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救われた男
これまた余計な注釈を入れるようだけれど、佐野にとっては思いもしない、夢のような提案だった。
本当の話、絶体絶命のピンチだった。マチョッパーズを取り上げられ、綾乃の足の香が嗅げないとなれば、今後彼はどのようにすれば良いのか。
嗅げなかった僅か三日の間、うずうずむらむらして仕方がなかった。またやってしまうのではないか。今度捕まったら、それこそ警察を呼ばれるかもしれない。下手をすれば逮捕だ。
だから買い物をしなかった。店に入れば前後の判断ができなくなる危険がある。必要な物は宅配サービスでしのいだ。
だけれど、いつ魔がさすか分かったものではない。
仕事だって続けられるのか。
あしたの事が気になって眠れない。市役所に行く前日、早番で出勤した前の晩は一睡もできなかった。
そこへ差しのべられた救いの手だった。




