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エバーレコードパーツ ピークアブー編 エバレコ  作者: 行雲 日千羽
太陽と陰の晩餐詩 〜激闘ギャンリック戦〜
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【 外伝 】第1話 赤い太陽の元メンバー

 【 サロス近郊の街道 】


 燃え盛る光を放つ炎天下の中、

 アハルからの街道近くの木陰にたたずむ、女騎士と立派な角の兜を被る大男とともに数十人が、まだかと立っている。


「 ピエー様。西側はそんなに不穏な動きが、あるのですか?

オラは族長職には、固執していないです。ただ弟が心配ではあります。 」


「 うむ。【 ミリア 】からの情報で間違いない。この国を保護するためには弟には頑張ってもらう。

おっ!?ジブラ!どうやらようやく来たようだな! 」


 アハルからの行軍を見て大男は顔を綻ばせ、美しい女性を見つめる。


「 はい、わかりました。ピエー様!

オラは暴れたくて仕方がないです。

弟【 シムラ 】も既に作戦行動中です。 」


「 何!?政事まつりごとは、ともかくシムラ君が戦闘に?大丈夫か? 」


「 はい!精鋭で固めています。オラの影武者ですw

やっと盗賊どもを思い切り蹴散らしてやれますよ! 」


「 うむ。やられたい放題というのは、精神衛生上とても良くなかったな。

特に領民を愛している我々にとっては。 」




 ニコニコ笑顔の『 断広丸 』と言う名の巨大な幅広い両刃剣を背中に背負った赤髪の族長様が近づいてくる。


 猛牛のジブラでもまともに振れない大剣だ!


( どうやら仲直りはできたようだな! )


「 来たかアホ!いけね!間違えた www

ジャバロン!待ちわびたぞ!

その大剣を持って来たのか?今回は攻城戦だぞ!わかっているのか? 」


 赤獅子ジャバロンと呼ばれる猛将は、

 下唇を突き出しハの字眉にしてから ( ニカっ )と笑い言ってくる。


「 おいおいおい w 俺はこれじゃないと、調子が出ないんだ。それにピエー様。アホは酷いぜ、ホトトギス! 」


「 それは、アブーのマネか!www 」



 !?



 しまった...... 早くもバーン君が、

 『 笑ったら止まらない病 』になってしまったようだ。。。


 私とジャバロンが、弾けるような久しぶりの会話を楽しむ。


 娘アブーの事を褒めつつ、奴の父としてのだらしなさを責め立てた!


 みんなが懐かしそうに笑いながら、私たちの湧き立つやり取りを聞いている。



( みんな元気そうだな! )



 合流して他の連中と話し込んでいた【 ドン 】が振り向き、赤獅子の方を向く。


「 そうじゃアホ!あいや間違えた w

ジャバロン!子離れできんやつじゃのう! 」


 たちまち赤獅子から爆炎の『 氣 』が立ち昇る。


「 そんな、三つ編みにピンクのリボンの変なヒゲのお前に、言われたくねぇ〜よ! 」


 ドンが、古木のような顔を ( ニヤリ )と歪ませ一歩出る。


「 ジャバロン!アハルでも言ったじゃろう!オスマトルのファッショントレンドにすると、娘に誓ったんじゃ! 」


 思わず、奴らの面白い突っ込み合いの応酬に、アブーが言っていた事を思いだす。


 この2人は国一番の『 お笑い芸人コンビ 』だと。。。


 それにしても奴は『 鉄壁のドン 』と言われる強者である。


それは認めても良い。


 しかし、バーン君の『 あの 』作戦で大丈夫なのか?


 と。少し心配になってしまう。


 それにしても、あれだな。汚い髭にピンクの布とは、あまりにも酷いセンスに呆れるばかりだ www


 やはり青いシルク布にさせなければ!



 !?



 冷静沈着な名軍師『 千手の二つ名を持つ男(バーン君) 』が、地面に倒れながら、

 腹を抱えて笑い始めてしまったじゃないか www



 高らかに立ち上がる火柱が伝播するように弾け、怒号の如く爆笑する元からの300人ばかりの精鋭たち。


 ギルド『 元ファイヤーウォーター 』のメンバーが、腹を抱え、笑いを鳴り響かせる。


「 それにしても、堅気に戻った奴らも多いとはいえ、少なくなったのぅ。。。 」


 と、ドンが目尻のシワに涙を浮かべるも、【 猛牛のジブラ 】が、そっと肩を叩く。


「 死んで行った仲間のためにも、オラたちは笑い続けよう、ドン! 」


「 ドン!そうだぜえぇ〜〜い!頼りにしてるぜ!変なアゴ髭のお前にさ!www 」



 ちょっと待てと、暴走気味の赤獅子を諌める。

 バーン君は...... ダメだな。病から復活させられないから、放っておく w



「 『 覚悟 』ある、みんな聞いてくれ!再確認だ! 」


 まず敵は複数の仕込み矢を放ったのち、

 重装部隊を突入させ、軽装な山賊たちに首を掻っ切らせる戦闘スタイルだ!


