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カード顕現~眷属だけが頼りです~  作者: えでぃ
2章 世界の状況
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無理はダメ

「よし、最後だ」


最後に残ったライアン・クレイジーに対し手招きしながらリングへと降りて行った『破壊者』は、同じくリングへ降りてきたライアン・クレイジーに対し構えを取らず顔が当たるくらいまで近づきメンチを切り始めた。


そのまま、数秒が過ぎいつ動き出すのかハラハラしてみていると両者は同時に動き出し、右手で互いの襟首を捕まえてその状態で戦い始めた。


先ほどのガントレイダー1とライアン・クレイジーほど迫力はないが、『破壊者』が左手で鳩尾に向けて攻撃を繰り出すと、ライアン・クレイジーも負けじと同じような攻撃を行う。


今度はライアン・クレイジーが蹴りを繰り出すと、同じように『破壊者』が蹴りを行うように、相手と同じ攻撃方法を必ず取っていた。


密着しているせいで、威力が出ているようにも見えないが相手が体制を崩しかけると体を支え、逃がさないように捕まえるため派手ではないが見ている方も熱が入りだし、誰ともなく応援しだした。


攻撃を繰り出すごとに私たちの『破壊者』コールに答えるかのように、与えた攻撃によりライアン・クレイジーがよろける回数が多くなっていくのを見てしまうと、更に応援にも熱が帯びてきた。


互いの体を互いが支えることでやっと立っているようになるまでになっても決着がついておらず、足も震えており手も、力が入らないようであった。


それでも、手を離した方が負けだと相手の襟首を捕まえている右手は外さずに捕まえていた。


互に息が整うのを待っていたのか、最後に力を振り絞り互に両手で相手の頭をつかむと頭突きを繰り出した。


まるで何かが砕けるような音がして、両者があおむけに倒れこんだ。


両者、すぐに起き上がらなかったため結果を確認するために遠藤さんがリングに降りて確認を行った。


「勝者『破壊者』」


頭を振りながらゆっくりと上体を起こした『破壊者』に近寄り勝利宣言を行うと、ライアン・クレイジーは静かに消えていった。




リングから上がってきた『破壊者』の受けたダメージはかなりのもので、立つことすらやっとであった。


「遊びすぎですよ」


「そっちこそ、遊びすぎて負けただろ」


言い合いが始まりそうになったので止めるために声をかけた。


「そのダメージだと今日はここで休んだ方がよさそうですね」


「ああ、さすがに今すぐに動き出せるような状態ではないな」


Dr.ヘーゲルシュタインがとこからともなく取り出した容器を『破壊者』に投げ渡していた。


「この軟膏を塗れば打ち身に効く・・・はず」


最後の部分だけなぜか小声になっており、疑問に思ったが受け取った『破壊者』は気にせず全身に塗っていた。

Dr.ヘーゲルシュタインは塗っている最中の『破壊者』にしびれはあるのか、痛みはあるのかといろいろ質問をしながら手元にいつの間にか持っていた端末に何やら書き込んでいた。


藪をつついて余計なものを見たくなかったので何も見なかったことにして、野営の準備を田中さんと進めることにした。


ライアン・クレイジーが通路から現れたとしても襲ってくるとは考えられないが、もしものためにブリキの騎士には通ってきた通路に構えてもらうこととなった。


今日は早めに就寝して翌日早くに動き出し、今日攻略できなかった部分を少しでも取り返そうと眠りについたが、『破壊者』は痛みが出るのか時折呻いている声が聞こえており、Dr.ヘーゲルシュタインの謎の軟膏を使っていたことを思い出して寝袋の中で震えてしまっていた。



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