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W  作者: maow
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W 第一部 第二話 10

護衛任務当日

春樹を除くシグナルのメンバーは空港の飛行機発着場にいた

「はあ」

「ため息つかないの、これから三日間護衛任務なのよ」

朝、優は家にまとめておいた荷物を取りに帰ったけれども、旦那には会えず、結局、仲直りできないまま護衛任務に臨むことになった

おかげでこっちは朝から優のため息を何回聞かされたか

「まーまー、任務が完了したらー仲直りしなよー」

「うん」

そんな優を冬華が慰め、優も真剣な表情に変わる


「来たぞ」

秋の声に三人が見上げると

今まさに貴族専用プライベートジェットが着陸をするところであった

「ふぇー」

「おー」

冬華と優が驚嘆の声を上げる

大きさとしてはあまり大きくなく、外見も思ったほど豪華ではない

まあ、今回の会談は極秘、あえて質素にしたのかもしれないけど

飛行機の着陸が完了し中からスーツを着た一人の男と二人の女が出てきた


「こんかいは、私とシン国王の会談のため、力を貸してくれること心より感謝します」

髪を結った金髪の女性が、これから護衛をする私たちへの感謝を述べる

「私が、アリサです、今日から三日間よろしくお願いしします」

この人がアリサ大使

気品にあふれるというか、高貴というか

育ちがいいとはこういうことか

次元の違うオーラに彩夏が圧倒されていると

「はるばる遠くからお越しいただき、ありがとうございます」

おー

私たち三人が固まってる中、秋はちゃんとアリサ大使の長旅を労う

「世界平和のため我々も精一杯、アリサ大使の力になりたいと思います」

「ありがとうございます」

アリサ大使と秋が握手をした後、七人は近くに止めてあった、二台の車にそれぞれ乗り込んだ


普段なら運転するのは秋と彩夏であるが、今回はアリサ大使、優、彩夏の乗る車をアリサ大使の付き人の女性が、秋と冬華の乗る車をもう一人の付き人の男性が運転している

「名乗っていませんでしたね、私はミーサ、そして前の車を運転しているのがケインです」

「それはどうもご丁寧に、私は彩夏で、あなたの隣の子が優よ」

運転席の褐色の女性が、自分と前の車両で運転している、お坊ちゃま風の男性の紹介をしてくれる

「ミーサはアフリカからの移民なんです」

「え、じゃあもしかして」

「ええ、今回の会談はヨーロッパとアフリカの間にある因縁の清算、そしてとの新しい未来へ歩むためのもの、その場にはぜひミーサにいてほしくて、今回、無理を言って付いてきてもらいました」

「なるほど、素敵な考えだと思います」

「ありがとう」

なんて美しい笑顔

これが、女の子の憧れるお姫さまか


彩夏が本物のお姫様に感動していたころ、もう一方の車内では

「ケインさんはもう7年もアリサ大使のもとで働いているのですか」

「はい、ミーサは5年ぐらいですかね」

秋とケインが世間話をしていた

秋は今回の護衛任務とは別にもう一つの任務がある

少しでも、情報はつかめないかとアリサ大使の護衛に探りを入れる

「今回のUAの世界連合への加入はケインさん自身どう思われるんですか」

「なんだか、マスコミみたいな質問ですね」

「す、すいません、好奇心で」

一瞬、こちらの意図がばれたかと思ったが、どうやらちがうらしい

ケインは笑みを浮かべたまま答えてくれる

「いえ、かまいませんよ、今回の話がうまくいけば、アリサ大使の望む、世界中の人が手をとりあえる世界に大きく近づく、とてもいいことだと思いますよ」

「それは素晴らしいお考えですね」

ケインが笑顔で返してくる

「ちなみにケインさんは明日会談するシン国王の治めるオウルについて何か知っていますか」

「いえ、お恥ずかしながら、観光で何度か訪れたくらいで、詳しくは」

「そうですか」

国交があるとはいえ、あまり親しいとは言い難い関係、恐らく、後ろで運転するミーサもよくは知らないだろう、やはりシン国王に直接探りを入れるのがよいと思うがどうすれば・・

と秋がうつむいて思案していると

「だからこそ、これから、お互いに知っていければと思ってます」

ケインはとても優しい声でそう言った

「素晴らしいお考えだと思います」

心の底からそう思えた


その後、話の話題はシグナルとなる

「へえ、シグナルには他に男が一人いるんですか」

「ええ、春樹といって、前にいた部署からの付き合いになります」

「それはうらやましい、こんな美しい女性と長らく仕事できるなんて」

「な、いや、そんな」

秋が、顔を赤くして照れていると

「まして、シグナルでは四人の女性に囲まれているなんて、男としてはうらやましい限りですよ、ははは」

「・・・・・」

それを聞いた瞬間秋の顔が曇る

「あ、あれ」

場を和ますつもりが、おもいっきり地雷を踏みぬいてしまった

「ふーふー」

下手な口笛を吹きながら冬華は外の景色を見ていた

私知らなーい


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