ニターナ王家も終わるようです
ストックがもうありません。長期休載させてください。まだ三話くらいはあるけどね。
今日は縫製工房の奥様方が二百人ほどで朝から押しかけてきた。多い。お休みらしい。まあな、ボクんち有名店も有名店だからたまにこんなことあるよ。問屋に行けと言えるのは転売目的のお客だけ。本人たちがここで食べていく以上イートインスペースを大解放するしかないね。テーブルとか椅子は簡単にリンゴが作ってくれるし。全員もちろん注文が違うし意外と奥様方お酒飲むのよ。女の人ってお酒超強い人がいるんだよなー。まあ賑やかなのは嫌いじゃないんだけどね。
それでまあボクは朝から忙しくしていたんだけど、本当に立地が良いのかこの土地での戦争があんまり起こらなくなって、平和な土地ってことでニターナ王国からも帝国からも人が雪崩れ込んでるらしい。まあニターナ王家の頭の悪さを考えたらハスター王子の土地に逃げろ、ってなるのは想像に難くない。結局スージー王女の引き込みが会心の一手だったんだよなあ。モアリースト司教がマジに神算過ぎる。
ソックセンはバカをやらかしてクレモット帝国に攻められているから権力闘争どころの話ではなくなっているし、ニターナ本国は火の四天王とやりあってて、こっちまで火の粉が飛んでこない。未来は分からないけどね。
「クラリスさん、七番テーブルにこのサンドイッチとケーキとジュース持っていってくれる?」
「はあい、ただいま」
「ちょっと待てなぜボク普通に魔王を店員扱いした」
「今更であろう!」
「リンゴも魔王女なんだよなあ?!」
「私はこちらをお運びいたしますわ」
「スージー殿下も普通に店員してるんだよなぁ……」
「むしろとても楽しいですわ! お客様も良くしてくださいますし!」
「さすがニターナ王家の人気ナンバーワン姫様だ……なんで店員やってんの?!」
「魔王も魔王女も王女も店員で勇者も聖女も魔女も客の救世主の店」
「なんだその混沌は! ボクとリンゴだけでもヤバい!」
「ちなみに世界を滅ぼせるスライムとロバがいる」
「なんだその混沌は! ドラゴンとかいないのが救いか?」
「そういえば魔王国からお母様が消えたからエンシェントドラゴンの姫様がこっちに亡命に来る話がある」
「なにそれ聞いてないよ?!」
「お母様人気のある魔王だったからな、こっちに移籍したみたいな話になっておって、土の四天王のビビと水の四天王のリナレアと風の四天王のウィレィノーストはこっちに来るらしい。火の四天王バーナン一人だけで魔王気取りで戦争してる。まあな、もともと魔族ってこんな感じなんだがな」
「なんてフリーダムな種族なんだ!」
「ぜひ店員にしてやってくれ。みんなお金は使わないからな……いやまて、魔石とか財宝だけならみんなめっちゃ持ってるな」
「経済が崩壊する!?」
そこにハスター王子が話に入ってきた。
「まあそんな調子だから、僕らろくに戦争してないけどニターナ王家普通に崩壊してるらしいよ。長男も次男も行方不明で国王は変な病気になってるらしい。なんかボケてるみたいだよ」
「ボクのパンを食べてしまったのか?」
「なにその兵器、え、これそんなヤバいものなの? 僕めちゃたくさん食べてるけど?」
「いやさすがに人をボケにはしないよ? そんな効力ないよ? 冗談だよ? ないよね?!」
「落ち着くのだルーフィア、お前よりボケてる人はいない!」
「そうか良かった安心だー! ってリンゴ酷すぎない?!」
だから、リンゴはいつの間にそんな強烈なボケキャラになったの?
「ルーのボケもすごい」
「そうよ、ルーフィア以上のボケてる人なんかこの世に存在しないわ!」
「セレナとアイリスもめちゃ酷いこと言ってるからね?! ボク病気じゃないよ?!」
はあ、もう、なんの話してるのよ。今はニターナ王家が崩壊してる話をしてるんだよ。というかなんで王子たちが消えたんだろ。……精霊人になってそうだな……。
「そのうちの一人の王子と一人の王女はこの土地に来ているらしいよ?」
「それ君たちー! ってボケないでねハスター様? ボケが増えすぎて大変なの!」
「ルーフィアが血管切って死ぬまであと僅か」
「助けて?!」
「私も死んでしまってますがボケた方が」
「エリメータさんアンデッドジョークやめて?! イヤだこの領地もう逃げ出したい?!」
「ハンバーガーください」
「メルフィーナ子爵も来ちゃったよ!? いらっしゃい!! こちらが商品になっております! 帰って!」
「ひどい、お客なのに」
「確かにごめんなさい! だからその真面目な話しかしないボケなんなの?! 天才的!」
メルフィーナ子爵なんでいっさいボケてないのにボケてる感じなの? みんながボケすぎてるんだろうか?
アイリスとメルフィーナ子爵に突っ込んでたら永久にネタを回せる気がしてきた。
「だれがボケ倒しゴリラ聖女ミドリちゃん二号よ!!」
「アイリスミドリちゃん好きすぎよね?」
聖女アイリスはゴリラのとりこ。スゲーパワーワードだな! まあミドリちゃんは素敵なゴリラだからね! なんでゴリラってだけで面白いんだろう?!
「それでニターナ王家崩壊の話なのだが」
「メルフィーナ子爵伝家の宝刀抜かないで。なんでそのタイミングで真面目な話を切り出そうとしたの?」
「緊急的な事態だと思ったのだ」
「事実なんだよなあ……。でも今のタイミングじゃないんだよなぁ……」
「まあね、ニターナ王家はこっちに移ったことにしちゃおうよ」
「それで良いのハスター殿下。ボクなんで王子様と普通に話してるんだろう。平民のパン屋なのに」
「僕と結婚してください」
「いきなり求婚された?! お断りします!!」
「そういえばセレナとアイリスが婚約指輪を持っているのだ。我も欲しい!」
「そういえばそうだね。リンゴにもあげようね!」
「僕には」
「王子にはあげません」
「ひどい」
「ん、むむ、私ももらっていない」
「なんでメルフィーナ子爵にあげるのか分かんないけど? 一応あげようか」
「私も、欲しいです」
「私にもください!」
「エリメータさんもスージー殿下も入ってきた。ボケが多すぎて対処しきれない。でもみんなにあげないと不平等か」
「……私も」
「魔王様にもあげなきゃね!!」
「僕には」
「もう王子様にもあげますよ!!」
「やったあ!」
「しくじった乗せられたぁ!!」
「まあルーフィアも子供作らないとな」
「リンゴ、リアルな話はよして……」
子作り必要なのかボク。
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