えるパトリシアが立つ。


カルルの横にはパトリシアと同じく魔法杖を構えるアリスと、攻撃態勢に入ったゴーレムのヴァイオレットが並ぶ。


「ハンドさん。あの剣士が持つ剣には武器破壊アビリティが付いてます。ハンドさんの魔法剣で戦っても剣を破壊されるだけです。魔法も破壊できるなかなか凄いアビリティです」


カルルの前で魔法剣を構えるハンドは、その言葉を聞いて額から大粒の汗が流れ出た。


「それは本当ですか。それでは戦いようがありません」


するとカルルは、剣を構えるハンドにそっと1本の剣を差し出す。


「この剣は、ヴィスターク王国軍の兵士が持っていたもので、武器破壊アビリティの魔石が装備されています。ただし、魔石は既に交換してあります」


「それは、知恵の魔石で作り直した魔石を装備した剣ということでよろしいか」


「ええ、その通りです!」


するとハンドの口角が吊り上がり自身が構えていた魔法剣を鞘に戻し、カルルが差し出した剣を鞘から抜いて構え直した。


「ほお、兵士の剣を奪ったのか。だが私の魔法剣は特注でな。兵士の剣とは性能が段違いだ。お前のその剣でどうにかなると思うな!」


惑星防衛システムの格納庫へと通じる扉の前で、対峙する2人の剣士はお互いの剣技をぶつけ合うべく距離を詰めていく。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:264

 1000艇まで残り736


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイリシュア王国軍向け飛空艇 80艇(通常型30艇、戦闘型50艇)

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)

・マレーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)

・カヌーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物資補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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