見えないモンスター
6階層にたどり着いたところで、ブリキの騎士がランスを突き出していた。
モンスターに攻撃を受けたということはわかったが、あまりにも早く対応したので、何が攻撃してきたのかを確認する前に消えてしまった。
この階層のモンスターは後で確認することにして、『ラット』の猛攻を防いだことで疲れ切った体を休めることとなった。
「あのモンスターあそこまで階層を覆いつくすくらい増えたら帰りどうなるんです?」
「その階層に入った瞬間に飲み込まれてかじりつくされるだろうね。基本的には『ラット』のいるダンジョンは『ラット』の階層までの攻略か、完全にダンジョンを攻略して外に放り出されるかだから気にすることは少ないのだけど、あそこまで増えるとさすがに怖いな」
このダンジョンに入って初めて息が上がっている遠藤さんが6階層に着くなり座り込んでしまった。
息を整えながらでも田中さんの質問には答えを返しているが、なかなかきつそうである。
『破壊者』も少し遅れて6階層に到着したが、こちらは息が上がっている様子もなく、いつも通りであった。
ここまで、ソリに乗っていて特に何もしていないことに罪悪感が出てきたため、Dr.ヘーゲルシュタインに水を出してもらい皆に配り歩いた。
その間、ブリキの騎士が、幾度となくランスを振るっていたが、魔石が落ちるだけでモンスターを認識ることが一切できなかった。
「そろそろ向かいますか?」
遠藤さんが息を整え終えて体力がある程度戻った段階で休憩を切り上げて6階層を進むこととなった。
ただ、進み始める前に先ほどからブリキの騎士が倒しているモンスターを確認するために声をかけた。
「先ほどからブリキの騎士がランスでモンスターを倒している様子なのですが、音も聞こえず、姿も確認できないのでどんなモンスターが出現するかわからないのですが」
「音もなく姿も確認できないのなら、幻獣型7種の『スカイフィッシュ』か虫型8種の『落花蟲』それか幻獣種13種の『見えざる手』あたりだろうけど、『落花蟲』は天井から背中に溜めた子供を投下してくるから天井見れば花弁が開いたような見た目の親蟲が確認できるはずだけど」
そういわれて天井を確認してみるが、そのようなものは見当たらなかった。
「あとは『スカイフィッシュ』は『見えざる手』だけど、これは戦いながらじゃないと判断が付きそうにないかな?。ほかにも見えないモンスターいるけど、L型ダンジョンでの出現報告はないからこの2体に絞っていいと思う」
「なら、俺は今回パスで。そんな面倒なモンスター相手にしてられないわ」
そういうと、『破壊者』は殿となるためにソリの後方へと向かった。
「私では光速で移動する『スカイフィッシュ』も攻撃されてからじゃないと居場所をつかめない『見えざる手』も、この2体は私のスキルでとらえきることができませんので私も役に立てそうにないですね」
「それなら、俺も無理そう」
遠藤さんと、田中さんまでも早々に先頭を譲ってしたので、先ほどから定期的に倒しているブリキの騎士が先頭に立って、進むこととなった。
そうなると必然的にブリキの騎士が引いているソリも先頭になってしまうのだが、ブリキの騎士は優秀なため問題なく進んで行く。




