表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/237

10話 -Side story-

大司教バレルのサイドストーリーなのでスキップしても本筋には影響ありません。

 

 総大司教パトリアクスは国際法に完全に反するこの行為が、教皇の意向によるものだという耳を疑う驚愕の発言をした。


 教皇・・・それは教会の頂点に位置する者。プーチャル教というのは世界最大の宗教団体である。その頂点に位置する教皇の権力は、世界最高レベルといってよい。


 その権力はこの世界のルールすら変えることができ、国を亡ぼすことさえできる圧倒的なもの。


 教皇の姿は教会内で相応の地位に位置するバレルでも、遠目から何度かその姿を見たことがあるだけの、雲の上の存在であり彼が最終的に目指す場所。


「これをある人物に渡してほしい、そう言ったがその相手というのは教皇さまの古くからの御友人なのだ。私もそのお方が誰なのかはわからない。教会内でその話は完全なるタブーだからだ」


「だから真実は分からないのだが、噂によるとその方は、教皇様に昔から多額の金銭を支援していてその金とコネを使って教皇様は現在の地位につかれた」


「なぜ教会内でこの話がタブーなのかというと、教皇様は非常に秘密主義的な性格で自分の周辺を探られることを極端に嫌うお方。そしてそれを破ったものには容赦のない罰を与えられているからだ。それはどんなに地位を持ったものに対しても同じで、過去には親族でさえも死刑に処している」


 頭が混乱してくる。話の規模が大きすぎる。自分は今とんでもない状況に置かれている。どうしてこんなことになっているのだろう。頭にもやがかかっているように回転が鈍く理解が追い付かない。


「この勇者召喚玉は迷宮の深部にて発見され様々な経路を経て今、私の手の中にある。しかしそれは私でさえも、教皇様に今回の任務を託されるまでは全く知らなかった。だれが何の目的でこの勇者召喚玉を手に入れようとしたのかはいまだにわからない。それほどのこれの存在については極秘情報として秘匿されていた」


「しかし教皇様の御友人はどこからかその話を入手されたようで、教皇様にそれを譲ってくれるよう頼まれたのだ」


 呼吸が苦しい。自分はちゃんと呼吸できているのだろうか


「2人の間でどういった話が行われたのかはわからない。しかし結局、教皇様はその方に勇者召喚玉を譲ることを快諾された。もちろんそれが国際法に違反することは十分に承知したうえでの話だ。そしてその重要な任務を私に託された。この案件はしくじるわけにはいかない。もしもしくじれば教皇様の身にさえ危険が及ぶからね」


「はひ」


 確かにこれはとてつもなく規模の大きな話であり、誰にでも任せられるような仕事ではないが、それにしても何故?自分はパトリアクスと特別懇意というわけではない。なぜこの任務を自分にさせよう、そう思ったのだろう?


「なぜ自分に?そう思ってるんだろう。それはね、バレル大司教。君のストーキング・フライの力が必要だからなんだ」


 ストーキングフライ。それはバレルが所持している特殊スキル。


 特殊スキルとは通常のスキルの上位種にあたるもので、プーチャル教では神の力の欠片とされているもの。その力は通常のスキルとは比べ物にならないほど強力で、世界に名を轟かせている人物たちの大半が所持しているといわれている力。


 ただしそれを所持している者は極々わずかで、100人に1人ほどと言われるほど貴重な物だ。そして幸運にもバレルはその特殊スキルを所持していて、それがあったからこそプーチャル教という世界最大の宗教団体において大司教という地位に就くことができたのだ。これによっていかに特殊スキルという力が特別なものであるかという事が分かる。


 けれど謎はさらに深まる。彼は当然のことながら自分の能力を熟知している。しかしこの能力と今回の仕事とのつながりが見えない。この仕事においては特に使いどころがないと思った。


「話が見えません。なぜその箱を渡す仕事に私の能力が必要なのでしょうか」


「教皇の御友人の正体を暴く。だからだよ」



 悪夢だ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