ウマニダンジョン
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朝日がまだ昇る前に起き出し、ダンジョンに潜るためのミーティングを行うため2日ぶりに外に出てみると、寝る前まで残っていたダンジョンを囲む廃墟の跡がきれいになくなっており、ダンジョン周りがガラス化していた。
一目見ただけで何があったのか容易に想像できたが、見張りをしていた田中さんに聞いてみることにした。
「これもしかして『破壊者』が?」
「そうそう、昨日の夜中にダンジョンからモンスターが出てきたらしく建物ごと吹き飛ばしてくれるから少し寝不足なんだよね」
そういいながらあくびをしていた。
「その後はモンスター現れないから暇だったしよかったのかもしれないけど。それより、これダンジョンに入れないでしょ?置いていくの?」
「さすがにこのままおいていけないので、戻しますよ。ついでにDr.ヘーゲルシュタインも」
「そういえば、ここまでの移動中一度も出てこなかったけどサボってたんだろ」
「違う違う。Dr.ヘーゲルシュタインが過保護すぎて出してもらえなかったんだよ」
少しげんなりしながら田中さんの言葉を否定していると、タイミングよくDr.ヘーゲルシュタインが出てきた。
「なに?私を戻すだって?それはだめだ」
詰め寄ってくるとそのまま引き倒され馬乗りになってきた。
「君は私がいないとダメなんだ。だから私といなければならない。わかったね」
両手で顔をつかまれて、有無を言わさないように話しかけてくる。
正直、このまま戻してしまいたいところだが、ビルド・モービルの性質上Dr.ヘーゲルシュタインを戻してしまうと同時に戻ってしまう。
そのため、今このまま戻してしまうと起きている私や田中さんだけならともかく、ビルド・モービルの上で寝ている他の2人が、建物の3階部分から地面にたたきつけられてしまう可能性もあり、いやいやながらうなずくしかなかった。
「わかればいいんだよ」
そう言うと、立ち上がり倉庫へと歩いて行った。
「なんか、どんまい」
「うるさい」
同情の声をかけられたが八つ当たり気味に返し、2人を起こしに行った。
起こしにテントに入ると、すぐに起きてくれたので軽めの朝食を用意してミーティングを行うことにした。
「それでは、8-10L型ダンジョン通称『ウマニダンジョン』について現在わかっている情報を再度共有します。このダンジョンは存在を確認された当初最高難易度を誇っていたダンジョンです。1階層には特殊型8種の『スライム』がいます。この対応は『破壊者』の得意とするとこですのでお任せします」
遠藤さんに話を振られた『破壊者』返事をせず手だけを軽く上げ、食事を続けている。
「1階層はそれで突破できますが、2階層目は鳥型8種の『翼を持つ槍』が待ち構えています。ここは私と、田中さんが相手取りますので、2人は休憩と温存をお願いします」
田中さんが食事をしながらレーザー銃をたたいて返事をする。
「3階層からが問題となっております。政府が撤退を決めた際にダンジョンの資料を持ち出せず、EU加盟国としての義務となっていた、ダンジョンのランクと第2階層までの出現モンスターの登録は確認できましたが、それ以外の情報を確認できませんでした。そのためこのダンジョンを直近でいつ攻略したのか、また現在の最大階層すらわかっていません」
と、ここでDr.ヘーゲルシュタインの方を向き聞いてきた。
「これから潜るダンジョンにて10日以上潜る可能性を考慮すると、私たちの物資では足りない可能性があります。ご協力ください」
「もとからそのつもりです」
そういって、食事を取っているDr.ヘーゲルシュタインは、皆がいる場所でも私を膝の上に座らせて逃がさないようにしている。
そのことに全く触れることなく、話が進んでいく。
「私のスキルでも、次の階層を見ることはできませんのでその場での対応となります。特に『破壊者』と安藤さんは気を付けてください」
「心配するな。俺は死なないから」
「誰もそんなこと心配していません」
「えーと、私も気を付けます」
「安藤さんは攻撃はせずにDr.ヘーゲルシュタインの指示に従っていてください」
「はい」
話すことが終わったのか、遠藤さんも食事を始め、全員が食事を終えるとビルド・モービルから降りてダンジョン攻略を開始することとした。
今回出てきた『ウマニ』という街は実在します。
名前を見た時面白い名前だと思い今回登場させてみましたが、実際の街並みを再現していません。
これは架空の街だと認識してください。




