エウノンダイカイガナ
エウノンダイカイガナ
私は長い階段を上ってただひたすらに上を目指した。
死神というのはその異能力や仕事の量、才能などでコードが決まる。
異能力や才能などは私達がどうこうできる問題ではない。
その為、高位の死神になるには「漂うもの」を大量に狩る事が唯一の昇格方法。
こうやって私の他にも階段を上り続けている死神はいる。
一歩を踏み出す為には「漂うもの」の魂を差し出せなんて神様が言っているからこれはもう大変だ。
「もはや争奪戦だからね」
金持ちの女は私の後ろから言う。
そう、この女は私よりも下位の死神。
私はこの前の総選挙のようなイベント【シニガミコード】の勝者だ。
コード16からコード05に跳ね上がった異才の持ち主。
異形の姿になった事で異才だと誉め称えられたのだ。
この地位についた時に私は深々と神様に向かって頭を下げた。
純白のドレスの裾を持ち上げて、深々と頭を下げる半分化物の女。
それを見た下位の死神達は、何を思ったのか私を狩ろうとした。
こんな場所で、こんな姿の私を、何の為に狩ろうとしているのか。
「それはアンタが美しいから、でしょ?」
蝶をチラつかせた金持ちが言う。
私はドレスの裾を持ち上げて階段を下った。
確かに私はこんな力で高位の死神を目指したわけじゃない。
王子様に追われるならまだしも、なぜこんなに鋭利な武器を持った死神に追われなくてはいけないのだ。
そんなにこの異形の姿で高位についた事が嫌か。
ガラスの靴を脱ぐ事も忘れて私は階段を降りきった。
そしてそのままの城前広場を抜けて森の中に姿を隠す。
こんな長いドレスじゃこの森の中では進めない。
「お姫様なんかじゃ……なくて良いから」
私は勢いよくドレスを裂いた。
暗い森を駆け抜けて、いつの間にかガラスの靴も脱げていた。
カボチャの馬車なんて気の利いたものはいらない。
私は今すぐにここから逃げ出したい。
逃げ出さないと、狩られてしまう。
そんな時に私を匿う様に蒼いのが待ち構えていた。
こっそりと部屋に連れて行き、私という死神の消息を絶った。
まるで魔法のように。




