prologue
初めまして、蠍座ノ白鴉と言います。
色々な小説を読んで、自分も書いてみたいと思いました。
書き手としてはまだまだですが、これから宜しくお願いします。
「おい、早くしないと油揚げなくなるぞ」
「え゛ちょっと待ってください!」
「はいはい…早くしろよ〜」
俺の名前は神城琥珀。少なくとも普通の高校生じゃない。
理由は妖怪と一緒にいるとか、妖術なんてモノを使えるから。
一緒にいる妖怪って言うのが狐の妖怪なんだが、ただの狐じゃない。九尾の狐だ。
「主様!」
今のが九尾の狐、名前を九九と言う。
以前地元の神社で狐が怪我してたので助けたら、実は九尾だったって事だ。
九尾の狐といえば妖怪とか霊獣とか色々とあるが九九は妖怪ではなく神様に進化している。
その理由は、九九に怪我をさせた妖怪というのが鬼なんだが、こいつが悪い鬼でしかも強いから、神社の神様が困っていた。そんな鬼を九九と俺で倒した事により神様になった訳だ。
「主様、油揚げ以外に何買うんですか?」
「必要な物は揃ってるからアイスとかお菓子とか買うつもり」
「やった!荷物持ち手伝いますよ!」
元々九九はいろんな所にある神社やら寺などを訪れていた事もあったからそれも神様になった理由かもしれないな。
因みに俺は無病息災とかだ。他には全体的に身体能力が、その中でも反射神経が特に上がったりしている。神術は少しだけ神様に教えてもらった。妖術の方は九九に教えてもらったんだよな。
「今日いつもの神社で神様の祭りがあるみたいですよ」
「ん?不定期で開催してるやつか。行きたくない、というか面倒くさい」
「文句ばかり言わないで少しぐらい外に出ましょうよ!夜風好きなんでしょう?」
「朝風も好きだけどな。さぁ油揚げ買いに行こうか」
「スルーですか…」
まぁ祭りは好きだし、行くけどな。
面倒だと思ってるのは本当だけど。
さて、家からスーパーまでは数分で着く場所にある、のだが面倒い奴にあった。
面倒い奴。俺の幼馴染で親友の水無瀬一月と月影楓だ。
鬼退治の時に色々と世話になった、と言うより一緒に戦ったんだ。
肝心の鬼を倒した時は俺と九九の二人だけだったんだよな。
「一月に楓!やっほー!」
「やっほ!相変わらず仲良いね、2人とも」
「全くだよ。なんだ、今から買い物か?」
「おうよ。油揚げのついでにアイスやら買おうかな?ってな」
「「ついてく!」」
「はぁ?」
お金は多めに持ってきたから問題ないけど…なんなんだこいつら。
まぁ九九が嬉しそうにしてるし別に良いか。
九九の挨拶に返事したのが楓だ。黒髪のポニーテールで目の色が緑っぽいのが特徴的。そしてかなりの美人である。まぁ個人的には髪を下ろした方が好きだ。にしても初めてあった時はこう純情可憐っていうかんじだったのにねぇ。今ではただの…阿保?
「へぇ…後で覚悟してよ?琥珀」
……。そ、そうそう!密かに男子内で行われている『1番可愛い女の子は誰だ!』では3位と大人気。勿論俺と一月も楓に投票した。
それからもう1人が一月。髪は少し茶髪でよくモテる。どれくらいかというとバレンタインに7,8個貰うぐらい。多い時は12個ぐらいは貰っていた。爆ぜろ。
それ以外だとそうだな…何でもできるって事かな。実際できない事もあるにはあるんだがそんなの滅多にない。
「何度か『なんでうちの高校にこんな天才いるんだよ?』って言われた事があるんだよなー」
なので一月にできないならみんな出来ないな、みたいな感じになっている。
というか当たり前だ。逆に何でそんな不思議そうな顔してるんだ。
「はい、私はプリンね」
「へいへい。一月は?」
「雪見だいふくだな」
「なら早く持ってこいよ」
こんな感じで少しお茶やパンなんかも買った後、2人とは別れて俺たちは家に帰ることにした。気づけば空も赤く染まっていた。流石に夜風が気持ちいいとか言って調子こいてると、風邪引くんで上着を用意しとこうと思った。
俺は黒髪で天パだ。と言うのも切っても直ぐ伸びてきて切りに行くのがな…そのせいで朝起きると大体髪の毛が爆発してる。後は九九の影響で意識すれば目の色を黒から赤に出来る。他には中学の時は剣道をやってて、偶にサバゲーとかで遊ぶ事もあった。
「そういえば気づいた時には片手に剣、もう片手に銃を持って戦うなんて事が出来るようになってたっけ」
持つのは簡単でもこの状態で戦うなんて難しいんじゃないかな?得意な事はこれで決定だな。
「俺は、たけのこ貰おうかな」
「あ、私はきのこでお願いします」
「「………」」
九九は人になったり狐になったりと姿を変えられるんだが共通で目の色が赤色だ。人型の時の髪の色は黄色、茶色、白色と3色あるんだがその時の気分によって変えている。まぁ大体黄色だな。後は火全般が最強とか、口調がのじゃロリではないとかそこらへんかな。
「主様は時々おかしな事を言う、のじゃ。……///」
可愛い。