 そして敵の矢は、革装備なら簡単に人体を貫く威力を持つ。


 鉄プレートと盾に、泥と葉を付けて突入する。秘密兵器の『 フレイの神光 』で敵を撹乱して殲滅する!




 ちなみに、【 ギャンリック 】は3人兄弟の盗賊だ!


 鉱山夫の子供は毒に侵され奇形の子供が多いと聞く。


 敵大将ギャンリックは両腕が生まれつき無く、

 採掘用義手で鉱山でそれに従事していたらしい。


 オスマトルの兵卒後、盗賊になった今、そこには強力なカラクリ武器が装備されているとの事。


 本国の鎮圧部隊は、コイツの『 銃火器部隊 』に壊滅させられたと報告書にあった。


 ごく少数だとの報告もあるが、その火力は未知数で、決して侮る事なんて出来ない!



 その兄弟たちの戦力も強大だ w


 腕の無い長男の代わりに次男は腕が4本も生えていて、強力な剣戟部隊を率いるという。


 残忍で容赦ない冷酷無比の集団との事。

 ジブラの領土を荒らしまくっている悪漢どもだ!



 さらに厄介なのが、この三男だろう。


 人間山脈と言われる大男で、知能は低いが忠実に任務を遂行する『 盗賊界の大盾 』の異名を持つ。


 奴の軍隊並みの大男たちの重装部隊は、騎兵隊の突進も簡単に止めてしまう。。。


 我が腹心の騎馬部隊が苦戦するほどだ。


 今回の作戦は夜襲だが、私の率いる騎馬隊とは相性が悪く、サロスから東の我が領土を荒らしているのもコイツらだ。



 その他、元暗殺者の幹部や、大女盗賊、謎の異国の剣士、名だたる大物盗賊までが、奴の傘下になっている。


 もはや到底、地方の族長で対応出来る相手では無い。



 ついいつもの癖で、熱が帯び甲高い声を出していた私の解説に、赤い頭の族長様が割って入ってきた。


「 おいおいおい ピエー様!長げぇ〜よ w いいから行こうぜ。ホトトギス w 」



 私は ( キッっ ) と奴を一瞥いちべつする!


「 な、なんだと!このアホめが!

お前が、いつも猪のように突っ込んで行くから、皆んなが迷惑しているんだぞ!

ホトトギスじゃない! www 」



 ジブラがオドオドし始め、バーン君が笑い転げているのは仕方がない。

 ドンがニヤニヤしながらこちらを見る。


「 まあまあピエーよ。こやつの一点突破で数々の劣勢を跳ね返し、多くの仲間が生還したのも事実じゃろうて w 」


 赤獅子が、顔を真っ赤に恥じらう乙女モードになる。


「 わ、わ、わかっているじゃんよ♡

変なヒゲって言ってごめんね。ドン君。 」


「 なんじゃ、なんじゃ!ダメ大将に戻るなよ!アホ。あいや間違えた w

ジャバロン! 」


 バーン君の笑いが止まらない。


 赤獅子が前屈みになると、赤き爆炎の氣を烈火の如く立ち上げる!


「 よーし!元ギルドファイアウォーターの恐ろしさを盗賊どもに、分らせてやろうぜ!!! 」


 たちまちメンバーたちに、その熱気が伝播する。バーン君以外は w



「 えい、えい、おおおぉォォ〜〜〜! 」


 止んでいた風が、東の本国方面から吹き始めて来た!


( この戦いの追い風になってほしい。頼む絶対だ! )


 肌を焦がすような白炎色に輝く陽射しが容赦なく、ジャバロンが放つ莫大な氣とともに叩きつけてくる。。。



 そんな中、我々はサロスとマデンの中間にある大盗賊の賞金首『 ギョロ目のギャンリック 』の根城へと出発する。



 

 それを偶然見ていた荷馬車の通行人。。。


「 まずい...... 赤獅子ジャバロンがいやがる...... ジュマリナー様にお伝えしないと。 」

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