九話 女神降臨、勇者困惑。
投稿予定日から大分遅れてすみません!言い訳しますとパーティにやっと男が入るぞ!と気合を入れていたらフィオナをパーティに入れ忘れてしまって…(・・;)
あげくフィオナ入れ忘れ直してたら内容がかなり大きくなりまして……ゴメンナサイ。
前回、地球の時間が止まったという『お前は何を言ってるんだ』となるような話を聞いてから、俺たちは今ケンタウロスやゴーレムと戦った場所で馬車を一時停止させている。
ウェルテクスの魔物の大量発生だが、結局神竜都市ベノムギアからの援軍は来なかった。理由は俺達の目の前にある。援軍が全員ゾンビ化してたんだ。
「ふー…疲れたな」
「主様、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、サンキュな。フィオナ!そっちはどうだ?」
「コノアさん、オドリックさん、大丈夫ですか?」
「少し、疲れたけど…ふぅ…大丈夫だよ」
「問題ないです。これぐらいなら余裕ですね」
「こっちは大丈夫そうです!」
ここらで俺のパーティを紹介しようか。今のメンバーは、俺と九九。勇者パーティのフィオナ。それからコノアちゃんとオドリックという男の冒険者だ。女だらけのパーティだったがやっと男が入った。ギルド長には感謝だな。
白狼とソフィアがパーティを抜けたのが昨日の事だ。2人がいないのは少し不安だし寂しい気もする。とにかくゾンビ化した兵士達を撃破してそのまま神竜都市まで馬車を進める。着くまでにコノアとオドリックのパーティ入りの経緯をいっておこう。
これより先は長い話になる。と言っておいた方が良いかな。
まずはコノアちゃんだが、
『あの!い、一緒について行っちゃ…駄目、ですか?』
最初にこう言われたんだ。仲間が増えるのは正直いうと嬉しいがコノアは魔法学園の生徒だし無理だって事をそれとなく伝えようとしたら、校長先生のエリスさんが頭を下げてお願いしてきたので慌てて了解した。
その後はエリスさんと2人きりになってお話を詳しく聞いた。何でも俺たちが叡智の龍と戦った森で強力な魔物が現れたのでコノアの両親や他の冒険者達が一時的に大きなパーティを作って討伐しに行った。因みにコノアの両親は冒険者の中でもかなり強い人らしい。
討伐の結果、パーティの半分は死んだ。いや、半分で済んだこと事態が幸運だそうだ。討伐目標の魔物はというと既に逃げてしまった。その日からコノアは両親の友人であるエリスに引き取られて育ってきた。
『冒険者になりたい。仇を討ちたい!』
ある時そう言ったそうだ。そこから特訓やらして強くなっていった。コノアの使う探知魔法はあまり使える人がいないレアな魔法だったり、攻撃的な魔法が得意だったりする。以前言ったように回復系も使える。とにかくそんな話を聞いて俺は改めてエリスのお願いを、コノアを連れてくことにした。
『え…!?…あ、ありがとう…!!』
それを伝えた時のあの笑顔はかなり明るくて、見てるこっちも元気になるような…そんな最高の笑顔だった。
それからオドリックだが、こちらはそこまで長くなるような話でもない。ギルドで休んでいるフィオナを九九と一緒に呼びに行った時に、一緒について来ていたコノアちゃんがパーティは作らないんですか?と言ったのだ。フィオナを回収しつつギルド長のアジラスにパーティの事を話したら福ギルド長のアルバーノと何やら相談をし始めてギルドにいる双剣使いのオドリックを紹介されたわけだ。
『ギルド長さん達の言葉は信じないほうがいいですよ。私弱いですから』
そう言ったオドリックはめんどくさい事に巻き込まれたと言うような顔をしていたな…。因みにオドリックとフィオナは知り合いだったらしく、フィオナを見てまた一層面倒くさそうな顔をしていた。
にしても、だ。白狼とソフィアが知ったらなんて言うだろうか。なんせ二人がパーティを抜けて直ぐに新しい仲間が追加された訳だし。それはそうと神竜都市が見えてきた。
「瀕死狂気かぁ…今更だけどやっぱりそんな事態にはなりたくないね」
「そういえば瀕死狂気についてですが、主様。夢の話の時に聞こえた声は、もしかすると憑依の影響かなと。それからその時に発動した気がするというのは恐らくは本当に発動したのでは?」
「おお、色々と考えてくれてたのか。ありがとな」
それで夢の時の話というと
『お前の力、私が全て貰うとしよう』
『痛っ!!?がはっ…!な、にが…!?』
『私にもダメージあるんだからやめてよね』
この三つ辺りだろうか。憑依の影響ではないかと言う九九の指摘だが、少し思い出した事がある。あの時の声は聞き覚えがあるんだ。というのも以前ある女性と憑依した事があるんだが、その時にトラブルが起きたんだ。具体的に言うと……入れ替わり、とか?
