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#1 — 死神学院の落ちこぼれ

――死神学院。男子限定の魔術機関である。


バチィィィッ!

遠くで荒々しく雷が鳴り響く。

それに続いて、鼓膜を劈くような爆発音が、またしても訓練場のひとつから轟いた。


そして、いつものように……


「リュウ・セイロウゥゥッ!!」


漆黒の煙が空高く舞い上がる。魔術陣の中心から一人の少年が吹き飛ばされ、土煙を上げながら無様に地面を転がった。


「ゲホッ、ゴホッ! よし……今のは惜しかったな」


悪びれる様子など微塵も見せず、リュウ・セイロウは高く親指を立てた。


一瞬の静寂。


何十もの視線が彼に突き刺さる。それは呆れと、軽蔑と、嘲笑が見事に混ざり合った視線だった。


そして……


「何が惜しかっただ、馬鹿野郎!」


「お前の基礎魔術はいつも最悪だ。何でもかんでも爆発させやがって」


「学院に入って三年も経つのに、まだそんなザマかよ!」


ドッと爆笑が沸き起こり、嘲りの声が訓練場の隅々にまで響き渡った。


教師は疲労で青ざめた顔のまま、ただ眉間を揉みほぐすことしかできなかった。

「リュウ……火属性の基礎呪文は、レベル1の魔力安定しか必要としないはずだ。どうやったら魔術陣全体を爆発させられるんだ?」


リュウは引きつった笑いを浮かべた。

「……風向きが急に変わったもんで、先生」


「火の呪文だろうが、ド阿呆!」と、別の生徒が野次を飛ばす。


生徒たちの笑い声はさらに大きくなった。

リュウはただ小さく笑いながら後頭部を掻き、四方八方から突き刺さる見下すような視線を無視した。


こういう扱いには、もう慣れっこだった。


リュウ・セイロウは死神学院の失敗作(落ちこぼれ)だ。何の才能も持たない愚鈍な生徒。

魔力制御は皆無。

永遠の最下位。

筆記の理論成績が常に満点近くでなければ、とうの昔に学院から叩き出されていただろう。


「もういい。今日の授業はここまでだ。全員解散」と、教師は深い溜め息をつきながら言った。


生徒たちは一人、また一人と訓練場を後にし、幾人かはまだヒソヒソとリュウを嘲笑っていた。すれ違いざまにわざと乱暴に肩をぶつけていく者もいる。

リュウはそれらを気にも留めなかった。両手をズボンのポケットに突っ込み、どんな侮辱の言葉も耳に入っていないかのように悠然と歩き出す。


ここでゴミのように扱われることなど、とうに麻痺していた。


ドンッ。

誰かがかなり強く彼の肩にぶつかり、リュウは少しよろめいた。


白い髪に、鋭い眼光。エリートクラスの生徒だけが身に纏うことを許された漆黒の制服。


その名は、カズマ・レン。死神学院の首席生徒である。


「相変わらずだな、この愚図が」


リュウはただ微笑んだ。「ああ……そのうち変わるさ」


カズマは忌々しげに舌打ちをした。「学院の評議会が、なぜお前のような奴を未だに置いておくのか、全く理解できん」


リュウは軽く肩をすくめた。「俺がそこそこイケメンだからじゃないか?」


カズマはそれ以上返答することなく歩み去っていった。


リュウは再び小さく笑った。しかし、カズマの足音が遠ざかるにつれて、少年の唇からゆっくりと笑みが消えていった。正直なところ……彼自身も、なぜ自分がまだここに居られるのか分からなかったからだ。


幼い頃から、魔術は彼にとって常に難解なものだった。まるで彼の中の「何か」が、正常な魔術の法則を激しく拒絶しているかのように。リュウは、自分の中に異常なものが存在していると感じていた。血脈を流れる力が弱すぎることもあれば、しかし時には――

強大すぎることもある。


それが起こる度……必ず不吉な何かが引き起こされた。


リュウは静かに息を吐き、寮へ向かって歩き出そうとした。しかし、数歩踏み出したところで……


「長老評議会から呼び出しだ」


リュウは立ち止まった。


漆黒のローブを纏った男が、すでに彼の背後に立っていた。死体のように無表情で、冷酷な視線を向けている。

リュウの鼓動が早鐘を打った。


「……評議会が?」


「ああ。今すぐだ」


リュウは尋常ではない気配を感じた。彼のような一介の生徒が、長老評議会に直接呼び出されることなど、ほぼあり得ないからだ。


数分後、リュウは黒曜石で作られた巨大な両開きの扉の前に立っていた。その表面には、死を象徴する複雑な紋様がびっしりと刻み込まれている。

両手が冷たくなった。リュウは嫌な予感を覚えていた。


ギギギィィィッ!

扉がゆっくりと開いていく。


陽の光が一切届かない広大な空間が目の前に広がっていた。幾人かのローブ姿の者たちが、高い椅子に円を描くように座っている。彼らから放たれるオーラはあまりにも濃厚で、室内の空気が息苦しいほどに張り詰めていた。


リュウはそこに立ち尽くした。


「……リュウ・セイロウ。近う寄れ」老人の嗄れた声が響き渡り、静寂を打ち破った。

「明日より、貴様を死神学院から追放し、転入させる」


リュウは目を丸くした。「は? 転入?」


「そうだ。貴様には黄泉ノ魔法女学院にて教育を受けさせる」


部屋の温度が急激に下がったかのように感じた。魔術界の政治情勢など気にも留めないリュウでさえ、その名を知っていたからだ。


通称、《冥府アカデミー》。


女子限定の魔術機関。

エリートの死の魔術師や処刑人たちを育成する、地下の軍事施設。


「……待ってくれ。あそこは女子校だろ? なぜ……」


「決定は絶対である」長老が言葉を遮った。


「なんで俺が!?」


評議会の誰一人として答えようとはしなかった。彼らはただ、少年を鋭い視線で……異質なものを見るような目で見つめていた。いつでも爆発し得る時限爆弾を見つめるかのように、リュウを睨んでいた。


中央に座る長老の一人が、ついに口を開いた。非常に静かな、しかしはっきりと通る声だった。


「貴様はあそこで特別な訓練を受け、さらに成長するのだ。いずれこの死神学院に戻る前にな」老人の声は断固としていた。


リュウは深々と溜め息をついた。長老評議会の決定は絶対であり、今の彼にそれを避けるすべはなかった。

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