表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/176

瑠璃、と、サーラ。

 ……元々この体はわたくしのものであったはずなのに。


 ……転生の魔法でこの時代に生まれ変わるはずだったのです。


 ……でも。気がついたら貴女がわたくしより先にこの体に転生していて……。


 あうあう。カッサンドラさまの声がする……。


 ……ああ、やっとわたくしの声が貴女に届いたのですね……。


 ああ、そうみたい。っていうかなに?

 転生のバッティング?

 そんなことあるの?


 ……何度も貴女に声をかけてたのですけど、今まで気がついて貰えなくて……。


 ああ、なんだかかわいそうになってきた。。


 ……せめて、と、予感のイメージを送ったりしていたのですけど……。


 え? もしかして今までの悪い予感って、あなただったの?


 ……そうです! この身体が傷つくのは回避しなければ、と、必死でしたよ。


 そうだったんだ。ごめんなさい。と、ありがとうございますカッサンドラさま。


 でも、なんで急に声が聞こえるようになったんだろう?


 ……祭壇の聖杯のおかげでしょうか。あれにはわたくしが生前に力を込めておきましたから。代々の預言者への指針も残しておきましたし。


 ……貴女とわたくしが繋がるキッカケになったんだと思いますよ。


 そっか。


 に、しても。カッサンドラさまはこの身体を操ったりは出来ないの?


 ……今までは……、出来ませんでしたね。この先は、もしかしたら出来るようになるかもしれません。貴女がわたくしのチカラを受け入れてくれれば、可能かもしれません。


 なら……。試してみます?


 わたしはさっきの聖杯の光の真っ白なイメージを思い出す。

 こころの中の深いところ、そこにあの白いイメージがあるような、そんな気がして。


 自分の中に潜る。


 ああ、ここに来るのは何度目だろう?

 わからないけどきっと何度か来たことあるはず。なんだか懐かしい。


 わたしは自分の中の、インナースペース? 昔お話でよく読んだそんな言葉が出てきて、そこにたどり着いたのだろう。

 そこは真っ白な空間。何も無いようにもみえるけど、何かがある気配がする。


 意識を集中していくと、そこに、サーラの姿が現れた。


 貴女が……カッサンドラさま?


 その少女は微笑み頷いた。

 彼女がサーラ? だとしたら、わたしは?


 わたしの意識は……、記憶の中にある見覚えのある手、足。顔にかかる髪。

 やっぱりわたしは瑠璃の姿なのか。




 ひょっとして、わたしの方が、邪魔者、なのか……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