【 外伝 】第1話 アハルのパパっ子女番長
物語の重要登場人物になっていくシェリー視点のストーリーを投入致します。
初夏から街で発生した疫病ですが、それでも人々は通常運転で生活しようとする姿を描いています。
第17話『 シェリーとオウカ 」第21話『 笛子の音色 』でのイベント回収エピソードになります。
楽しんでいただけたらうれしいです。
私は【 シェリー 】。そしてここは、アハルの女子寮さ!
そして私は不本意ながらも女番長と言われている。
今日もフラフラになるぐらい稽古して、ヘトヘトになるぐらい苦手な勉強もこなしつつ、たっぷりみっちり仲間たちと遊びまくった。
全力でいつも頑張っているパパをとても尊敬してマネしている。
頑張っているパパは、超カッコいい♡
額に汗し、訓練に檄を飛ばすパパは超イカしてる。
しかし【 アブー 】たち『 ちびっ子探検隊 』はそんなパパのカッコいいヒゲを小汚いと笑いやがった www
ここぞとばかりに『 ズズイ 』と出てきた我が相棒【 ミルミーナ 】と探検隊を撃退してやったわ!
弟くんは、すぐ泣いちゃうけど、大好きなパパを悪くいうのは許さない!
そもそも、一度撃退したぐらいで諦める奴らでもない www
その夕食後、更にここからペラペラと女子トークが始まるのさ!
「 ねえ、シェリー?そのピンクの布、シルクじゃない?高かったでしょう? 」
ぽっちゃり【 オウカ 】が聞いてくる。
「 お小遣いがあっという間に無くなっちゃったよ。
何か、増やす方法ないかな? 」
オウカは、よく考えてから物を言う。
なので、いつもワンテンポ遅れて口を開く。
せっかちで、意地の悪いミルミーナは、彼女のことを『 トロい女 』と言うが、
親元から離れて暮らす私たちにとって、
彼女には親友以上の絆を感じている。
「 商売だったら、ミルちゃんが上手そうじゃない?
こないだも、アブちゃん相手にウハウハだって言ってたよ! 」
「 おい、オウカ!ミルのマネはダメだ w
私たちのパパは、アブーのパパに仕えてるんだぞ!
もっと幅広くお小遣いを増やす方法を考えようぜ! 」
【 ピエー様 】の塗っている日焼け止めや化粧品は、そもそも成分がわからない。
アブーが、たまに美容だと抜かし、海藻を顔に付けて歩いていて笑った事がある www
ミルミーナは「 そんなの売り物になるか! 」と高笑いして、馬鹿にしていたのを思い出す。
一呼吸を置いて、人差し指をアゴに当てて、オウカが話しだす。
「 ねえ、シェリー?海岸で拾った貝で笛を作って売るのはどうかしら? 」
「 おい、オウカ!貝殻から笛なんか作れるのかよ? 」
すると、彼女は自身の机の引き出しから貝笛のネックレスを取り出した。
「 これね、私のパパがママに王都でプロポーズした時にプレゼントしたんだって!素敵じゃない? 」
「 うおおぉォォおおぉォォ〜〜 !
なんだそれ!すごいロマンティックじゃん!すごい良さそうな物に見えてきたぞwww 」
オウカがニコニコ微笑みながら考えている。
彼女がそんな笑顔の時は、その成功への道筋を描いている時だ。
ここで、間違っても『 ぽっちゃりさん 』なんて言ってはいけない。
この頭の良い女の子の答えを、ひたすらに待つのだ。
またも人差し指をアゴに当て直してオウカが話しだす。
「 貝殻はタダだし、牛皮の紐はパパの領地の特産だから沢山持ってるし、
どのぐらいの値段なら買ってくれるか、先生やみんなに聞いてみようよ? 」
「 さすが、我が軍師ぽっちゃり系姉さんだぜぇ〜い www 」
「 もう!シェリー!それ言わないって約束したじゃない! 」
オウカが頬を膨らませプンプン怒りだす。
「 だって、だって。ぽっちゃりさんって言う時だけ、反応早くて、面白可愛いんだもん www 」
「 もう、また言った!もう許さないんだからね!パパっ子さんのくせに! 」
「 もうもう牛さん、言いやがったな!
