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32話 リリアの正体

リュウクは昔から気配を察知するのがうまかった。

初めて会った時からリリアは人間にしては不自然な気配

そしてリリアとともに冒険するようになってからアンデットが出てこないような所から出てくるなど

不自然なことが多く起こっていた。

リュウクがリリアは人間ではないことが分かったのはあの竜の騒動の時だ。

竜は知能を持つ。竜は基本的にはヒーラーから倒そうとするのにミアだけが狙われていたことだ。

リュウクはさらに見てしまったのだ。リリアが竜を吸収しているところを…

リュウクはその瞬間、すべてを理解した。リリアの目が冷たく、そしてどこか不自然な輝きを持っていたことに気づいていたのだ。彼女がここまで力を蓄えていることに違和感を覚えていた。

その時咄嗟に体が飛び出しリリアに話しかけてしまった。

「リリア何やってるんだ」

「リュウク?どうしたの」

「なぜお前が竜を吸収している?」

「さあなんででしょうね?まあお前にはここで死んでもらうわ」

「リリア、お前あった時から気づいてたよ。お前魔物だろ?」

リュウクは冷静に問いかける。だが、リリアは無表情のまま、ゆっくりとその手をかざした。

「せーいかぁーい、リュウク。私はアンデッドの使者、あなたが思っていたような味方ではなかった。」

その言葉が彼の胸を貫いた。


「裏切り者!」

リュウクは鋭く叫ぶが、リリアはその声を無視して、手のひらから闇の魔力を解き放つ。その魔力は強大で、周囲を圧倒する。リュウクはそれに反応して身をひねり、剣を振るって魔力を切り裂こうとするが、次々と現れるアンデッドたちに囲まれ、足を取られる。


「お前に、もう勝ち目はない。」

リリアの声は冷たく響く。リュウクは必死に抵抗しながら、最後までその目に決して諦めの色を見せることはなかった。


「俺は…必ず、お前を倒す。」

その言葉を残して、リュウクは闇の魔法に打たれ、力尽きた。


リュウクの死を知らされた瞬間、颯、ミア、そして仲間たちの心には怒りが込み上げてきた。リュウクを殺したのがリリアだと知り、何もかもが一瞬で崩れ去るような感覚に包まれる。


「リュウク…!」

颯はその場に駆けつけ、無力感と共に倒れたリュウクの体を抱きしめた。彼の目に涙が浮かぶ。

「お前が…どうしてこんなことに…!」

その怒りは、ただの復讐心ではなかった。仲間を失った悲しみ、そしてリュウクが持っていた希望を無駄にしないために、颯は立ち上がる。


「リュウクの仇を…必ず取る!」

颯はそう叫び、立ち上がると、リリアの元へと向かって走り出した。その背後では、ミアが震える手で杖を握りしめ、深く息を吐いていた。


「リュウク…あなたを殺したリリア、絶対に許さない!」

ミアの目にも涙が滲んでいたが、その決意は固かった。


颯が先にリリアに迫り、剣を振るう。だが、リリアは冷ややかにその攻撃を避け、手のひらから次々と闇の魔力を放つ。アンデッドが颯を取り囲み、彼を圧倒しようとする。


「どうして、こんなことを…!?」

颯は強く叫びながら、必死にアンデッドたちを斬り伏せるが、その数は膨大で、戦況は一進一退のままだ。


その時、ミアが前に出る。「私がやるわ!」

彼女は杖を高く掲げ、光の魔力を集中させる。

「神聖魔法、光の裁き!!」


強烈な光がリリアに向かって放たれ、その光がリリアを包み込む。アンデッドたちは次々と消えていき、リリアはその力にたじろぐ。しかし、彼女はすぐに闇の魔力でその光を弾こうとする。


「くっ、そんな光…!」

リリアはその闇の力を強化し、光の攻撃を防ごうとするが、ミアの魔法はそれを打ち破る。リリアが必死で魔力を放つ瞬間、颯がその隙を突いてリリアに向かって剣を振り下ろす。


「これで終わりだ!」

颯の剣がリリアに命中し、深く突き刺さった。リリアは驚きと共にその場で膝をつき、力なく倒れる。

「なぜお前が神聖魔法を使えるのだ…話が違うぞギルファー…」

「リュウクのために…。」

颯はその言葉を呟きながら、剣を引き抜く。リリアは静かにその命を落とした。


リュウクの死を乗り越えた仲間たちは、しばらく無言でその場に立ち尽くしていた。ミアは涙を拭いながら、颯の横に立ち、静かに呟いた。


「リュウクが望んでいたのは、私たちが進み続けることよね。」

颯は少し黙ってから頷いた。「そうだな。リュウクのためにも、俺たちは前を向かないと。」


仲間たちは互いに顔を見合わせ、うなずき合った。そして、リュウクの死が無駄にならないように、次の目的に向かって歩き出す。


「リュウクのために、俺たちが強くなるんだ。」

颯は静かに決意を胸に、歩みを進めた。

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