【 外伝 】第4話 フレイの神光と英雄譚の序章
私の銀髪が強風になびき、雲の合間から顔を出した眩い月光に照らされ ( キラキラ )と輝いている。
( アブー風に言うと、キューティクルがバッチグゥーという奴だ w )
髪をかき揚げ、赤獅子へ娘に免じて微笑んでやる。
「 相変わらず凄まじい太刀だったな!...... 」
「 サンキュー、ピエー様!でもコイツら足止め役だな。ホトトギス!
大将は南に逃げてる。追うぜ! 」
この様な場では、本能的に動く赤獅子を止まらせないといけない。
「 待てジャバロン!諜報部隊に任せておけ!我らの狙いはそいつじゃない!
イブシ隊長、任せるぞ! 」
「 はっ!ピエー様。奴は【 カーリー・シン 】。亡き我が主人の仇。精鋭を向かわせています。 」
長く病になっていた腑抜けた【 バーン君 】が戦闘を経て、いつもの鋭い目つきで隊長に向き合う。
「 イブシ。全方位に散って行った盗賊はどうだ? 」
「 はっ!バーン様。東西はジブラ様、ドン様とご子息たちが、一時前より戦闘に入っております! 」
東からの強い風が頬を撫でて「 早く決めろ! 」と言っているようだ。
どういう訳だか、絶好の好機が訪れている!
「 ジャバロン!敵城に乗り込むぞ。頼りにしているからな! 」
「 ピエー様!任せてくれ!俺様がギャンリックをキャンと鳴かせて見せるぜ。ホトトギス! 」
( 仲直りしたからって、娘の口癖ばかり使ってるのは、父親として、どうかと思うぞ www )―――
―――そこにドンが現れ、諜報部隊が縄梯子を掛けたという侵入ポイントに我々は歩みを進めて行く。
「 早かったな。 」とジャバロンが言うも、
「 ワシの息子たちもやりよるわい w 」と自慢顔だ。
赤獅子も「 うちのアブーなんてな!」と何故か張り合いだし、5歳児を愛でだす始末 www
奴らを諌めるも、バーン君までもが、子供自慢に参戦し始めてしまったじゃないか!
お笑いコンビが揃うと周囲までドンドン巻き込んでいくから手に負えないのだ。
私は1人頬を膨らませ怒るも、誰も聞こうとしない。。。
子供の話になると、どいつもこいつも『 デロデロ 』に惚気だす。
私は『 ぶっちゃけ 』少しうらやましくなった。。。
思い出したように、ドンが馬車の盗賊を逃したと、悔しそうな顔で私に語りだす。
高級馬車を包囲した時には、もぬけの殻になっていたそうだ。
それは、始めに報告する事だと奴を諌めるも、涼やかな顔を崩さない憎たらしい顔で赤獅子をみる。
( 本当に忌々しい男だ w しかし、この図太さが奴を鉄壁と言われる指揮力まで押し上げているのも事実! )
ドンは ( ニヤり )と古木のようなシワを歪ませ悪ガキの顔をする。
「 おい!ダメ大将。あいやw間違えた。
ジャバロン!
【 ミリア 】は外交で忙しくなるじゃろうから馬車はアハルで使うか?
東方製のなかなかの上物だったぞ。 」
「 おい!変なヒゲ男!いけねwまちがえた。ドン!ミリアが必要だって言っても馬車なんて使わせねぇ〜ぜ! 」
ジャバロンは、未だに『 この件 』に関しては納得出来ていないようだ。。。
( 仕方あるまいか。バーン君に託そう。
私は既に本国に転封依頼をしている。
そう考えると、コイツらを堪能できるのも僅かだな。。。)
ジャバロンとドンが敵城近くで、少し真剣な漫才を始めてしまう。
納得しているドンと、娘との大喧嘩で落ち込み、完全に寝耳に水だったジャバロン。
ついにはアホだの、バカだのと子供のケンカに劣化し始め、バーン君が病にならないか心配だw
( まぁ、すぐに納得出来るはずもない。国の将来とはいえ荒波の連続だからな。)―――
―――ジブラが遅れてやって来た。ドンの息子たちと城の包囲が整った事を告げると、赤獅子を真剣な顔で見下ろす。
「 ジャバロン頼んだぞ。城からはネズミ一匹見逃さない!オラも乗り込みたいが全体指揮に専念する。 」
赤獅子が ( ニコり ) と爽やかな笑みを浮かべ、
大きく息を吸い赤き爆炎の氣を立ち上らせるも、私は奴の赤頭を小突く!
