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ピーク・アブー

エバーレコードパーツの

ピークアブー編、投稿いたします!

見てくれたら嬉しいです。


こちらから見ても世界に入れる様にしましたが、

出来れば

[ エバーレコードパーツ 世界初の株式会社 ]

から見ていただけると、

より楽しんでもらえると思います。


是非、読んでください。




 私は母なる叡智に包まれている。


( いや、包まれていたんだな…… )


 しばらく呆然としていた......

 

 私は日本の建築業の監督をしていたが、

 車に跳ねられ、今はここにいる。


 母なる叡智 《アカシックレコード》―――


 ただの光の粒子の様な魂だけの存在になった私は他の魂に導かれるまま、

 この巨大な光の塊の一部となった。


 魂とは生前に経験した記憶を叡智に運ぶための永遠のパーツ......


 エバーレコードパーツだった。


 ここでは色々な情報や自身の前世の記憶にアクセスできる。


 その中の一際熱い記憶はさっきまで見ていた船乗りの物。


 すごかった......


 まるで地球規模の超巨大ドーム型シアターに、

 放り込まれたような感覚......


 目の前で広がる大海原。


 帆が風を受け膨らむ音が耳を打つ。


 甲板の木が陽射しで熱くなり、

 素足にじんわり伝わる感触。


 仲間たちが焼く串焼き肉や新鮮な魚の香ばしい匂いが...... 笑い声がついさっきまで......


 そして、最終ミッションとして日本への商館設立をした後、

 世界初の株式会社を仲間と共に大きくする。


 これが私の魂のメインテーマ......


 完全にシンクロしていただけに、

 臨場感は半端じゃない。


 全集中して映画を見ていた後の気だるさも感じていた。


「 全集中か......良く言っていたなwww」

 日本での人生を振り返る。


 全集中というのは、

 とあるスポーツを通して、

 超集中状態のゾーンに入るのが上手だった。


 ゾーンは心身的理想状態、

 フロー状態、無の境地、

 はたまたピークエクスペリエンスなどと表現される。


 とあるアニメでは武装色や見聞色の覇気で描かれてたのを思い出す w


 常時できていたわけではないが、

 精神が安定していて程良い緊張感がある時にゾーンに達する。


 ついでに説明すると、

 そこに加えて重要な要素があり、

 を集中と言うんだろうか ?


 下腹部に暖かい力がみなぎる感覚と共に、

 全身の筋肉・関節が完璧に同調する瞬間がある。


 きっと、これが身体と氣と潜在意識がゾーンに突入してから、

 つながる瞬間なんだろう。


 それを証拠に、

 そんな状態の時の私はとんでもない跳躍力で最高の記録をいつも更新していた。


 しかもその状態の時はとても心地よい。


 仕事や趣味でもこの特技を大いに利用して大きな成果を得ていた。


 話を戻すと、

 その航海の記憶は中途半端な結末だったにも関わらず、一番強い記憶。


 その後の歴史では、

 私の死後数年で日本に商館を設立。


 仲間は使命を果たした。

 

 ただそこに居なかった未練が私を日本に生まれさせていた。


 結局、今回も中途半端で終わってしまったが、

 輸入販売業で両親を安泰にした後、

 監督業をしていたのだから、

 文字通り平和で戦闘などとは縁の無い、

 幸せな人生だったと言える。


 ただ、おそらく転生をすればこの記憶は、

 他の光の無い物と同じ、

 断片的なストーリーが繋がらない記憶になると思った。

 

 しばらく時が過ぎた――


 それから、

 私は叡智の中で知識をむさぼっている。


 日本での施工管理......数々の失敗体験に対する知識の補填。


 船乗りの前世での反省点。

 船の設計、鉄砲、大砲、製鉄、他の産業など、

 病の対策、疫病の薬……

 すべてを勉強し直していた。


 それだけでない。

 

 アカシックレコード内だけに、

 生前の魂たちが発見、体験したあらゆる知識や研究など......


 それらを見ているうちに、ふと思う。


 これらの知識を持って転生できれば、

 無敵じゃないか?


 そういえば――


 娘が2歳の頃、突然前世の話をし始めたことがある。

「 パパとママ、昔は私の子供だったんだよ 」

 

 子供の絵空事に笑って聞いていた。


 でも、だんだんその年齢じゃ知り得ない地理や国勢状況まで語りだして……


 調べてみると同じ国の歴史があり、

 思わず相方と目を合わせて引きつり笑いw


 大体の魂はそんな記憶は無い。


 おそらく推察だが、

 ほとんどの魂は転生の瞬間に、

 出荷前の新品の状態にするが如く、

 記憶を無くすのだと思っている。


 ただし娘と同じで、強い意思を持つ魂がそのフォーマットに耐えている例はあった。


 私の心から望むテーマがわかっている今、

 船乗りになった時と同じ心境で、

 転生するなら楽しんで、

 一番熱い魂の記憶として残る物にしたい。


 私の断片的になった他の記憶も、

 すべてがとてもポジティブだった。


「 どうせだったら思い切って、海さえあれば全くの別次元の世界でもいいかな w 」


 ちなみに転生先は、

 単に過去や未来だけではない。


 アカシックフィールドは、

 些細な分岐から、

 異質な進化を遂げた世界まで、

 全次元を網羅(もうら)するマルチバースの母体である。


 ほとんどの魂と同じだが、

 私もほぼ同じ世界線を往復していた。


 ただ生前でも世界中を旅するような特殊な人間がいて、

 今、それに憧れていたw


 転生するにあたって、

 ある程度の意思決定ができ、

 性別や身体の特徴なども選択できる。


 私はこの案件については、

 もう既に決まっていた。

[ おっぱいの大きい可愛い女の子がいいに決まっている www ]


 その上、活発でケンカが強く、知的なのにちょっとおバカさん。


 仲間を大切にする大船団の総督で船長、

 世界を股にかける大商人――


 これらを生成AIで絵を作る時みたいに、

盛りだくさんの意識付けをして転生を希望した。

 

 その瞬間......


 ガクンと意識に激しいショックを受ける。


 こ、これは耐えられないか......。


「 いや!頑張れ!頑張るんだ!残せ!」


「 がんば......記憶......」


( ああ〜......思考が出来なくなってきた......)


 海への想いが強くあふれてくる......


 水平線を金色に染める朝陽。

 白い帆がはためき風を弾く音。


 船首を切り裂く波飛沫が、

 塩の粒を肌に散らす。


 並んで泳ぐイルカの群れが、

 銀色の背を輝かせて跳ねる。


 甲板で仲間たちが歌う声が、潮風に乗り遠くまで響く……


 またあの海を......

 新しい体で、

 新しい仲間と航海したい......

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