初確認の物がすぐに使い物になるわけがない
今まで、恋愛が絡んでこなかったのにジャンルの設定を間違えてたのでローファンタジーに変更しました
「それではスキルの確認をしますので順番にこちらに来てください」
「まだ落ち込んでるんですか?」
スキル確認を始めた佐藤さんをよそに、小岩井さんが心配して話しかけてきた。
「いや、だって私だけ投げた鉄球は大きく外れるし、棍棒すら空振りして、さらには何もないところで転んで、助けられるなんて・・」
「初めては大概そんな感じですよ。安藤さんは交通誘導がメインですから護身用具の扱い方も練習しないでしょうし、他の方がおかしいだけですから気にしないでください。最初は私も同じような感じでしたから」
慰められながらも確認は進んでいく。
各時の獲得したスキルは、
社長は『辻光一刀流』
東さんは『炎拳』
渡邉さんは『棒術』
藤沢さんは『形心影流』
田中さんは『ピエロ』
そして、私は『不器用』『カード顕現』
が取得できた。
「教育時に話した通り、スキルは後日増やすことも可能です。これは確認数が少ないため話さなかったのですが、ある流派の師範代になっている者がその流派のスキルを獲得することが多いと聞いていますので、社長と藤沢さんのスキルに関しては希少スキルではなく、通常スキルの強化版という扱いです」
名駅前ダンジョンビルの中にある会議室に移動して、休憩を取った後、スキルの考察やダンジョン内での反省会を始めた。
「東さんの炎拳ですが『拳術』の強化スキルという位置付けになりますので、大丈夫ですが、問題は田中さんと安藤さんです」
「田中さんの『ピエロ』に関しては今まで1人しか取得していない希少スキルとなります。希少スキルの取得時には報告が義務となっていますので、後日研究の打診が来る可能性がありますが断ることも可能です。公表されている範囲の内容を冊子にしてきますので、明日確認しましょう」
田中さんのスキルが希少スキルということで、驚きの声が上がる。
「そして、安藤さんの取得した『カード顕現』はいまだに誰も取得していない希少スキルとなります。このスキルに関しては初めて確認されたスキルの為、今後研究のために政府の方からお願いされることがあると思います。断ることもできなくはないですが・・・初スキルに関しては所持者だけでは性能をすべて出し切ることは難しいので、協力することを進めます」
『お願い』の部分を強調して話す佐藤さんの顔をみて、断ることできないとみんなわかってしまった。
「それと、安藤さんがもう一つ取得した『不器用』ですが、こちらも希少スキルとなりますが、このスキル自体が希少というわけではなく、強力な希少スキルの付随スキルとなっています。ですのでこの『カード顕現』かなり強力なスキルとなるわけですが、過去に似たようなスキルの報告もないので、予測ができません。それに私の『鑑定』スキルでも『カードを顕現する』としか表示されないため明日からいろいろと試してみましょう」
強化版通常スキルの連発から希少スキルの連発で食傷気味の場が希少付随スキルまで出てきたことで一気に盛り上がり、その後は今日の反省会をしながら明日の講習にたいして期待を膨らませていく。
各スキルは以下のように分けられてます
通常スキルは10件以上の報告があるスキル
希少スキルは10件以下の報告又は研究が進んでいないスキル
強化版通常スキルは通常スキルから強化されて取得可能のスキル
希少付随スキルは他と違いデメリットのスキル
研究が進んでないスキルとしては『自爆』があります。
気軽に試せないため希少スキルの位置づけです。




