二話 行き倒れは強い
スライム娘って良いなー、なんて前々から思っていました。そこで今の私なら書くことが出来る!そんな勢いで書きました。ただ意味もなく出すのは駄目なので、そこはしっかりとしていきたいと思います。
神竜都市目指して歩いていたのだが、行き倒れを見つけた。びっくりなのはそいつが人間の行き倒れじゃなくてスライムの行き倒れなんだ。て言うかスライムが行き倒れるってどういう事なんだろう…訳がわからない。
「主様、どうするんですか?敵ではないようですけど」
「まぁ確かに敵じゃないだろうな。こいつ」
「ぅぅぅ、ぉ…おたす……け……」
「はぁ……助けよう」
少しの間考えて大きなため息を吐いてしまった。まぁ見つけたからには助けないとな。少し怪しくは思っているが。それに九九が敵じゃないって言ってるしね。
「おい大丈夫か?」
「ぁぅぅ…みず…を……」
「水か。九九、頼んだ」
「はい『水よ』」
「サンキュ。ほれ水だ」
「んぐ…んぐ……ぷはぁ!」
九九に、魔法で出来たコップに水を入れてもらい、それを行き倒れに渡すと勢いよくがぶ飲みした。それを見て自分達もまだ、朝ごはんを食べていない事に気がついたが我慢する。
それからこの世界、やはり魔法はあるみたいだ。それと神力も一応あるにはある。が、妖気はないようだ。さっきゴブリンを倒したときに妖術を九九が使っていたが、あれから使用した妖気が中々回復しなかったらしい。
後はステータスとかあるのかな?と思って念じてみたらちゃんとあった。表示されてたのは技能とか称号とかだ。色々とあったが、目立ってたのを言うことにする。
九九の称号は九つの炎と言うがあった。多分九尾だからだろう。技能は火属性EXと言う物だ。
俺の称号は神様のお気に入りで、技能が遠近対応だった。遠近対応は銃と刀だから一応分かるけど、神様のお気に入りって何だ?九九の事かと思ったが違う気がする。そういえば、瀕死狂気というものがあった。これも何なんだろうな?
「ありがとうございます!助かりました!」
「いや、元気になったみたいで良かったよ」
「あっと、あの…なんで魔物の私を助けたんですか?人間じゃないのに…」
「そんなの関係ないですよ。困っていたら助ける。それだけですから」
ふと、その言葉に九九と初めてあった時の事を思い出していた。鬼と戦う事になって、一気に日常から非日常の世界になったんだよな。
『何で、化け物の私を助けたんですか?』
『助けるのに一々理由なんて考えてない。それにほっとけなかったし、放っておくわけにもいかなかったしな』
『そう...ですよね』
『......ハァ...。お前に怪我させたやつは誰だ?俺達も手伝ってやる』
『え...?何を言ってるんですか!死ぬかもしれないんですよ!?何でそこまで私に...!』
『さっきも言っただろう?理由なんて無いんだよ。ただ助けたいたから。多分、それだけだ』
多分九九も同じ事を思い出していると思う。あれからまだそんなに時間は経ってないと思うが、随分と昔の話のような気がしてくるな。まぁそれは置いといて、とにかく今はこの行き倒れについて聞くべきだろう。
「取り敢えず自己紹介だ。俺の名前は琥珀。そんでその狐耳が…」
「九九と言います。あなたの名前を聞いても?」
「はい、ソフィアっていいます。」
簡単な自己紹介をした俺達だがソフィアは正確にはスライムではなくてスライム娘、というか魔物娘らしい。これで何と無く察しがついたが、聞いてみたところ魔物娘は他の魔物と違って姿が人に近く、そして強い。だが数が少ないらしい。
それともう一つ。一番気になる事で何で倒れてたのかを聞くと、ここ暫く飲まず食わずだったらしく魔物娘の体も限界が来て行き倒れてしまったそうだ。ついでにステータスについて聞いてみると、誰でも確認できるらしい。というか生まれた時とその後で、計2回ステータスを確認するとか。ソフィアのステータスについて聞いてみたら、水属性がEXだった。凄く強いじゃないですか...。
「あ、そうだ!街に向かってるんですよね?私もついて行っていいでしょうか?」
「それはこっちも助かるけど、いいのか?」
「はい。私何となく旅してるだけなので」
「何となく…まぁ別にいいけど。それなら宜しくな」
「はい!宜しくです!」
テッテレー魔物娘が仲間になった!パーティーにソフィアが加わった!神龍都市ベノムギアを目指そう!って感じだろうか?きっと帰る方法は直ぐに見つからないだろうけど、今が楽しいならすこしはいいかなとか思い始めてる。仲間もできた事だし早速異世界を堪能してるんじゃないかな?
③九尾と鬼の激突③
沢山の小鬼が悪さをしていて神社の神様や巫女が困っているということを聞いた。四人は親玉が襲ってきたあの鬼だと仮定して小鬼倒しつつもっと詳しい情報を手に入れることにした。