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宴と出発、再会の約束

前回のあらすじ

4天使の一人、フラムエル襲来!

覚醒した零夜と達魔の連携で、撃破に成功した。

「スタンピード撃退と、我らが街の英雄たちに乾杯!」

今俺たちは、町の人達に英雄と呼ばれ宴の主役にされていた。

それは2時間ほど前に遡る。






「……というわけで、スタンピード及びその発生者を打ち倒しました。もう襲われることはないと思われます。」

「おお……!この街を救っていただき、感謝申し上げます、勇者の皆様!」

決着をつけたあと、俺たちはヴェネン市長に報告をしていた。

そもそも兵隊長に報告をするつもりだったのだが、その兵隊長から

「うちの市長にも直接報告してほしい、その方が市長も安心するから。」

と言われてしまい、報告をすることとなった。



「この辺りは最近モンスターの動きが活発になっていましてな。

近い内にスタンピードが発生するだろうと思っていましたが、勇者様方がいらっしゃるときに発生し、対処してもらえるとは本当に運が良かった。重ねてお礼申し上げます。」

「この街がなくなるのを捨て置けなかっただけです。

現にスタンピードから逃げた奴らもいますし」

そう。俺達と一悶着あった、嫌っている奴ら四人組はスタンピードに怯えて逃げていった。

全く、流石にあいつらみたいなのばかりとは言わないが、あまりこの世界の人達からの信頼を裏切るようなことはしないでほしい。

実際に戦った俺達のような人もいるからな。


「祭りの直後ではございますが、皆様の活躍を祝う宴を開こうと思っております。

 どうか、皆様にも参加していただきたいのですが、よろしいでしょうか。」

「俺は参加させてもらう。」

「俺たちも参加するよ!」

「かしこまりました。さあ、皆の者!宴の準備を始めるぞ!」








それで、最初に戻ってくる。

英雄と呼ばれるのはむず痒さを感じるが、俺だけが言われてるわけではないので、まあいいか。

「ふへへ〜、たつま〜!」

とろけた様な顔で駆け寄ってくるメル。

「おお、お前さては酔っ払っているな?!」

「ふわふわするよ〜えへへ〜。」

「誰だ酒のませたやつ………」


「大変そうだなそっちも。」

「お前は……暁辻平だったな。」

「辻平でいいぜ。それよりも、ほらこっち!」

「どうした?」

メルの手を引きながら、辻平の後を追う。



「こっちこっち。」

「お、あの二人は……」

視線の先にいたのは、零夜と白石さん。

ちなみに覗いているのは俺達と最上秀斗、

春川れんげと夏宮すみれの計5人。

二人は立ち止まると、白石さんの方から話し始めた。






「ありがとう。私達を守ってくれて」

「どういたしまして。笹雪さんもありがとう。結界を張ってくれなかったらすぐにやられてただろうし。」


「……そういえば、氷界の凍らせたものの傷を治す力って、どういう原理なの?」

「……凍った中では、生命は生まれない。つまり基本的にゼロってこと。

 だから傷を凍らせることで、『傷』というマイナスをゼロに戻した、っていう感じかな。」

「すごいね、零夜くんは。私、全然わからなかったよ。」

「……まあ、それは一応建前で」

「え?」


「……本当は、笹雪さんを助けたいと思って。強く願ったら、たまたま治ったっていう話。

 ああ、もちろん秀斗とか辻平も守りたいと思っていたよ。傷が治るのはびっくりしたけど」

「なんで、私のために強く願ったの?」

「………それは、その………。」

がんばれ、ヘタれるな!ここまで来たらいうとこまで言え!



「笹雪さんが好きだからだ。

 いつも明るくて、皆のことを気にかけていて、笑顔が素敵なあなたが、とても好きなんだ。」

「それは、本当のことだよね?」

「嘘だったらこんなに話せるわけないよ。この気持が勢いなだけでもないし、嘘偽りは1つもない。あなたのことが、本当に好きなんだ。」


「えっと、私は、その……。

 あのとき、私の前に立ってくれた零夜くんを見て、なんてかっこいい人なんだって思ったんだ。あんなに強い敵に対して恐れず立ち向かって、勝てる相手だと思えてくるような頼もしい後ろ姿。

 すごくどきどきしたんだ。変だよね、戦っている間なのに。

 もし、よかったら。私と、付き合って、くれませんか……?」

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」








「そういうわけで、俺たち、付き合うことになりました!」

「おめでとさん。」

「おめでとー!」

二人は本当にお似合いのカップルだと思う。

末永くお幸せに。











宴は夜が明けるまで続いた。

流石に疲れが出てきて2日ぐらいまともに起き上がれなかった。

そしてその次の日ー



「それじゃあ皆。達者でな。」

「また逢う日まで、お元気で。」

「みんなばいばーい!」

「また会いましょう。」

「グモォ~!」


「俺たちもっと強くなるからよー!

 今度会う時に驚かせてやるからなー!」


ヴェネンの街から船に乗り、新たな旅に出発した。思えばいろいろなことがあった。

祭りに参加して。

クラスメイトと再会して、

スタンピードに出くわして、それを止めるために戦って。

クラスメイトの覚醒に立ち合って。




果たして、次は何が待っているのか。

楽しみになってきた。





















ーーーーーーーーーーーー

「……この鎧を、私に?」

「ああ。少々、いやかなり重たいと思うが、貴殿に渡すべきだと、直感が告げてね。」

「でも……『国宝』、なのでしょう?

 そんなに貴重なものを頂いてもよろしいのでしょうか」

「貴殿だからこそ、だよ。

 この国に来られて、初めてこの鎧が伝承どおりの光を取り戻したのだ。しかもこの鎧を着ていた英雄ルーネスタは貴殿と同じく騎馬戦に長けた女騎士だったと聞く。

正しく運命だと、私は思うのだ。

だからどうか、受け取ってくれないだろうか。

 ー天草菜月殿。」

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