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W  作者: maow
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W 第一部 第二話 54

「だいじょうぶ」

彩夏からの連絡を受けた冬華が慌ててやってきた

「ええ、なんとかね」

「うーん」

彩夏の方はもうちゃんと立てるようになったが

優はまだふらふらしていた

「秋はー」

冬華が伏し目がちに尋ねてきた

聞かなくてもわかってるんだろうけど、聞かずにはいられないわよね

彩夏は黙って首を横に振った


冬華が検死のために秋を調べようとするが

「春樹」

春樹は秋を抱きしめたまま話そうとしなかった

「うーん」

冬華が困った顔になる

はあ、仕方ないわね

「春樹、検死するからどきなさい」

「・・・・・・」

無視

ムカ

「春樹、あんたいいかげんにしなさいよ」

「彩夏、待って」

冬華は止めに入るが、彩夏は止まらない

「春樹、あんたの気持ちは私にも分かる、私だって優を失ったら今のあんたみたいになったかもしれない、でも、優は、私の相棒は、あんたの部下はさっき殺されかけたのよ、それをあんたは何もしないで」

彩夏にこれだけ言われても、春樹はただ秋を抱きしめていた

「はあ、仕方ないわね」

そんな春樹を見て、彩夏の勢いもなくなる

ひっぺがしてもいいんだけど、それはさすがにね

「じゃあ、高宮の方の検死をやってくれる」

「うん」

冬華が高宮の方へ歩いていき、検死を始める

近くにいた優も高宮の死体を観察する

「邪魔すんじゃないわよ」

「しないよ」

優がムッとした顔で言ってくる

「これすごいよー」

冬華が撃たれた頭を見ながら言ってくる

「どうすごいの」

「きれいに脳幹を貫通してる、即死だよ」

「脳幹を一発で撃ちぬくなんて、確実に素人じゃないわね」

まあ、銃を持ってる時点で一般人とは思えないけど

しばらく、冬華が高宮の死体を調べたが、特にこれといったものはでてこなかった

「じゃあ、後は所轄に任せましょうか」

「そうだねー」

「ぼくもうつかれたー」

「あんたねえ」

さっき死にかけたばかりなのにこの子は

彩夏が呆れていると

「じゃあ私フロントに事情を説明して警察呼んでもらうから二人は休んでてー」

「ありがと」

「じゃあ、お願いね」

冬華が部屋を出た後

「さいさい、しばらく違う部屋で休まない、ぼくの泊まってた部屋まだチェックアウトしてないから」

優が一瞬春樹の方を見て、そう言った

「そうね」

しばらくの間、二人だけにしてあげましょう


春樹と秋を残して、二人は301号室を後にした


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