トラップ階層
最後の私たちが11階層に到達すると、遠藤さんと『破壊者』が言い争っていた。
「だから、この階層はトラップしかないのだから慎重にと言ってるじゃないですか」
「たかが弓が飛んでくる程度のトラップなんぞ誰も当たらないだろ」
「トラップがそれだけなわけないでしょ」
「わかった、わかった気を付けるから」
そう言って一歩踏み出した『破壊者』だったのだが、『破壊者』の足がゆっくりと地面に沈みカチッと音が鳴った。
「は、走れ」
遠藤さんの声に促され、走り始めると上から天井が順番に崩れはじめ、次々に降り注いでくる。
「だから言っただしょ慎重にと、あ、そこ」
遠藤さんの忠告もむなしく今度は田中さんが踏み出した足が沈みまたもやカチッと音がした。
すると今度は左右の壁が倒れてきてさらに降り注ぐ瓦礫の量が増えてしまった。
「遠藤さん。ここのトラップはすべて押し込んだら発動するタイプですか?」
「つぎ、そこ、ここにも。ええそうです」
「それならまたソリに乗りませんか?ブリキの騎士が踏む可能性がないわけではありませんが、発動するトラップが少ない方がよくありませんか?」
私が説明をし終わる前には全員乗り込んでいた。
「次は右です。次は左、最後そのまま12階層へ」
崩れるよりも早く進みトラップが発動する前に通過することで、遠藤さんの指示により休憩を挟まず12階層へと到着した。
「この階層は俺が行くぜ」
先ほどの階層でやることがなかったからか、皆の返事を待たず先頭に立って進み始めた。
「先に行かせていいんですか?」
「この階層はトラップがあるわけではないので、それにこの階層のモンスターは『破壊者』向きですからね」
その発言について詳しく聞こうとしたところ、前方より石がこすれるようなゴリゴリとした音が聞こえてきた。
そちらの方に顔を向けるとこちらに向けて通路をふさぐような大きさの物が転がってきた。
「あ、あれは」
「虫型12種『岩転がし』ですねなぜ岩を転がすのか、どうやってあの小さな体で体積の100倍以上もある岩を転がせるのかよくわからないモンスターです」
遠藤さんが説明をしてくれている間に、転がってくる岩を抱いた『破壊者』は砕け散る岩の破片の一つをつかむと前方へ投げた。
遠かったのでよく見えなかったが、破片が当たった先に『岩転がし』が居たのだと思われるが、遠藤さんの説明を聞く限りかなり小さいのかもしれない。
進むたびに大きな岩が転がってくるのだが、そのたびに『破壊者』が破壊しては破壊した破片を投げていたが13階層への階段まで到着するまで『岩転がし』の本体を見ることが一度もなかった。
13階層への階段まで到着した段階で30分しか経過していことで、このペースを維持しながら進めたらよいのだが、昨日のように容易に行けるわけがないのでこの階層も休憩をせずに13階層へ進むこととした。