くすぐりの刑だ。覚悟しろ! 」
「 もう、負けないんだからね! 」
そして、天下分け目の壮絶なくすぐり合い、その後は枕投げ合戦が始まるのであった。
巡回当番の女兵士に怒られ、力尽き健やかにぐっすりと眠りにつくのが我々の日常なのである―――
―――今日も美しい光を放ちながら、入り江から立ち上がる輝く母なる太陽と、水鳥たちが鳴き声を上げ、戯れている姿に心が和む。
アブーは、いつもここで1人日の出を見てこんな事を言っている変な娘だ。
そんな彼女にオウカが話掛け、今では3人で景色を眺めるようになっている。
この前、毛布持参で満月の絶景スポットも教えてもらい、
しばらく3人で観ていた事もあったが、
5歳児のくせに中々『 センス 』があると思う。
この時間帯、ミルミーナも来ているが「 そんな景色は金にもならんわ w 」と、
先生が出てくる扉で、必死の形相で待機していて、すごい笑える。
アブーがいつもの歌を口ずさみながら、こちらを見てきた。
「 ほっほっほ w シェリ姉も、オウカもこの世界の楽しみ方が分かって来たようじゃな!www
さあ!カッコウさんの歌を一緒に歌いましょうぞ! 」
一気に東側の城壁に笑いが弾けて熱気が立ち上がる。
「 おいおいおい w 歌うかよ!
アブー!私たちは、もう11歳のお姉さんなんだぞ! www 」
オウカもケタケタ止まらない笑いを堪えて話しだす。
「 アブーちゃん、私もちょっと恥ずかしいよ w 」
しかし、この娘は面白い。
1日中アホな言動を繰り出しているが、小難しい先生みたいな事も語りだす時がある。
自作の笛を売る方法を、相談してみると、こんな事を奴は言った。
「 ふむふむ、それなら西町の雑貨屋モノホンポですな。お嬢さんたち。
委託販売なら、2割か3割が手数料ですからして、
労働者の最低賃金が1日2銀貨で考えると1.5銀貨がホットスポットですな。 」
ちょっと分からない言葉もあるが、オウカと私はニコニコ笑顔だ!
しかも、最終目標のシルク布の件も切り出すと、アブーは踏ん反り返り、上から目線で話しだす。
「 ちみちみシェリ姉くん。こないだ『 ちびっ子クラゲ回遊隊 』をしていたら片方無くしてしまったから、あげますぞよ。」
「 あ、あ、ありがとうアブー!!!
いいのかよ、赤いシルク布じゃん!ただでもらっちゃって? 」
「 ほっほっほ w 愛は地球を救うのですぞよ!ホーホケキョ。ちみの笑顔で、あちきは幸せなのですぞよ www 」
ちょっと偉そうな態度は気に食わないし、何を言っているかわからないけど、
有り難くもらうことにした―――
―――訓練と座学が終わり、海岸で巻貝を拾った我々は、部屋で並べて今日の戦果にご満悦。
アブーたちは『 ちびっ子探検隊 』が忙しいと奇声を上げて去って行ったし、
ミルミーナは、強欲な性格なので連れて行かなかった。
私たちは早速、貝笛を作り出す。
「 おい、オウカ!音を確かめながら慎重に作ろうぜ! バキ!いけね w また割っちゃったよ www 」
「 もう、シェリーは相変わらず無器用さんなんだから! 」
「 ぐぬぬぬ ! 」
そこにジト目の 『 おねしょ娘 』がやって来た。
「 ねえ?私にその貝の笛ちょうだい!宝物にするから。 」
「 ダメだ w これはプレゼントした人と絶対に幸せなカップルになれる『 伝説の女神アクア様 』の貝笛なんだぜ www 」
すると血相を変え、急いで家から持ってきた青いシルクの布を手に持ち奴は、等価交換を持ちかけてくる。
私はニコニコ笑顔で、オウカに言う。
「 おい、オウカ!後の貝笛作成は頼んだぜ www 私は3つの布をパパに送って『 世界一のパパ 』にするからよ! 」
「 もう、シェリーが言い始めたのに、ドン様みたいな、身勝手なワガママは許さないんだからね! 」
「 おい、オウカ!
私たちは『 時を駆ける少女 』なんだぜ!
やりたい事が『 最優先 』ってアブーがいつも言っているだろう? 」
天真爛漫なパパっ子女番長と、プンプン頬を膨らませ怒る、ぽっちゃり系インドアお姉さん。
そんな2人の11歳の青春の初夏が過ぎていくのでしたとさ。
カクヨムや小説家になろうの皆さんの作品を読むようになり、視点切り替えの面白さを学び描いてみました。
筆者的にも楽しんで描けたと思っております。




