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三姉妹方程式  作者: 蝉時雨
一学期
20/133

case:19 【×中間考査の場合】Act.4

平日の図書室での勉強会は最初の一回を除けば実に平和に行われた。

しかし、例年通りよっちゃんは勉強していないだろうと思ったが予想はそのはるか上を行っていたようで。

さらには一年生、妹はそこそこできると予想してはいたが櫻井さんが意外と勉強できるという事実が浮上。

そのことで休日の勉強会はよっちゃんの家で行われることになった。


図書館でやらないのか?それはあれだ、学外で何か問題でも起こされてしまったらそれこそ私の対応が追い付かない。

そんなことに私を巻き込んでほしくない。

特に妹とよっちゃんよ。


ということで、休日初日の土曜のお昼現在、宝月家にお邪魔している状態なのだが、ずっと律義に参加している櫻井さん。

正直彼女なんで不良ぶっているのかがわからない。

聞いたところ彼女の家は我々の住宅街からは反対の方向にあるのだという。


それなのにわざわざよっちゃんの家に来ている。

勉強はよっちゃん以上にできているというのに・・・。

本当に人は見かけによらない、彼女は根はきっとまじめなのだろう。



だが、此処に来て、ここまで来させておいて、誰が私を取り合って妹とよっちゃんで凄惨な惨状が作られることを予測できたものがいただろうか。


「だいたい弥生先輩が勉強をしていないのが悪いんじゃないですか!!」

「いやいやさっちんは家に帰ればいつでも勉強見てもらえるじゃん!!智ちゃんせんせーとかに!!」


最初誰がどこに座るかから揉め始め、今は私に勉強を見てもらうのは自分だ、と言い合っている。

そして売り言葉に買い言葉でお互い言ってはいけない事を連発している次第だ。


「はぁ!?誰があんなくそ姉に面倒見てもらわなきゃなんですか!?」

「だったら京ちゃんに見てもらわなくたっていいじゃんか!!」


「普段はお姉様に迷惑かけないように自重しているんですぅ~、その点弥生先輩は節操がないんじゃないんですか?あのくそ姉みたいにところかまわず迷惑かけて!!」

「はぁ!?私がいつ誰に迷惑かけたってんのさ!そんなこと言ったらさっちんのが迷惑かけてるね!!」


「「はぁぁぁあああああんんんっ!!!!」」


と、この通り。現在よっちゃんの家にご両親がいないからこそできる惨状ですが。

最近は姉がテストづくりで忙しいせいか家では珍しく騒がしくなかったのに此処に来て騒がしい目にあっている。

当然勉強会どころではない。

櫻井さんもうすうすはこの二人のとっぴつした周りをも巻き込む騒がしさに気が付いていたであろうにも関わらずドン引きして何とかしてほしいと若干涙目に私にアイサインを送る始末だ。



「そもそも学年的に妹よ、お前を集中的に見ることはできないだろうに・・・テスト期間くらい気を遣わず声をかければいつでも勉強ぐらい見てやる、だから今日はよっちゃん優先」


まさに鶴の一言だろう。

いがみ合い、睨み合いをしていたのもつかの間お互いが目を輝かせながら私に視線を向けてくる。

さすがに休日をこのままつぶすのは私的にも嫌だし、何といっても櫻井さんに申し訳がない。


「さすが京ちゃん!わかってるぅ」

「え、い、家で二人きり手取り足取り!?えへ、えへへへへな、なら今回は」


妹よ、手取り足取りは言っていない。

それと

「よっちゃん、ということだから覚悟してよね?」


そもそもこの勉強会こそよっちゃんの勉強不足を解消するためのものだし。

そのよっちゃんがやる気なんだ私が遠慮する必要はないだろう。


どうせならもう私には勉強を教えてもらいたくないといわせるほどビシバシ行こう。


「え?あ、えと・・・お手柔らかn、あはいっ!!」


舐めた事を言いそうになったよっちゃんにはひと睨み効かせておいた。

これで少しは勉強に一層身を入れてくれることだろう。

とは言いつつ、このままでは赤点不可避なのでよっちゃんに勉強を教える片手間でヤマハリに勤しむ。

毎回最後はこうなのでいい加減よっちゃんには懲りてほしいのだが私の甘やかしもあるのだろう、いったいどうすればいいのか・・・悩むだけで一向に答えというのは出ないのだがね。

出ていたら少なくともこうはなっていないだろう。


もし仮に次回以降、勉強会が開かれるというのなら逃げたい、の一心である。

というか櫻井さんは逃がしてあげよう。なんなら明日も来なくてもいいし。


とは思いつつ、櫻井さんは最後まで勉強会に参加してくれていた。


そして中間考査の結果、私は変わらずであったが勉強不足が否めないよっちゃんではあったが日曜に渡したヤマ表が当たっていたのかよっちゃんもなかなかの結果をたたき出していた。

まぁ、例年通りでもあるのだが、本人曰く

「赤点でさえなければいいんだよ学校なんて」

ということらしい。


そんなことを満面の笑みで言われたら私とて何も言えまい。

だが、それに私を巻き込むのは勘弁願いたい。そう思う二年前期中間考査だった。




・・・余談であるが妹と櫻井さんはワンツーフィニッシュを決めていた。


勉強会から思っていたが意外と櫻井さん頭がよかったというか、悪ぶっている割には根っこは優等生というか。

人は見かけによらないとは言うが、あれだろうか、高校生デビューとでもいうのだろうか。

謎は深まる一方だ。

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