エピローグ
おまたせしました。おまたせしすぎたのかもしれません
あれから数日、王族からの呼び出しもなく、アルフェーナ達はいつも通りの学園生活を送っていた。
だが、王城での出来事は学園で未だに話題に上がっている。アルフェーナ達にも当事者としてどうだったのかを聞かれまくっていた。
それに対してアルフェーナ達は、珍しくホントの事を言うのでなく、ボカシながら答えていた。それは、あの後に王妃と会談を行っており、誰かに聞かれたとしても、全てを言うのでなく、言ってはいけないことを以前に聞かされております、そこだけは言わないようにしていた。
でも、そういう事をされると言いたくなってしまうのがクルサだ。
「いやでもね、ホントは…ぶっごぉあ!」
そんな言いそうになるクルサの近くにはアルフェーナが常にいて、言いそうになるクルサに対して肘鉄をお見舞いしまくっていた。
初日に懲りればいいものの、クルサは毎日数十回は肘鉄を貰っていた。クルサ以外のメンバーは密かに、ドMなのでは?、と思い始めていた。(アルフェーナ以外のメンバーはアルフェーナに対してのドSなのでは?と思っている)
「これ以上は……王宮から正式な発表がありますのでそれまでお待ち下さい。それから……」
アルフェーナは口に人差し指を当てながら軽めにウインクした。
「これ以上このバカに何かを聞かないでもらいたいのです。そろそろ一人の時間が欲しいです」
アルフェーナのその冗談みたいな言葉に一笑いがおきる。まぁ、言っている本人はかなり真面目なのだが。
それからアルフェーナ達への質問攻めは徐々に減っていった。というのも王宮から大切な発表があることが、各家に通知され、それが学生達にも伝えられたのだ。
それからしばらくの間アルフェーナ達は平穏を手にすることができた。
でもそういう張り詰めていて、一気に緩んだときの日というのはすぐに過ぎ去っていくもので、すぐに王宮からの発表がある当日になった。
「どういう発表になるのか。私達にも詳細が知らされていないんだけどね」
「楽しみだね〜。どういうふうに発表するんだろう?掲示板に貼られているのかな?それともテレビで一斉放送するのかな?」
「わからないけど、明日から……いんや今日からかな?忙しくなるんじゃない?主にアルが」
「そうなったら、あんたは私の近くに置いてあ・げ・る」
「ヒィエェエエエエ〜〜〜!……いろいろ勘弁して?」
「むーりっ!」
そのようにいつものように歩いて学園に向かっていると、近くのテレビが勝手に点き、そこに国王がふてぶてしい顔で(アルフェーナとクルサの主観)写っていた。
「これからとあることについて言いたいと思う」
国王は一拍を空けて話し始めた。
「先日、我が王城にて披露会が行われた。それは第二王子であるチェスターの婚約者の発表であった。そこに参加していた者はわかると思うが、その婚約者は現ボルエナルト男爵の長女、エルザ・エル・ボルエナルトであり、またの名を公爵の長女、エルザ・フォン・スカーレットである」
貴族内ではすでに周知の事実、でも民衆では知り得ない事実からの告白から始まる。これもある意味での貴族の醜聞のようなもので、実際周りはかなりざわめいている。
「そのエルザ嬢とチェスターが決闘を行うことになった。なぜそうなったかは、両者の意見がぶつかり、平行線となったからだ。なので三対三の勝負をすることになり、そして…………チェスターが負けた」
その言葉に民衆はまたもやざわめきが起こった。
それもそうだろう、なにせ王子が、ホントは公爵家の息女だったとしても、男爵家で育てられて、つい数ヶ月前に学園に入学したばかりの相手に負けるなんて思えないのだ。
「これにより、我々は決闘の前に執り行われ話し合いにより、エルザ嬢とチェスターの婚約を破棄することを決定した」
驚きの情報が続々と発表されていくので大半の者は理解が追いつかなくなってきた。
「さらに、決闘後の話し合いにより、えぇ~…………うっん!。あぁ、国に属さず、軍に属さず、傭兵とも言わず、私兵、領軍にも属さない、冒険者でもない、独立遊軍と呼ばれるものを結成することが決まった」
今度は先程とは別の困惑したざわめきが起こる。それは軍なのか、なにものにも属さないならテロリストなのでは、という声が上がる。
「これにはエルザ嬢をはじめ、その友人数人が入ることが決まっている。さらにこれに入れるのは、身分も問わず、たとえ冒険者でも軍に入っていようと、傭兵をしていようと、他の国の者であろうと、人族でなかろうと、入団出来るようだ」
もう民衆は驚くことが疲れてきていた。
その条件なら、平民でも、それこそスラムの者、犯罪者でも、敵対国でも入れてしまうということなのだから。冒険者よりもたちが悪くなる。そんなところを国王の許可のもと作ってもよいなどと、他国から正気を疑われてしまう。
「諸君らの困惑もわかる。我もこれを聞いてから困惑しっぱなしだ。だが、我は国王、一度結んだ約束を反故にすることはできないのだ。なのでこれからまず一年間の活動期間を設ける事となった」
長らく話しているので呼吸を整えるために一拍開ける。
「だが、過去に類を見ない異例なことであるが、我はこれが良い変化になるものだと考える。なのでこれからの活躍をしかと見ていてほしいと思う」
アルフェーナは国王の切り返しに感心する。実際は腸が煮え返るくらい鬱憤が溜まっていて吐き出したいだろうに。それを押し殺していい方向に持っていこうとしているのだから。
「これで今回の緊急会見を終わる」
そう言って映像が途切れ、それに伴い謙遜がます。
そんななかアルフェーナ達はというと。
「いやはやとうとう始まるわけですか」
「めんどくさがらないの。結果的にいいことになるんだから。これでいろいろ動きやすくなったわけだし」
「それもそっか、いろいろ任せるけどいい?」
「だめに決まっているでしょ?これを期に覚えていきなさい」
「うへぇーー」
そんな会話をしていると後ろから声が聞こえてきた。
「アルフェーナ様!クルサ様!」
話題の中心エルザが駆け寄ってきていた。その後ろには護衛らしき人が慌てながら駆けてきたり、それを見ているブレンナ達がいたりした。
「おはようございます!先程の放送見ましたか?」
「えぇ、とうとう来たかって話を今していたところよ」
「必ず誰もが納得するような成果を出しましょう!」
「あまり気張り過ぎちゃだめよ?」
「はい!」
それから全員揃って学園に向かった。校門が見えてくると、とてつもない人がごったがえしていた。
行動が早い記者が詰め寄ってきていたみたいだ。
「うわー、めちゃくちゃ人がいる。見てるだけで嫌になる」
「そんな嫌になるところに今から向かうんだからね?」
そんな会話をしながらアルフェーナ達は歩いていく。
これからどんな出会いが待ち受け、どんな戦いが待っているにしてもその歩みは止まらず、進んでいく。
そしてその顔はいつも素敵な笑みを浮かべつづけている。
これで一旦アルフェーナ達の物語を終わらせます。
ですがまた書こうと思っているので、これからのアルフェーナ達の物語をよろしくお願いします。
ではまたいつか会いましょう。
ではでは~




