サーラ、と、カッサンドラ。
目が開くとそこには心配そうに覗き込むリウィア様の姿があった。
「わたくし……」
どうしてしまったのでしょう? と、言いかけ。つぐむ。
何か大切な事を思い出したような気がするのに。
「カッサンドラ様にお会いする事が出来ましたか?」
そう、優しく微笑むリウィアさま。
「いえ……、わかりません……」
白い光に包まれた様な気がするけど、その後の記憶が曖昧だ。まるで夢から目覚めついさっきまで覚えていた夢が思い出せないような、そんな歯がゆさ。
「まだ早かった、の、かしらね。今はその時、では、無かったと言う事かしら。いーい? サーラ。もし貴女が自身の預言者としてのチカラに目覚めたと自覚したなら、ここに来なさい。そしてこの聖杯に手を添え祈るのです。きっとカッサンドラ様の加護が貴女にも芽生えるでしょう」
真剣な瞳でそういうリウィア様に、わたしは頷くしか出来なかった。
聖堂の扉の前にいつのまにか控えていたアスターニャに手を引かれ、わたしは寝室に戻った。
なんだか頭がぼおっとする。
思い出せない夢、が、頭の中でぐるぐるしてる、そんな感じ。
に、しても。
カッサンドラ様の加護、か。
あれははカッサンドラ様に会える儀式だった、の?
わたしはまだチカラに目覚めていないから、ダメだったの?
なんか釈然としない。
……だって、わたくしがカッサンドラなのですもの。
……この世界を救う為、この時間軸に転生したのだから。
心の中で、そんな声がする。
はい?
どういう、事?




