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創世の魔法。
真っ白な空間。
ただただ漂って。
生まれ変わる前ここに居た事を今更ながら思い出す。
なんだかサーラとして生きてきた時間の中で、だんだん瑠璃だった事忘れかけて、このあいだの夢で思い出したんだっけ。そんな事も考える。
ここは……。何処?
デートリンネ。あなた、人間一人に干渉しすぎじゃない?
そうそう。あんまり干渉しすぎても良くないよ。
しょうがないじゃない。これが彼の方の希望なのですもの。
世界なんてほかっておいても勝手に増えるじゃない。
消えても消えても増える泡の様なものなのに。
ほら、このあいだなんか人の悪意が集まって世界一つ消したでしょう、人なんてそんなものなのに。
だから、観ているだけでは我慢できなくなったんでしょうね。
ご自分で創世の魔法に干渉したいそうなのですよ。
彼の方の考えることはわかりませんね。
わたくしたちとは違いますから。
そんな会話が何処からか聞こえる。
これは……、夢?
ううん。
ここは……。
この世界は……。