買い物を終わらせて二人と別れてすぐに家に帰る。とまぁ危うくきのこvsたけのこが始まりそうだったがとりあえず食べて、一服したら神社に行く事にする。屋台とかは普通だけどたまに一昔の前の屋台があったりして中々に楽しめる。因みに俺たちは祭りに行ったら必ず買うものがある。それはお面なのだが九九は狐の面で俺が鬼の面を買う。最初は何となくだったのだが今では絶対に買うようにしている。おかげで家にはお面がたくさんある。その内ちゃんとした狐の面や鬼の面なんかも欲しいかな。
「それじゃ行こうか、九九」
「はい、主様!」
神社にはスーパーとは逆方向でこれまた数分で着く距離だ。
神様の祭りの日には神社に人避けの神術がかけられるらしい。
これによって人がここに近づく事はないし結界内で暴れても外にはバレない。
今日の祭りには普通に妖怪達も混ざっているみたいだ。
「楽しいか?九九」
「はい!楽しいですよ、主様!」
「そうか。所で、祭りの良いところは食べ物が美味しい所だと思うんだよ。ほれ、焼きそば食うか?」
「え?って、いつの間に焼きそばなんか買ったんですか…」
「お前に感想聞いた時だ。ほら、殺音んとこ行くぞ?」
「あ、待ってください!今行きます…から?」
「んあ?どうした?」
「いえ、気のせいだと思います。行きましょう?」
「ん、おう」
殺音とは簡単に言うと鬼娘だ。俺たちが倒した鬼について色々と教えてくれた。あの鬼は同族からも嫌われていたみたいだ。
見た目は和服で黒髪、髪の長さは肩までかそれ以上かの2通り。それから使う武器は日本刀なのだが本人曰くあの有名な村正だと言う。正宗は一度だけ見たことがあるとか。どこで手に入れたのかとか、どこで見た事があるんだと聞いても毎回話を逸らされる。
殺音はよく神社のすぐ近くにある池にいる。
地元ではパワースポットとして知られている場所だ。
「琥珀?それに…九九か」
「殺音さん、お久しぶりです」
「元気そうだな、殺音」
「あなた達もね。えっと、それでどうしたの?」
「今祭りしてるだろ?どうせなら3人で花火でも見ようかなってな」
祭りといえば花火。という訳ではないがこの神様の祭りには花火がある。
ここにいる奴らはみんな妖怪か神様なので木に登ったりして花火を見る。
今回俺たちは柄杓の屋根に登って見ることにした。
罰当たりじゃないか?とも思うが周りも普通に神社の屋根に登っている。
「綺麗ですね…」
「だなぁ。あ、大きい花火だ」
「琥珀、飲むか?」
「未成年なんですが…それなんですか?」
「神酒だ。それに未成年でも問題ないよ」
「はぁ…では、頂きます……うん美味い」
まぁたまには良いんじゃないかと思い神酒を飲む事にした。
連続で花火が上がったりととても綺麗だ。屋根に登って神酒を飲んで花火を見る。
少しだけこういうのをしてみたかった気もしたのでかなり楽しい。
だけどそろそろ終わりみたいだ。楽しい時間は一瞬だな……。
「主様。あれなんて言うか知ってます?」
「いや?」
「錦冠菊っていうんですよ、主様!」
「うん…しだれ柳とも言うね」
「そっか...綺麗だな」
数発、錦冠が打ち上がって終わりみたいだ。最後の花火が打ち上がったことを確認して屋根から降りて帰る事にする。周りの屋台なんかも、もう帰ったみたいだね。早いなぁ。
「琥珀、今日はありがとね」
「こちらこそ。それじゃそろそろ帰るよ。じゃあな」
「また会いましょう殺音さん!」
「うん…またね」
「主様、今日はありがとうございます」
「うん?どういたしまして」
「……ねぇ琥珀。一緒に寝ませんか?」
「……良いよ。おいで?」
「ありがとう。お休みなさい」
「あぁ、お休みなさい」
〜ー〜ー〜ー〜
眠い。なんで朝はこんなに起きるのが辛いんだろか。
今日は土曜だし二度寝しても許されるだろう。
……というか寒い。布団どこに行った?
九九の尻尾のお陰か少し暖かいけどさ。
「主様、おはようございます」
「…ねぇ、何してんの?」
「膝枕です。おはようございます」
「ああ…おはよう」
何で膝枕してるか分からない。取り敢えず起き上がろうとして、どーだろうねぇ今おかしな事が起きてることに気づいた。周りを見渡すと花が一面に咲いてる草原で、上を見上げれば青い空。
「主様緊急事態です」
思わず飛び起きた。というかそれは分かるよ。
朝起きたら知らない天井でしたどころではないんだからな。
「少し調べました。ここは地球ではなく異世界。私達は異世界にいます」
おいおい…ここは異世界だって?何でそんなことになってんだ。
「おい九九…詳しく教えてくれ。異世界ってどういう事だああああ!!!」
①九尾と鬼の激突①
九尾が各地の神社や寺に訪れている事を気に入らなかった鬼が、九尾の存在を消そうと襲いかかった。不意を突かれ、ボロボロになり今にも消えそうなギリギリの所で琥珀が助ける。
こんな感じで裏設定をあとがきに書こうかなと思います。