それと瀕死狂気が本当に発動したのでは?という事はあれだけのダメージを受けないと発動しないという事なのか?かなりハードだな…!
「琥珀様ですね、お帰りなさい。早速ですが王様がお呼びしています。案内させていただきますね」
「え?いやいや、ちょっと待って。どこに案内するって?」
「城近くにある大きな教会は分かりますか?」
俺たちを待っていたらしい兵士に言われて見てみると確かに他の建物より大きな教会が見えた。ただ教会にいって何をするんだろう?まさか女神様でも居るのだろうか。
「実は少し前に女神様が降臨しまして」
「え、……は?」
「女神、様…!?」
「神様ですか」
「勇者様…」
「これから先こういう事が起きるという事か…」
上から順に、俺、コノア、九九、フィオナ、オドリック。オドリックが何か言っていた気がするがとにかく皆驚いているのは同じだ。
「私はここまでです。では」
「そうですか…じゃあ、入るか」
扉を開けると中に王様がいた。誰かと話をしているようだ。
少し遅れて入って来たフィオナが声を上げた。
「カイン!エマ!」
「「フィオナ!?」」
最初はビックリしていたがだんだん安心したような顔になってフィオナとエマと呼ばれた娘は抱きついて泣いていた。するともう一人のカインと呼ばれた男性と王様が近づいてきた。
「コハクさん、で宜しいですか?私はカインと言います。勇者のパーティの一人ですね」
「それで良いよ。で、俺の事は…知ってるみたいだね」
「はい。フィオナを助けてくださり、本当にありがとうございます」
「うむ。それでじゃな、女神様が降臨したという事で二人には転移してきもらったのだ」
「転移魔法ですか…どこから転移して来たんですか?」
「帝国の近くにあるレクティスと言うところからですね。と言っても分かりますか?」
「いや、全然。それで……ん?」
何か呼ばれたような気がした。するとちょうどフィオナとエマも落ち着いたということで王様が女神様が降臨する部屋へと案内してくれる。人数が多いんじゃないかとも思ったが問題ないそうだ。因みに王様は入らないそうだ。
「では儂はここで待っていよう。行ってきなさい」
すると何故かみんなして俺を見てくる。
いや、分かってるよ。
俺が開けろってことだろ。
「うし。じゃあ開けるぞ!」
扉を開けようと取手に手を掛けたら急に身体中にある魔力や神力が根こそぎ持って行かれた。危うく意識も持ってかれるところだったが何とか耐えた。そうして扉を開けると、大きな池のようなものがありその丁度真ん中に、これまた大きな岩があった。水はキラキラと光っていて綺麗で水底も見える。思わず見とれていると岩の方から声が聞こえてきた。
『気をつけてね?底が見えても実際はかなり深いからね〜』
「大丈夫だ、そんな気はしてた。それであんたが女神様?」
『うん?あぁ、そうだね。それから結構待たせちゃってごめんね〜?色々と大変な事に巻き込んじゃって』
何だろう。思ってたのとかなり違う。こう、かなり緩い感じですね。
「待たせるとは何でしょうか?女神様」
『カイン君か。それはそのまんまの意味だよ。琥珀君には色々とね』
「ん?てことは帰れるんですか?」
『それが出来たら良かったんだけどね。九九ちゃん!何か連絡…とか来てないかな?』
「え?確認してみますので少々お待ちを」
九九が確認している間に改めて部屋を見てみる。池に気を取られていたから気がつかなかったが魔法陣が描かれていたり、色んな言葉が描かれた本なんかがあった。それからこれは…何だろう?魔力とか妖力、神力とはまた違った力があるように感じる。
『ん?気がついたみたいだねコハク君。それは精霊だよ。しかも上位の!』
「精霊ですか…」
「ハクちゃん。精霊って言うのは魔力と神力の間にあるものなんだよ」
「えっと、エマ…さん?」
「うん!エマって呼んでね!私はハクちゃんって呼ぶから!」
「ご主人様。殺音さんから一つだけ、ありました」
ご主人様。そう呼ぶ時はふざけている時と真面目な時。
九九が手を前に出し神力を貯め、空中に映像を出した。
そこに映ったのは神社と殺音だ。映像が送られてきたみたいだ。
『今の所は日本だけで"魔物"と戦闘が起きている。ある時突然空間に穴が空き、恐らくは二人がいる世界の魔物が現れた。時は止まったままなので大丈夫だが、例外はある。これはそちらの世界でなければ解決できない。ごめん。出来れば急いで…、』