「 このアホめが!怒号を張り上げようとしただろ?バカでかい声を出すなと言っただろうが! 」
「 そうじゃ!ゲラゲラ 」と、さらにドンが大きく笑いだした。
「 騒ぐんじゃない!アホどもが! www 」
その高らかな笑い声が古城の茂みで、こだまする。
東からの強風ですっかり薄い雲を吹き飛ばしていた夜空に、銀盤の美しい月が輝きだした!
バーン君の濡れ羽色の髪の毛が風に揺れ微笑んでいる♡
( お互いドロだらけの顔なのが、少し残念だ www )
眩いばかりの星々が煌めいて不気味な古城と、その周りの突入部隊たちを眩しく照らしていた。
「 よ〜し!『 覚悟 』ある皆んな!よく聞いてくれ。道は私が切り開く!www 」
泥を塗りたくった顔のみんなの白い歯だけが輝いている。
ジャバロンが下唇を突き出しスネていた。
( 仕方あるまい...... みんなの子供自慢が羨ましかったんだもん www )―――
―――準備は整った。みんなの泥と汗、と鉄の臭い匂いが立ち込め、静かな熱氣が立ち昇る!
ジブラがジャバロンを見てバカでかい親指を立て、丸太の様な腕を組むとイブシを見て頷く。
イブシ隊長が合図を送ると、シャルーク様が使っていた大太鼓が3回鳴り響いた!
......その後!?
「 パァンッパァン、パパパァンッ!……ドドドドドオォォォォォン!!! 」
耳をつんざく破裂音と共に、古城は塗り潰さんばかりの『 神光 』に包み込まれた。
城の各所で目が潰れそうな眩く鋭い閃光と共に爆音が鳴り響き、古城の全体が美しい白炎色に照らされ、不気味な悪魔の石像が現れる!
( 凄いな!バーン君が絶賛して、アブーが踊り狂っていたわけだ! www )
赤獅子ジャバロンが、ドロだらけの顔でカッコをつけている。
「 行くぜ!みんな!俺様に付いて来い! 」
縄梯子を登れば、既に先行している我らが諜報部隊の猛者たちと、盗賊が戦闘となっている。だいぶ初手で敵を削ることが出来ている。
「 オラあぁぁァァー!どけどけ!当たると痛えぜぃ〜〜〜! www
ズウゥバァァーーーン!!!ザシュ! 」
赤獅子が次々と敵を両断しては道を切り開いていく!
「 みんな!赤獅子に続け!遅れを取るな! 」
こちらを見て頷くと、間髪入れずバーン君が、最高のタイミングで雄叫びを上げ、ドンが、ニヤリと笑い怒号を上げる。
「 ピエー気を付けろ!強いぞ!そやつは! 」
そして、赤獅子に呼応し、ドンが突入部隊を緻密に指揮しだす!
( うむ、見事!赤い巨大な一頭の獅子になっている!みんな信じているぞ! )
......ジャバロンも、みんなも、ここは私に託してくれた。。。頑張らんとな。
「 さてと。。。出て来たらどうだ? 」
「 流石、強き者でござるな。。。 」
我が突入した諜報部隊が ( ガクガク )と倒れ、月夜に照らされ黒い長髪の剣士が涼やかな顔で歩みでる。
私は氣を練り込み、そいつを一瞥する!そして......
「 行くぞ!ギャギィーーン! 」
「 ギギィィーーーン! 」
( 少年?互角か?...... とんでもない手練れだ。しかも、あの片刄剣...... 氣を放っている!?。。。 )




