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カード顕現~眷属だけが頼りです~  作者: えでぃ
2章 世界の状況
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スキル談話

2日目、今日も天気は快晴で何事もなく船が突き進む。

予定ではあと2日間で目的地に着くとのことだが、黒海に侵入するために通るイスタンブールの奪還に時間がかかっているため、足止めを食らう可能性があるとの連絡が入ってきていたりする。


「おはようございます」


「おはよう。昨日からずっと幻影龍出してるみたいだけど、これいきなり消えたりしないの?」


田中さんが、甲板で海を見ている私の分のコーヒーをわざわざ持ってきてくれた。


「基本倒されるか魔力がなくならない限り大丈夫ですよ。その魔力も1日に1消費されるか私が『魔法』発動することでしか消費されないので」


「それなら昨日結構使ってたよね」


遠藤さん同様田中さんにもばれていたことを知らされて、恥ずかしさから手すりに頭を打ち付けてしまった。


「いや、あの。確かに昨日使いすぎたので、先ほど召喚しなおしました」


「あまり聞く機会がなかったから聞かなかったけど、顕現させたものってそんなに気軽に消したりできるの?」


「実はそのあたりはまだ曖昧なんですけど、『GET THE WORLD』のカードを使用した場合、敵を倒すと顕現を解除できるみたいです」


「『GET THE WORLD』以外のカードだと条件が変わるってこと?」


「そうですね。実験中に宇宙を題材にした星屑戦線ってTCGのこの『RTD3000』ってロボットだと、顕現後乗り込んでモンスターを倒したのに消えてくれないんですよね。現在大きさも大きさなので自衛隊に引き渡したので、今頃ばらされてるんじゃないのかな?」


リュックの中から2足歩行のロボットが書かれたカードを取り出して見せながら説明した。


「あれ?『GET THE WORLD』のカードの顕現を解除するためには、モンスターの討伐じゃなく敵の討伐なの?」


「あー、まあ、いろいろありまして。正直な話、敵を殺せば解除できる仕様だと思ってもらえればいいかと。実際まだ詳しい条件が判明してないので、なぜか倒した後も残ることがたまにあるんですよ」


「なかなか使いづらいスキルなんだな」


そろそろ答えに困る質問が出てきたので話題をそらすことにした。


「それより、田中さんのスキルはどうなんですか?珍しいスキルなんでしょ?」


「『ピエロ』のことだろ?このスキル面白くて、観客が多ければ多いほど、自分の知名度が高ければ高いほど無敵に近いスキルに感じるんだよね」


「それはどういうこと?」


「例えば、今ここでナイフを取り出して切腹したとする。そうするとどうなると思う?」


「え?死ぬんじゃない?」


「そうそう、普通なら死んでしまうよね。だけど、例えばテレビの前でそれを切腹を行ってわざとらしく血をまき散らしたらどう思う?」


「やらせだと思うけど」


「そうそう、この『ピエロ』ってスキルはその周りからの認識を上書きできるんだ。さっきの説明の通り、たとえ腕が食いちぎられても、大多数がそれをやらせだと思ってくれれば、腕がもとに戻したりもできる」


「え?なんでそんな強力なスキルに付属スキルがないの?」


「それはたぶん安藤さんと違い、自分自身にかかわることしか影響が及ぼせないことと、知名度や観客に大きく影響されるからだと思うよ。『カード顕現』に比べたらそこまで強いとは言えないスキルだからね」


田中さんはだいぶ謙遜しているが、条件さえそろえば細胞の一つも残らない状態からも復活できる可能性のあるスキルは、さすがに強すぎると思うのだが、それをかたくなに認めることはなかった。


「それにこの船に乗り込んだ人たちに聞いたんだが、あの人たちのスキルは私以上にすごい効果が多いから条件にかなり左右される私はそこまですごくないよ」


一日船の中で生命線になるスキルの情報を聞き出せるコミュ力にも驚きながら、コーヒーがなくなるまで会話を楽しんだ。


『GET THE WORLD』公式設定にて大海原の祖編も更新しましたのでよろしくお願いします。

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