と言ったところで殺音を見てみると所々血が出ていた。途中声が切れたと思ったら画面に楓と一月が現れた。
『こっちは俺たちに任せろよ!』
『だから急いでね!?琥珀!』
そこで映像が終った。
「殺音…。それに楓と一月……」
『うん、そうだね…原因は分かってる。私達が召喚した勇者は琥珀君と同じ地球の、それも日本の子なんだ。魔王が勇者君を封印した後に地球を攻めようとしてるんだね』
女神様も自分が思っていたより事態が最悪なことになっている事を知ってかなり顔が暗くなっている。俺たちの目的は一刻も早く勇者を救うこと。早くしないとって気持ちがばれたのか、オドリックに怒られた
「琥珀さん。私たちは弱いです。早く何とかしなくちゃと思うのは分かりますが今はゆっくりと、ですよ」
「…そうだな……」
「主様……」
「ハクちゃん。勇者と魔王の場所は私たちに任せて!」
「ですね。フィオナも帰ってきてくれたことですしこれであと一歩のはずです」
「琥珀。本当に、ありがとう!」
ここで一度勇者パーティの三人は女神に礼をした後、部屋を出て行った。
オドリックに言われたばかりだがやはり早くしないとって気持ちは収まらないな。
でもどういう事なんだ?俺たちが戦った魔物はほぼ弱かったはず。
まさか…叡智の龍やあのケンタウロスよりも強い魔物が地球に送られているのか?
『琥珀。一度宿に戻って休むといいよ。私もしばらくはここにいることにするからね』
「そうですか?それじゃあ、また」
以前ソフィアがとってくれた竜宿コトナシに入ると手を回してくれたのかすんなりと部屋に入れた。まぁ疲れてたんだろうな。慣れない馬車や巨大な龍との戦闘。それに、さっき見たあいつらが戦っている事。一度に来たせいかすぐに寝てしまった。
ーーーーー
「それでは女神様。お話はまた次の機会に。私は主様を追いかけます。きっと疲れているでしょうから……」
『そうだねぇ…これは私のせいでもあるね。琥珀君にはよろしくしておいて。じゃあまたね?』
九九さんが部屋から出て行って残ったのは俺とコノアさんですね。
私も気になる事はありますがコノアさんを先にしてあげますか。
そういう風に何とかアイコンタクトを送ります。
……うん。どうやら通じたようですね。
「あの、私は、何なのか…教えてください……!」
『本当に知りたい?』
「え…?それは、どういうーー」
『探知系の魔法だね。それを使える人は少ない。ただ特訓しただけで使えるような魔法でもない。コノアちゃんは頭が良いよ。だから、気づいてるんでしょう?』
「……探知系の魔法は……神様から与えられる、特殊な…魔法。ただ、植物系の魔物は…使える」
ここまで言われれば分かるものですね。コノアさんは両親とは別に植物系の魔物の血を引いている。恐らくはアルラウネの血ですかね。他の植物系の魔物となると姿が一部人では無くなってしまいますから。ただこれはコノアさんも気づいてる事。となるとどうしてこうなったのか、ですかね。
『コノアちゃんのお母さんが冒険者になったばかりの事だよ。アルラウネと戦ったんだ。結果は引き分け。ううんお母さんの方が勝ってたね。負けそうになったアルラウネは気づかれないようにお母さんに種を仕込んだんだね』
「そう、だったんですか…教えてくれてありがとうございます。失礼しました」
そう言って部屋を出た時のコノアさんの顔は大分明るくなっていました。モヤモヤが取れたのでしょう。……さて、残るは私ですね。
「瀕死狂気について、です。どういうものなんですか?」
『……え?何、もしかして知らないの?』
「?はい。王様も知らないようです」
『そっか。効果はね、瀕死になると全能力が倍になって強くなる。と、そのまんまだよ』
「そう、なんですか…はぁ」
『地球では逆転するっていうパターンが多いからいいかなぁ〜?って思ったんだよね…』
「ははぁ?なるほどぉ?」
『な!?聞こえてたの!?てか忘れろ!』
「ははは!では失礼します!」
『こらー!!』
かなり長くなった気がしますね…疲れました(ーー;)
もう少し遅めで言おうかな?と思ってた事もありましたがそんなんでは一向に終わらない気がしまして。少し早めの展開でいけたらいいなと思います。
ただでさえ更新速度遅いのに中身も遅いと色々と大変ですからね!自業自得なんですけど!




