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白金(しろがね)の魔術師 もふもふ神獣との異世界旅  作者: そぼろごはん
第十二章 セレンシアダンジョン編
545/545

545 火喰い鳥

「結界!」

とりあえずスーリアが親鳥に食べられないように、雛と一緒に結界で守る。

ピイ!

ぴっきゃ!

結界の中では、無事に卵から出られた雛が、スーリアの聖魔法に包まれて、幸せそうにスーリアに甘え始めた。


戸惑ったのは親鳥だ。

白い小さな羽根あり小龍が、我が子を食らうのではと血相変えて飛んできたものの、雛はその見慣れぬ生き物にぴったりと身を寄せて、なついているのだ。

しかも、ほわわんとした光る結界の中にいる。

この結界はどう見たって邪悪には見えない。


キュルルル…

親鳥の声を聞いて

「ピイ!」

と鳴く雛。

親鳥はすっかり僕たちを追うのを辞め、雛とスーリアの結界のそばで、戸惑いながらも見守り始めた。


僕とシンハは少し離れたところに着地し、様子を見守った。

「なんか、スーリア、すっかりお姉ちゃん気分だねえ。」

『…。普通なら火喰い鳥も雛を奪いにきた敵として攻撃するだろうに。あれを見たら、さすがにスーリアを襲う気がそがれたようだな。』


だが、そんなのどかな風景に、あの大アリジゴクがブウンと飛んできた!

「げっ!あいつ飛ぶんだ。」

その姿はまるでGの化け物みたいで、印象が最悪だ。

『まだ雛が諦めきれぬらしい。』

「しつこいな。これこそまさしくお邪魔虫だ。」

僕はフルサイズの杖を出していた。


大アリジゴクが砂のバレットを、雛たちを見守る火喰い鳥にボボボボッと撃ちだした。

ギャギャ!キュルル!!!

火喰い鳥はスーリアと雛のいる結界に覆い被さるようにしつつも、火炎放射器のような炎をゴオッと吐いて応戦した。だが、大アリジゴクはそれが届かぬ位置にひらりと移動し、またしてもボボボボッと砂バレットを撃ちだして親鳥を攻撃する。

はては一気に滑空し、自慢の角で火喰い鳥を直接攻撃する手段に打って出た!


僕の結界はかなり頑丈ではあるけれど、このままではスーリアも安全とは言いがたい。

「レーザービーム!」

僕は大アリジゴクに強い光と熱のビームを発射した。

ビームは大アリジゴクの角の一本と羽根を吹き飛ばした!

キシャッ!

断末魔の雄叫びとともに、大アリジゴクが落下。

そこへ火喰い鳥が襲いかかり、勝負はついた。


キュルルルルルル!!!

火喰い鳥は雄叫びをあげて、勝利をアピールした。


「ふう。なんとか子供たちは守れたね。」

『スーリアは、戻ったら説教だな。』

「ふふ。まあ気持ちはわかるけどね。さて、いいかげんスーリアを回収しないと。」


火喰い鳥の親がスーリアと雛を見守っているため、容易には近づけないが、僕は雛とスーリアを守っていた結界を解き、ピウィ!と指笛を鳴らしてスーリアの注意を引いた。

ぴっとスーリアが顔をあげてこっちを見る。

親鳥と雛も僕とシンハのほうを見た。

緊張しながらも、

「スーリア、おいで。」

とわざとのんびりした口調で言ってみた。


スーリアはぴっきゅ!と鳴いて、雛から離れ、ぱたぱたと僕のところに飛んできて肩に着地した。

親鳥は、僕たちを警戒していたはずだったが、即座に雛のもとへ行き、雛も親鳥に甘えてピイピイと鳴いて餌をねだった。

すると親鳥は、今倒したばかりの大アリジゴクを、さっそく雛に与え始めた。

僕やシンハには目もくれず、である。


『今のうちに此処を離れた方がいいな。』

「(そうだね。)」

念話でシンハと話し、静かに数歩後ずさりした時だった。


キュルルル!

親鳥が雛を咥えて僕たちのところに飛んできた。

そして、そっと雛を僕たちの目の前に下ろすと、

まるでお礼をするかのように、何度もお辞儀をし始めた。

キュルル

ぴっきゃう!

スーリアが答える。

どうやらスーリアには火喰い鳥の親の言葉というか、感情がわかるらしい。

「(ママ、鳥のママが、お礼したいって。)」

とスーリアが通訳してくれた。

そして、もう一度大アリジゴクへ飛んで行くと、魔石を咥え、角1本を足でつかんで戻ってきた。そして、僕たちの前に、大アリジゴクの魔石と角を置いて、またぺこぺことお辞儀した。


「それをくれるの?ありがとう。」

僕は親鳥にそう言って、親鳥と目を合わせ、彼女に手を伸ばした。

きゅるるる

シンハは警戒したが、僕はかまわず親鳥をなでた。

やっぱり。ふかふかだあ。

親鳥は火に包まれている感じだから熱いかと思ったが、暖かいだけで僕がやけどしたり焦げたりすることはなかった。

おそらくこの火喰い鳥は、火もいろいろと操れるのだろう。


お近づきの印に、ホルストックの干し肉(シンハ用に塩分控えめのやつ)をあげたら、美味しそうに食べた。雛には何をあげようかと思っていると、親鳥が僕からもらった肉を、噛んで柔らかくして与えていた。

試しに僕の魔素水もあげてみると、親子そろって美味しそうに飲んでいた。


ふと気づくと、いつの間にか僕の肩にサラマンダが乗っていた。

クエー

と鳴くと、親鳥はますます頭を低くして何度もお辞儀した。

『火喰い鳥はホウオウの親類とも言われるからな。火の精霊ともつながりがあるのは理解できる。』

「なるほど。そうなんだ。」

ホウオウと火喰い鳥は、シンハと白狼種みたいな関係か。

「となると、火喰い鳥や白狼種は倒せないねえ。」

『そんなことはないぞ。俺たち特にお前に敵意を向けるなら、相手が神獣だろうと神獣の親戚だろうと、俺は容赦しない。』

おっと。シンハさんから怖い発言が。

『ちなみに火喰い鳥も白狼も、俺は倒したことがあるし食べたこともあるぞ。どちらも美味でな』

「ストーップ!それは、今はスーリアには聞かせたくない。」

僕は慌ててスーリアに両耳をふさいだ。

きゅ?

スーリアはシンハの言葉を聞いていなかったようだ。よかったぁ。

親鳥はシンハの言葉がわかったとは思えないが、雰囲気でちょっと警戒したようだ。雛をかばうような仕草をした。

『おう、すまん。こほん。どちらも生存数はかなり少ない。普段は食べないから安心しろ。』

まったく。




すみません。都合により少しお休みします。またねー。

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