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隣の女神様2 女子高校生女神様 御鏡静奈の大活躍 ~重力の謎を解け~ 全20話  作者: あいぴ


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その14

◇◇◇◇◇ その14


 やがて駿平は高校、大学と学び、人並みに結婚することができた。一年ほどして産まれたのは娘である。その娘も元気に成長し、やがて恋をして結婚する。今度は待望の男の子が産まれた。駿平からすると孫である。名前を健一という。娘は東谷に嫁いだので、東谷健一の誕生である。


 健一は駿平の期待通り、すくすくと成長し、抜群の成績で大学を卒業することができた。ただ気になったのは小さいころ時折、

「誰かが僕の頭の中を見に来るような気がする。」

というのである。


 心配した父と母は、様々な病院を受診したが、これといって異常を発見することはできなかった。健一は国家公務員を職業として希望していた。大学在学時の公務員模試では常にA判定をもらっており、学内国家公務員キャリア志望の中でも有望株であった。


 4年生になり、満を持して国家公務員上級キャリア試験を受験した。自己採点ではほぼ満点、どこの省庁でもよりどりみどりのはずであった。意気揚々と第一志望の省庁に希望を出したが、予想外の不合格であった。


 万が一公務員になれなかった場合に備えて民間企業にもエントリーしたが、次々に不合格通知が届いてしまった。周囲はこんなに不合格になるのはおかしい、何かあいつにはあるんじゃないのかと思ったが、誰もが口に出すことはできなかった。どこにも合格することができないまま、健一はいらいらを募らせていた。


 進路未定のままでは卒業式に出る気になれず、健一は家に閉じこもりがちになってしまった。このまま卒業しないで、もう一年在学するかどうしようかと考える日々はとてもつらかった。年度末が迫ったある日、健一に電話がかかってきた。


「こちらは総務省外郭団体のM企画です。東谷健一さんですか。」

「はい、そうです。」


 度重なる不合格通知に健一は意気消沈していた。今度もそうであろうと身構えて話を続けた。

「あなたは当方の試験に合格しました。採用決定までに時間がかかってしまい申し訳ありませんでした。まだ、就職先が決まっていないのであれば、当方で雇用したいと考えています。当方へ就職する意思はあるでしょうか。」


 久しぶりに聞いた合格という言葉に健一はその場に正座し、

「もちろんお受けします。とてもうれしいです。」

 と即答してしまった。


「それでは、3月31日、指定の住所までおいでください。」

「ありがとうございます。」


 はて、M企画にいつエントリーしたかあまり覚えていないが、公務員試験の受験時に不採用の場合、関係団体から採用の打診があることが多いと説明があった気がしたので、その一つだろうと健一は思った。今はとにかくどこかに就職して両親を安心させることも大事だと考えた。


 3月31日、健一は指定された東京駅近くのビルにあるオフイスの一室に出向いた。60歳近い初老の男性が対応してくれた。

「東谷健一さんですね。」

「はい、そうです。」

「当方への就職を決めて頂き、ありがとうございます。」

「いえ、こちらこそ助かりました。」


「これより、隣室で健康診断を受けて頂きます。続けて、雇用に必要な書類を準備してください。」

「わかりました。」

 健一は、簡単な健康診断を受けた後、オフイスの片隅の机で数枚の書類に必要事項を記入したり、署名捺印などを行った。こうしているといっぱしのサラリーマンになったようである。


 昼食は外に出ても良いとのことであったので、息抜きを兼ねて東京駅周辺の喫茶店でお昼にした。

「よっ、東谷、元気だったか。」

 店を出てぶらぶらと散歩していると声をかけられて、東谷ははっと振り向いた。声を掛けてきたのは、大学時代の友人の一人であった。


「俺、結局文科省に決めたんだよ。日本の教育をがんばることにしたよ。」

 一緒に公務員を目指した友人の一人だった。

「お前、結局どこに決めたんだ?。去年から音信不通だったじゃん。」

「俺はねえ、総務省の外郭団体になんとか滑り込むことができたんだよ。」


「そうか、それは良かったな。でも、キャリアじゃないのか。まっ、がんばれよ。」

 声をかけたかつての友人は、健一が自分のライバルではないことを確認するとすっとその場を離れて連れの友人を追い掛けて行ってしまった。健一は孤独を感じ、将来に不安を持った。



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